マハーバーラタ/7-4.アルジュナの誓い

7-4.アルジュナの誓い

アビマンニュは敵軍のヴューハの中で孤立していた。

その姿を見たドゥルヨーダナアルジュナの最愛の息子を捕らえたことで喜んでいた。
「よし! アビマンニュを捕らえた!
ジャヤドラタが後続のビーマ達を分断させた!」

しかし、アビマンニュは孤立して勢いがなくなると思いきや、
むしろ破壊の勢いが増していった。
「こ、こいつは!! あんな子供一人仕留められないのか!?」
ドゥルヨーダナの期待とは反対のことが起きていた。
誰一人としてアビマンニュに立ち向かえる者がいなかった。

シャルヤの息子達がアビマンニュに挑んだが、
あっという間に倒されていった。

ドローナアシュヴァッターマークリパ、コーサラ王ブリハドバラ、ドゥルヨーダナ、ラーデーヤクリタヴァルマーシャクニといったカウラヴァ軍最強の戦士達がアビマンニュと戦う為にヴューハの中心に集結した。

ドゥルヨーダナの息子ラクシャマナクマーラがアビマンニュに挑んだ。
若くハンサムな二人の戦いは素晴らしい決闘となったが、
ラクシャナクマーラは父ドゥルヨーダナの目の前で殺された。

「なんということを! この罪人を殺せ!!!」

ドローナ、クリパ、アシュヴァッターマー、ラーデーヤ、ブリハドバラ、クリタヴァルマー。王の言葉に反応した6人の戦士がアビマンニュを取り囲んだ。そしてアビマンニュを同時に攻撃し始めた。

アビマンニュはこの6人の戦士達と戦いながらも、
パーンダヴァ軍を食い止めているジャヤダラタを攻撃した。
アビマンニュはこのヴューハへ入り込むことには成功したが脱出する方法を知らなかった。
ユディシュティラ達と合流することでこのヴューハを破壊しなければならなかった。

しかしジャヤドラタは膨大な数の兵士と象でアビマンニュの帰る道をふさいだ。
アビマンニュは必死に戦い続け、自分を取り囲んでいる6人全員を引かせることに成功した。6人は戦闘馬車を失い、武器も破壊されていた。

さらにアビマンニュは戦い続け、ラーデーヤの体に矢を突き刺したが、アシュヴァッターマー、クリパ、ドローナの攻撃を受けた。
アビマンニュは鋭い矢を放ち、ブリハドバラを撃ち落とした。
その矢は心臓に達し、彼の体は倒れた。

次に挑んできたのはドゥッシャーサナの息子であった。
アシュヴァッターマーが手助けの為に現れた。

シャクニがドゥルヨーダナに話した。
「あの若武者は手が付けられない。正々堂々の戦いなどしてられない。一斉にかかろう」

ラーデーヤはドローナの意見を求めた。
「どうすればアルジュナの息子を殺せるのか?
早く方法を教えてくれ! このままでは我々の方が全員殺されてしまう! アビマンニュの矢が既に私を焼き始めているんだ」

「ラーデーヤよ。
私でさえ彼の矢を受けたのだ。見事としか言いようがない。敵ながら称賛に値する。
彼を殺すのであれば、まずは鎧を破壊するのだ。
あの鎧はアルジュナによって与えられた最強の鎧だ。
そして御者、戦闘馬車、弓を破壊しなさい。
それができれば間違いなく彼を殺すことができる。
やりなさい。
ただし、彼の背後からだ。彼の視界の中からは無理だろう」

ラーデーヤは静かにその場所から離れた。

そして、彼の人生の中で最も卑劣な行いを実行した。
アビマンニュの背後に立ち、
矢を放った。
その矢はアビマンニュの弓を破壊した。

驚いたアビマンニュはその卑怯者を確認する為に振り返った。

彼が振り返った瞬間を見逃さずにドローナはアビマンニュの戦闘馬車の馬を殺した。
クリパは二人の御者を殺した。
クリタヴァルマー、アシュヴァッターマー、ドゥッシャーサナの息子が同時にアビマンニュを攻撃した。

戦闘馬車を失い、弓も無くし、無防備となったアビマンニュは6人のカウラヴァの戦士達によって攻撃された。
彼はドローナの方を向いて言った。
「あなたは偉大な人だと聞いていた。カウラヴァ軍の総司令官であるあなたが、まさかこんな卑怯な真似をするとは」

次にラーデーヤの方を向いた。
「バガヴァーンバールガヴァの弟子だと名乗るあなたが!
弓の腕前において我が父アルジュナに匹敵すると自負しているあなたが!
少なくともあなただけは高貴な考えの人だと思っていた!
伯父クリシュナもあなたは高貴な人物で、礼儀正しい人物だと言っていた!
これがあなたの高貴さなのか!?
恥を知れ!!
この母なる大地があなたを産んだことを悔やんでいるぞ!」

