ネパール人妊婦のための母親学級に初めて参加して
はじめまして。2024年4月よりシェアでインターンをさせていただいている納富です。今回は、6月末にオンラインで開催されたネパール人妊婦対象の母親学級に初めて参加しましたので、ご報告します。
母国語で話ができるアットホームな母親学級
このブログでも何度か紹介されている、ネパール人妊婦を対象とした母親学級ですが、今回は最大最多の15人の妊婦さんが参加されました!
シェアの母親学級は、参加されている妊婦さんの妊娠週数に合わせて赤ちゃんや妊婦さんの身体の変化をお伝えしたり、参加者した妊婦さん同士が活発に話し合われたりと、とても手厚くアットホームな雰囲気だと思いました。Zoomを使ってオンラインで行われ、東京だけではなく他県からも妊婦さんが参加されました。母国から遠く離れた日本で、母国語で話ができる妊婦さん同士が集まれる、貴重な機会になっているのだと感じました。
食文化や習慣、価値観の違いを実感
はじめにスタッフと妊婦さんの自己紹介が行われ、その後、妊娠期や産後に必要な栄養素の話がありました。ネパールでは豆がよく食べられ、いろいろな豆の種類があり、豆により含まれる栄養素が異なるということを初めて知りました。
また、参加した妊婦さんからは、「ネパールでは妊婦はナスを食べない方が良いと言われているけど食べても良いの?」「ネパールではカルシウムのサプリ(鉄と葉酸も含む)が配られるけど、日本ではもらえないの?」という質問があり、驚きました。日本とネパールの「普通」が違うことを改めて実感しました。
日本の文化や習慣が当たり前のように思って生活していましたが、日本と外国では文化や習慣も異なり、その国の価値観があることを知ることができました。お互いの文化や習慣、価値観の違いがあることを理解したうえで、妊婦さんたちが安心して出産や育児に臨めるような支援が必要であることを学ぶことができました。
母子保健サービスを活用するまでのハードルを実感
栄養の話の後は、妊娠による女性の身体の変化と胎児の成長、どのような経過で出産に至るのか、赤ちゃんの健康や授乳について、産後の心身の変化についての話がありました。妊婦さんからは自身の身体に関する質問がいくつか聞かれ、妊娠による体の変化に戸惑われるのは万国共通のものだと感じました。
また、日本とネパールでは、妊婦健診の内容や役所での手続き、予防接種など様々な違いがあり、母国以外で妊娠・産後・子育てを行っていくには、多くの不安が伴うことを知りました。日本では、妊娠中から産後、子育てまで様々な支援制度があります。しかし、言葉の問題や、支援制度の利用には手続きが必要な場合もあり、ネパール人妊婦さんが情報を得て、実際にサービスを活用することは簡単ではないと感じました。また、自治体により受けられる支援内容や条件が異なるため、すべての情報を網羅して妊婦さんにお伝えすることはできませんが、こういった母親学級が、ネパール人妊婦さんと、病院や自治体の助産師・保健師さんとの架け橋となる役割を果たしているのだと、学ぶことが出来ました。
シェアの在日外国人支援事業のスタッフ、ネパール人通訳者と保健ボランティア、自治体や医療機関の保健師・助産師さんなどが協力し合って、ネパール人妊婦さんを支えている重要な活動に参加できたことで、日本で行う国際協力について学ぶことができ、とても貴重な機会となりました。
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