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最近観た旧作映画(虚空門GATE/プレステージ/よこがお/蛇のひと)

実際は随分前に観たのもあるんだけど、書き残さないと気が済まないタチなので、印象に残った作品は記録していこうと思う。Netflixも再会したので。

虚空門GATE

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俳優であり超常現象系タレントの庄司哲郎を追ったドキュメンタリー。のっけから嘘みたいな強キャラ揃いすぎて、絶対にフェイクだろうと思って観てたのだけど、中盤に明らかに現実で報道された事件が巻き起こる。そしてそれ以降はUFOというか庄司哲郎という男の人生の山場を観続けるというあまりにも奇妙なトび方をする作品であった。構造の話をすればキリがないが、どこに事実という線引きするかで楽しみ方を幾つも持てる娯楽作ではある。

中心にあるのは監督が抱いた”UFOはいるのかいないのか“という興味で、そこをほじくる作品ではあるのだけど、終盤は人の生き様って何て生々しいんだという気分に。監督の持った疑問・疑惑を庄司に問い詰めるシーンは(庄司の彼女・林泰子さんのカット含め)爆笑してしまうし、「相席食堂」だったら一体何度「待てい!」が押されるか分からないくらいツッコミどころ満載だけど、愚かとか間抜けとは思えない。滑稽に見えても誇るべき人生がある。


プレステージ

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クリストファー・ノーラン作品の中でもあんまり語られてなさげな1作でなんとなく観ずに置いておいたのだけど、観たら結構好みな作品でした。イリュージョンをテーマにミステリーを作るっていう、その構造自体がやや裏技ではあるんだけど、そんなもん関係なく話のうねりに巻き込んでしまうし、何ならそんな理屈を彼方へ押しやる要素を終盤に放り込んじゃうし、エンタメー!!となった。狂気のどんでん返し。

執拗に繰り返される同一シーンに緻密な意味合いを持たせたり、確認→展開→偉業という手品のステップが映画の構成とリンクしていたり、本当にロジカルな組み立ての作劇と相性が良い作家。そこにエモめな成分も入ってくるからみんな好きになっちゃうんだろうな、この作品もしっかり人間ドラマでもあるし。メメントですらそうだからな、仕掛けとエモの監督よ。全然関係ないけどstand fmでは配信者のページで最新回を再生すると自動的に過去回を遡って再生されるのでメメント感を追体験できますよ!


よこがお

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深田晃司監督作品。「淵に立つ」にどえらく食らったので観るのをびびっていたのだけど、意を決して観た。超辛かった。なんでこんな話を作るんだ?と思うのだけど、いや実際なんでこんなことをするんだ?っていう人間と出会ってしまう恐ろしさに気を引き締めて生きていかなければいけないという警示として受け取りました。予想外の方向から、えげつないのがもたらされてパニックになってしまった。でも本当に人間関係って信じられないこと起こるよなぁ

筒井真理子主演というだいぶ尖ったキャスティングだったけど、最終的にいやこの人しかやれない主人公だな、とつくづく思う。市川実日子がかなり衝撃的です。近年は、というかずっとだけどとぼけた可愛いお姉さんとか、シンゴジラ以降は更に特殊さの増したキャラクターが多かったけど、今回はなんだろう、平熱なのに醸し出される不気味さ、みたいなものをじっくりと表現してて。やはり稀有な女優だな、と。冷たい質感で届けられる虚無感、怖い映画です。


蛇のひと

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WOWOWで制作されたドラマなのだけど、一応劇場公開もされていたようなので。2010年の作品で西島秀俊の再ブレイク初期ってところですかね。関西弁こそ新鮮だけど、みんなから愛されてちょっと楽しいっていう、穏やかサイドの西島秀俊が全開な作品、、なんだけどなか。トータル、なかなか不思議な空気感な作品で。会社で起きた横領事件と西島秀俊の失踪の謎を追う永作博美、という構成なのだけど、その流れと真相の組み立て方がすごく独特。

常軌を逸した殺人とか、とんでもない大犯罪を起こした人物の過去を掘り下げて、ワァおぞましい、、ってなるミステリーとかサスペンスは多い気がするのだけど、この作品で起きる事件もそういう類のものではないし、何なら事件ともみなされていないようなものばかり。でも、だからこそタチが悪いというか。人が人に及ぼす影響、最初はさざなみでも、、ということを丁寧に描きゾッとさせる。そして、そこに過去の掘り下げがピタっとハマっていくのだ。

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