アビマンニュには悩んでいる暇はなかった。
彼は剣と盾を手に取って戦闘馬車から飛び出し、敵達に向かって行った。

ドローナが矢を放ち、アビマンニュの剣の柄を破壊した。
ラーデーヤが矢を放ち、アビマンニュの盾を粉々に砕いた。

若き英雄は今、弓も、戦闘馬車も、剣も、盾も持っていなかった。
完全に無防備の状態で6人の残忍な敵に囲まれた。

死の宣告の時がやってきた。

アビマンニュの目はまだ死んでいなかった。
彼は戦闘馬車に戻り、車輪を外して頭上で回し始めた。

彼の体は全身が敵の矢で満たされ、手足は血だらけになっていた。
怒りと激しい軽蔑と誇りで顔は真っ赤になっていた。
手に車輪を持ち、敵軍の中央でまるでヴィシュヌ神のように立っていた。
「今からでも遅くはない。
あなた達に名誉を挽回する機会を与えよう。
正々堂々、一人ずつ私と戦いなさい。
来なさい。一人ずつだ。
あなた達と順番に戦ってやるから、さあ来い!!」

アビマンニュはドローナに向かって突進した。
彼の髪はそよ風になびき、その顔はこの世のものとは思えない輝きを放っていた。唇に笑みを浮かべ、車輪を振りかざした。

車輪が振り下ろされる前に6人が矢を放ち、それを100の破片に砕いた。

「一人ずつ相手にしてやる。一人ずつ、だ。全員と戦うと言っているんだ」

アビマンニュはアシュヴァッターマーに向かって突進した。
その姿に恐れを抱いたアシュヴァッターマーは走り去った。
アビマンニュはアシュヴァッターマーの馬達を殺した。
次にドゥッシャーサナの息子に向かって突進し、彼の戦闘馬車を破壊した。

ドゥッシャーサナの息子は鎚矛を空高く掲げ、
アビマンニュに飛び掛かった。
二人は命がけで戦った。

アビマンニュは既にこの日の恐ろしい戦いの連続で既に疲労困憊であったが、それを気にかけずに必死に戦った。
アビマンニュは気が遠くなっていくのを感じた。
彼の体勢が崩れたのを見逃さず、ドゥッシャーサナの息子が攻撃した。

アビマンニュは気を取り戻し、立ち上がろうとしたその時、
ドゥッシャーサナの息子の鎚矛がアビマンニュの頭に振り下ろされた。

アビマンニュの体はその一撃に耐えることができず、
倒れた。
そして二度と立ち上がることはなかった。

「・・・ははは。
やった! やったぞ!
アルジュナの息子アビマンニュを打ち取った!」

クルクシェートラという名の神聖な平原で死に絶えた英雄の周りを
野獣が踊った。
いや、野獣よりも劣る、同情心を持たないば卑劣な化物たちであった。
カウラヴァ達はただただ喜び、叫んだ。
その勝利の喜びが戦場に鳴り響いた。

ヴューハの内側から広がるその声がユディシュティラとビーマに届いた。
「まさか、アビマンニュが!」
ヴューハの中からは戦いの音は聞こえなかった。
二人はアビマンニュが殺されたことを悟った。
ユディシュティラは気を失った。

太陽が沈んだ。

この日の戦いは終わりとなり、両軍ともにキャンプへ帰っていった。

カウラヴァ軍には大きな喜びがあり、
パーンダヴァ軍は深い絶望に沈んだ。

ユディシュティラは涙の雨を降らせて地面に座り込んでいた。
「・・・私が殺した。
彼はこうなるかもしれないことを分かっていた。
私が約束を破ったから彼は死んでしまった!
あの子を守ることさえできないこんな命になんの価値があるというのか?
私が殺した!
アルジュナと合わせる顔なんてない。
クリシュナになんと言えばいいのか。
スバッドラーにどんな声を掛ければいいのか。
誰か・・・、私を殺してくれ・・・」
そう言ってユディシュティラは気を失った。

アルジュナはついにトリガルタ達を制圧し、
本隊より遅れてようやくキャンプに帰ろうとしていた。

アルジュナは不吉な予感がしていた。
クリシュナに話しかけた。
「何か悪いことが起きているのではないか?
まるで手足に熱があるみたいだ。
これまでは戦いで疲れたことなんてないのに。妙なだるさを感じるんだ。
何が起きているのか分からないんだが。
兄弟たちに何事もなければいいが。
早く帰ろう」

「あなたの兄弟には何も起きていないと確信しているよ。
心配しないで帰ろう。
トリガルタを完全に退治した。これ以上あなたの邪魔をするものはいない」

アルジュナがキャンプに到着すると
向かえたのは歓迎ではなく静寂であった。
「クリシュナ、どうなっているんだ?
まるで誰もいないみたいだ。
ヴィーナの音楽が聞こえない。
誰も私と目を合わせようとしない。全く生気がない。
なぜ私を避けるんだ?
こんな扱いを受けるようなことを何かしたか?
兄弟が迎えてくれていない。
ヴィラータやドゥルパダは無事か?
ドラウパディーの息子達が見当たらない。
いつもチャーミングな笑顔で迎えてくれるアビマンニュはどこだ?」

