あれは春という鮮やかなプレイリスト
夏、秋、冬ときて春まで。遂に四季コンプリート。春はいつも何かが始まる季節で、そこに僕はどうも不安さとか不穏さみたいなのを感じがちなのです。恐らく、春のプレイリスト史上稀に見る暗さを持った前半から徐々にあったかくなっていくようなイメージ。
1.羊文学「春」[AM1:00]
ぽかぽかしてるし、何か気の抜けた心地になれる気候だからこそ、油断してると募った恨みがふと顔を出しやすい。そんな季節にぴったりな増悪の歌。
2.indigo la End「ハルの言うとおり」[AM2:00]
ファンキーなコーラスで踊らせつつ、ヒリヒリとした感傷を、絞り切るようなファルセットで描くシリアスな1曲。アッパーなのに気分が沈んでいく。
3.きのこ帝国「春と修羅」[AM3:00]
2分40秒に渡り、ただただ特定の人物への怨恨が書き殴られている。どこかファニーなギターフレーズも、みんなで歌うとこも、狂気を感じてしまう。
4.春ねむり「春と修羅」[A4:00]
やはりこの2曲は並べねばなるまい。同タイトルでもこちらは、"君"と出会ってしまい生まれる宇宙をだめになりそうなくらい信じきるポエトリー。
5.AL「丘の上の記憶」[AM5:00]
<谷公園の春>で各節を締めくくるローカルソング。小山田壮平と長澤知之が共有する福岡市中央区景色を我々にも見せてくれる、まどろみの中のフォーク。
6.ASIAN KING-FU GENERATION「桜草」[AM6:00]
引き籠っていても、回線さえあれば世界と繋がっている感覚になれる。そんな断絶の最果てから、抜け出そうともがく様。救いの一歩手前のような。
7.ACIDMAN「式日」[AM7:00]
どちからかというと冬の終わりっぽい空気を含んだ曲だけど、タイトルから零れる祝祭感は4月にも相応しい。プレイリストの題はこの曲の歌詞から
8.Base Ball Bear「GIRL FRIEND」[AM8:00]
ふっと春風が舞うみたいに、ちょっとサビで雰囲気が緩むのが絶妙だなぁ、と。<桃色>というワード遣いに「透明少女」の遺伝子も組み込まれてる。
9.BiSH「VOMiT SONG」[AM9:00]
季節ごとの匂いとかで不意に思い出が蘇るというのはよくあるけど、春は特にそれを加速させる。吐き気を催すほどのあの日々へ贈る無口な再会の歌。
10.Yogee New Waves「Bluemin'Days」[AM10:00]
小躍りしながら花束を手渡すみたいな浮かれたムードがよんでもなく春だ。夏っぽいバンドだけど、年中問わず楽しく、ちょっと切なくダンスしてる
11.パスピエ「ON THE AIR」[AM11:00]
澄んだ鍵盤、駆け出すドラムに、急かされる気分とキラキラとした街の景色が映し出される。ラジオをモチーフに距離を超えていく上京後数日ソング。
12.Drop's「恋は春色」[12:00]
泥臭いロックンロールも魅力だけど、Yumingリスペクトなポップスも晴れやかに歌っちゃえるのが最高だ。レトロながらも普遍的な良さが詰まってる。
13.くるり「春風」[PM1:00]
MVは本当にどうかと思うけれど、視覚情報に負けない春を代表するオルタナロックバラッド。のどかな世界に潜む、絶対的な別れの予感にひれ伏す。
14.チャットモンチー「桜前線」[PM2:00]
めちゃイライラしてることが伝わる曲だ。職場のクソどうでもいい飲み会は大嫌いだけど、友達3人くらいとするお花見ってバリ楽しい、っていう話。
15.サカナクション「なんてったって春」[PM3:00]
特に事象が大きく動くわけでなくただ何となく涙が流れたことを、雨降る寸前の雷や赤いツツジの花などを用いて理由づけする。文学的とはこのこと。
16.私立恵比寿中学「春の嵐」[PM4:00]
ポストロック的なアプローチで彼女たちの歌の透明性と神聖さを支えた、異端な逸品。ライブにおけるとても演劇的な振り付けも激情的で素晴らしい。
17.GOING UNDER GROUND「アロー」[PM5:00]
<きっと僕の住むこの街は夕暮れでできているよ>という、理屈も意味も越えたワンフレーズの尊さよ!これこそが松本素生の筆致だと思わせてくれる。
18.赤い公園「Canvas」[PM6:00]
重たくも美しいギターが、花の吹き荒ぶ散歩道を華麗に想起させてくれる。Aメロに戻って終わる、伝統の構成も曲の優しい余韻を膨らませてくれる。
19.スカート「視界良好」[PM7:00]
季節を特定するワードは一切出てこないけど、あたたかい風は春にしか吹かないから!<きれいな夜>という言葉遣いも素敵、ハートで理解したい表現。
20.フジファブリック「エイプリル」[PM8:00]
「桜の季節」という名曲があるのに、同シーズン同テーマで全く異なる曲を作れる彼らの面白さよ。センチメンタルなパワーポップもまたしっくりくる
21.宇多田ヒカル「桜流し」[PM9:00]
題名だけで光景を眼前に広げてしまえるワードセンス、ミニマルだけど我慢ならずに溢れてしまう感情の波をとつとつと綴ってしまうそのヤバさよ。
22.ふくろうず「春の王国」[PM10:00]
荘厳な鍵盤の音色とマーチングビートでざわざわと立ち上がっていく、ホーリーな1曲。けだるくも切実な<会いにいくよ>の響きにきゅんとなる。
23.メレンゲ「君に春を思う」[PM11:00]
恋の何歩も手前、詩的になっちゃう自分の恥ずかしさを、てらいなく歌った情けない男の子の歌。どうしてもこういう歌に惹かれてしまう人生なんだ
24.SEBASTIAN X「ヒバリオペラ」[0:00]
やらかしちゃった女の子の気持ちをあっけらかんと、むしろハッピーに歌っているのが気持ち良い。そういう刹那にすら憧れみたいな視座があるのだね
1.春/羊文学
2.ハルの言うとおり/indigo la End
3.春と修羅/きのこ帝国
4.春と修羅/春ねむり
5.丘の上の記憶/AL
6.桜草/ASIAN KUNG-FU GENERATION
7.式日/ACIDMAN
8.GIRL FRIEND/Base Ball Bear
9.VOMiT SONG/BiSH
10.Bluemin’Days/Yogee New Waves
11.ON THE AIR/パスピエ
12.恋は春色/Drop’s
13.春風/くるり
14.桜前線/チャットモンチー
15.なんてったって春/サカナクション
16.春の嵐/私立恵比寿中学
17.アロー/GOING UNDER GROUND
18.Canvas/赤い公園
19.視界良好/スカート
20.エイプリル/フジファブリック
21.桜流し/宇多田ヒカル
22.春の王国/ふくろうず
23.君に春を思う/メレンゲ
24.ヒバリオペラ/SEBASTIAN X
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