約2年5ヵ月実施した、新型コロナウイルス感染症宿泊療養事業への協力活動
2020年1月に始まった新型コロナウイルス感染症の流行は、中国から、ヨーロッパでの大流行へとつづき、世界中に広まりました。日本においても4月から第1波として流行し、4月から5月にかけ、瞬く間に日本中に広まることになりました。
新型コロナウイルス感染症(以下、「コロナ」と略す)は、そのまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあるものとして指定感染症に定められ、都道府県知事が認める時に感染患者の入院や隔離、消毒などの措置が行われます。東京都も新型コロナウイルス感染症の軽症者に対し、2020年6月から、隔離目的でホテル等において受け入れを始め、7月からの第2波に対応しました。
「コロナ」の流行が継続し、陽性患者数も増える中、ペットを持つ人々から、ペットと一緒に滞在できる施設の要望が寄せられ、東京都は、日本財団の協力のもと、お台場の船の科学館の駐車場スペースに150部屋ほどの宿泊療養施設の提供を始めました。宿泊療養施設では医師の常駐が必要であり、シェアは、東京都福祉保健局からの依頼もあり、委託業務として医師の派遣協力を2020年11月より開始しました。福祉保健局では、「コロナ」の流行により様々な対応に追われる中、宿泊施設に福祉保健局の医師を配置するのはとても大変な事でした。そんな中、シェアは毎週日曜日に医師派遣をすることになり、福祉保健局からとても喜ばれました。当初は、2021年3月ぐらいまでの予定でしたが、「コロナ」の流行は続き、2023年3月まで、この協力は継続しました。これらの活動には、シェアの理事や会員の医師、仲佐、仁科、吉田、角が対応しました。
仕事の内容としては、都内にある4つほどのホテルの宿泊療養施設とお台場のペット同伴可能な宿泊療養施設を担当し、朝9時、昼2時、夕方5時に、ZOOMを使ったオンラインで各療養施設の看護職員からの報告を受け、療養患者たちの管理を行いました。基本的には、症状が軽減し、隔離が終了した患者の、宿泊療養施設からの退所を決めていました。症状が出てきた療養患者の方のオンラインによる診療をしたり、相談に対応することも重要な仕事でした。重症化する場合には、緊急の入院措置を決め、病院への移送を決定したりもしました。
軽症者の施設なので、特に問題はないかと思うかもしれませんが、実態は全く違ったものでした。特に最初の1年間は、ワクチンを受けていない患者は軽症といえども、熱、咳、痰が1週間から10日程継続して、とても軽症とは言えないものでした。若い人たちも重症化はしないものの症状的にはとてもつらかったと思います。特にその倦怠感は強いものでした。
また、2022年1月、2022年の8月には、入院施設の受け入れが難しく、軽症でない患者も宿泊療養施設で診ざるを得ない状態になることもありました。
最後の第8波のオミクロン株の流行では、数は多いものの、ほとんどの場合、患者は熱もあまり出ずに、文字通り軽症でした。ワクチンの接種や感染者数の増加による集団免疫がついてきたためと思われます。
これまでシェアは、地震や津波などでの自然災害に対しての緊急援助を行ってきましたが、感染症も一つの災害と考えてよいと思います。
今後起こりうる新たな感染症に対しても、シェアは、保健NGOとして、対応していきたいと思います。
*応援よろしくお願いいたします*
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