お墓に牛の骨を飾る理由とは?!~東ティモールの「お盆」体験レポート
こんにちは、駐在員の深堀です。
衆議院選挙、終わりましたね。先日、私も東ティモールで期日前投票に行ってきました!新政権の方針が生活にどう影響するのか。東ティモールの進む道も気になりますが、日本の未来も気になります…。
さて、今月は活動の話をおやすみして東ティモールの祝日「死者の日」についてお伝えします!
東ティモールのお盆「死者の日」
11月2日はキリスト教の国東ティモールの「死者の日」です。亡くなられた方のため、家族みんなが集まってお墓参りをします。クリスマス休暇、キリスト教の復活祭、そして死者の日の3つが東ティモールでは三大祝日といえるかもしれません。
だいたい死者の日の前日に家族が集まります。地方から離れて首都のディリ(Dili)に住んでいる人も、この日はみんな自分の土地に戻っていくため、「Dili mamuk=ディリが空っぽ」という表現をします。
家に戻ると、家族が集まって共に時間を過ごします。両親、兄弟姉妹の再会はもちろんのこと、いとこ同士で集まり、これまでどんな時間を過ごしたか、家族のこと、日々のことを大いに語り合います(ほんとにずーーっと話してます)。久しぶりの再会のため、車を出してみんなで海🏝に出かけることもあります♪
「死者の日」当日の過ごし方
死者の日のお墓参りに必須なのはお花とろうそく。まずはお花選びから。この時期は乾季から雨季への切り替わりの時期で、多く咲いているブーゲンビリアを選ぶ人が多いようです。お庭に咲いているのを取る人もいれば、森に入っていってお花を準備する人も。
お花は前日もしくは当日の朝おこなわれる教会での礼拝で、神父さまから祝福をしてもらいます。その後、お墓に直接ぱらぱらと撒くので、「Kari aifunan(花を撒く)」で「お墓参りをする」と表現することもあります。「故人が天国で安らかでいられるように」という想いをお花に込めているそうです。
ろうそくは、前日の夜に道路において祈ることもあります。これは天国への道を示す道しるべとなるそう。お墓に飾る際は故人への光(灯り)を意味します。
お墓の周りに皆が集まったら、一人が先導して祈りを唱えます。そのあとは思い思いに祈り、最後にはお墓にキスをします。
豆知識💡 東ティモールのお墓⚰
東ティモールではご遺体を土葬します。死後何日間で埋葬しなければならないという法律は特にありません。県や地方によって違いがありますが、それよりもご遺体に家族が会えることが最優先。例えば亡くなられた方の息子が出稼ぎで海外に行っていれば、彼が帰国して遺体に対面できるまで自宅に安置されます。
一人につき一つが基本ですが、これも地方で違いがあり、一つのお墓に家族全員が入る県(お墓を何度か開けて棺を埋葬する)もあるそうです。
お墓は墓地、もしくは家のすぐ横につくられます(土地があるかによる)。お墓の大きさや質も亡くなられた方の功績、地位などによってさまざまです。現在は良いタイルが輸入されるようになったため、経済的に少し余裕のある家庭はタイルでお墓を飾ることもあります。故人が好きだった色、柄でタイルを選びます。
牛の頭の骨が飾られているお墓は、タイルなどがなかった時代、生前彼が多くの財産を所有していたことを表しています。←「それか牛がすごく好きだったかどっちか」とティモール人に教えてもらいました🐄牛がすごく好きってなに…笑。
私にとっても大切な「死者の日」
東ティモール滞在歴が長くなると、大好きな人も増え、そんな方々との別れも増えます。忘れられない人が本当にたくさんたくさんいます。もう会えないとわかっているからこそ寂しい…。
嘘つきだけど全く憎めないあのおじちゃん、我が子のように愛してくれたお母さん、タバコがやめられなかった釣り好きおばちゃん、日本軍について話してくれたおじいちゃん、石鹸販売を頑張ってくれたお兄さん……あーーまた会いたいな。また会って笑い合いたい。そして「早く逝きすぎー!」とツッコませて欲しい笑。
「寂しい」と「また会いたいよ」を存分に伝える死者の日。お墓の前でたくさん泣いて、「大好き」を伝える日。
ディリの喧騒から離れ、故人に思いを寄せる大切な時間です。この「死者の日」があるからこそ、人の一生に限りがあること、限られた時間だからこそ会っておく大切さを思い出させてもらっています。
皆さまもこの機会に(?!)大切な方へ是非大好きを伝えてくださいね!❤
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