多文化共生研修を受けて
思うところあって社会福祉士会に所属している。職能団体に入会する人はあまり多くないけれど、独立して仕事をするには認定社会福祉士を取らなければいけないし(今のところ独立は「夢」で具体的ではない)認定を取るには研修を受けなくてはならない。研修を受けるには入会しておく方が便利・・・か?ぐらいの認識である。横のつながりも少しは期待していたが、コロナ禍では研修はオンライン。メリットがあるのか無いのかよく分からないけれど、様々な情報が入ってくるのは良いと思う。そういう訳で、情報が入ってきたので社会福祉士会主催の「多文化共生」についての研修を受けることにした。
講師は弁護士の方だった。入管法の話、難民の問題いろいろあったけれど、弁護士は司法の人で福祉の人ではない。法律で解決できないことを支えていくのが福祉の人の役割・・・例えば、入国者収容施設などで暮らす外国人の生活やその後の生活を支援するには福祉の仕事だと考えるので、弁護士の方が講師になるのではなく、その分野で仕事をしている社会福祉士の話が聞きたかった。そういう意味では残念だったが、そうならざるを得ない事情も分かる。
社会福祉士と言う資格は名称独占で業務独占ではない。一部、高齢者の生活相談員とか医療ソーシャルワーカーなどその道で就職しようと思ったら、ほぼ資格必須だが、様々な分野で必要とされる視点にもかかわらず、資格が必須でない。
こういう背景もあって多文化共生は、社会福祉士の倫理綱領前文に謳われている「われわれ社会福祉士は、すべての人が人間としての尊厳を有し、価値ある存在であり、平等であることを深く認識する。われわれは平和を擁護し、社会正義、人権、集団的責任、多様性尊重および全人的存在の原理に則り、人々がつながりを実感できる社会への変革と社会的包摂の実現をめざす専門職であり、多様な人々や組織と協働することを言明する。」という理念に限りなく沿う分野であるにも関わらず、なかなか社会福祉士の活躍の場がないというのが現状だろう。
では、外国人だけを重点的に支援することは不可能なのか、というとそうではない。それに特化したアウトリーチを行うのは他分野と同じだろう。例えば、無料日本語教室を主宰して、支援を必要としている外国人に働きかける(アウトリーチ)→学びに来た外国人の生活をアセスメント→専門窓口につなげる、もしくは相談援助と言う形で継続支援と言う形が考えられ、有資格者が担うに値する仕事だと考える。ただ、社会福祉士だけでは弱い。上記のプランでも「日本語教師」という資格が必要だ。
で、最終的に何を考えたかと言うと、もうひとつ使える資格があればなぁ、ということ。例えばリーガルソーシャルワーカーという言葉があるが、司法と福祉の親和性は高い。それからFPといった金融関係。自分の出来ることが増えればそれだけ説得力も増すし、より的確に他の専門職につなぐことができる。
これらの感想は研修内容とはまるで関係がない。もっと言えば多文化共生とも限定しない。でも、組織での仕事以外の仕事について深く考えられた研修だった。