ユディシュティラのテントに入ると
皆が意気消沈して座っていた。
アルジュナは何が起きているのか理解できなかった。

ユディシュティラは頭を下げて時折涙を拭っていた。
ビーマは力なくアルジュナに挨拶をして床に崩れ落ちた。
ナクラは地面を見つめていた。
サハデーヴァはテントの外を見つめて目を合わせようとしなかった。

ランプが灯されていないテントの中をアルジュナは見渡した。
何度も何度も見渡したが、息子アビマンニュの姿だけが見つからなかった。

「何が起きたんだ?
みんな顔が青ざめているじゃないか。
アビマンニュの姿が見えないのはなぜだ?
私が帰ってくると一番に迎えてくれるあの子がいない。
どこなんだ?」

誰もその質問に答えなかった。
ユディシュティラのむせび泣きだけが静寂を切り裂いた。

「ドローナは今日チャクラヴューハの陣を敷いたと聞いた。
我が子をあの死の罠に送ったなんて、まさか言わない、だろうね?」

誰も口を開かなかった。

「この中には我が子以外にあのヴューハに入り込める者はいないはずだ。
確かにあのヴューハへの入り方は教えたが、まだ脱出法を教えていない。
全てを教えていないんだ。
そんな彼をあのヴューハに入らせたのか?」

答えを待った。

しかし誰も話さなかった。

ユディシュティラのむせび泣きが再び響き渡った。

アルジュナは理解した。
そして恐ろしい目を彼ら全員に向けた。
誰もアルジュナの目を見ることができなかった。

ユディシュティラが近づいてきた。
「アルジュナ、もう話さないでくれ。
それ以上話す前に私を殺してくれ。
あなたの子供を殺した私を最初に殺してくれ!
そうだ、私がアビマンニュを殺したんだ」

ユディシュティラはそう言って崩れ落ち、気を失った。

アルジュナは何が起きたのか想像することができず、思考が止まった。

クリシュナはビーマの近くに座り、
同情の気持ちを込めて彼の手を握った。
二人の目には涙が溢れていた。

アルジュナは気を失いそうになるのをこらえ、
しっかり立ち上がった。
「誰か、何が起きたのか教えてくれ!
彼はどうやって死んだんだ?
あのヴューハの中に捕まったら殺されると知っていたはずだ。
彼は礼儀をわきまえた戦士だった。決して自分からは攻撃しなかったはずだ。
こんなことになるなんて信じられないんだ。
ユディシュティラ兄さん、なぜあのヴューハに入ることを許したんだ?
ドゥリシュタデュムナも、ナクラも、サハデーヴァも、サーテャキも一緒にいたんだろう?
一体誰が彼に立ち向かえたというのか?
誰が彼を殺したんだ?」

質問の答えは返ってこなかった。

「何か不正があったんだろう?
そうでなければ、あのアビマンニュが戦いで殺されるなんて考えられない」

クリシュナが彼の手を取った。
「アルジュナ、嘆き悲しんではいけない。
彼は英雄として死を迎えた。
彼は我が軍のたくさんの戦士達を生かすために死に、天国へ行った。
アルジュナ、あなたの兄弟を見なさい。
自己非難と深い悲しみに沈んでいる彼らを慰めることならできるんだ。
あなたの愛しい人たちに優しく話しかけなさい。
あなたの悲しみを見た彼らはさらに深く悲しんでいる。
彼らが今日どれほど苦しんだのか想像できないでしょう。
アビマンニュは私達全員から愛された子供だ。
友よ、それを忘れてはならない」

アルジュナはビーマの足元に跪き、共に涙を流した。
そしてユディシュティラの方を向いた。
「愛しい兄よ。
自らの悲しみであなたが見えなくなっていた私を許してください。
ビーマ兄さん、我を忘れてしまって申し訳ない。
こうなることは運命だったのです。
私は落ち着きました。
今なら彼の死の詳細を聞ける強さを持っています。
ナクラ、サハデーヴァ、サーテャキ。何が起きたのか教えてくれ。
ドゥリシュタデュムナよ。私達にこんな振舞いをした敵の名を教えてくれ。
彼は死に、私は生きている。十分理解した」

ユディシュティラはアルジュナを座らせ、
今日の出来事を話し始めた。
しかしアビマンニュとの会話を話し始めたところで声が途切れた。
それ以上話すことができなかった。

ビーマが話を続けた。
「そうだ、アルジュナ。あの子はヴューハから脱出する方法を知らないと言った。
しかし、私達全員がそれを引き受けると彼に約束したんだ。
彼の後を追い、彼がヴューハの口を開けたらその口をこじ開けて破壊すると私が約束した。
そしてヴューハに突入した時、彼は戦闘馬車で立ち、果てしない魅力の笑顔を私達に向けてくれた。
それが私が見た彼の最後の姿だ」

ユディシュティラが再び話を続けた。
「彼がヴューハに入った時、まさに私は離れることなく彼の後ろにいた。
ヴューハが開く瞬間を見た。
彼に続いて私達が入ろうとしたまさにその時、ジャヤドラタが間に割り込んできたんだ。
そう、あのジャヤドラタが不思議な力で私達を食い止め、そしてあのヴューハの巨大な花びらが閉じてしまったんだ。
なんとかアビマンニュと合流しようと全力で戦ったが、
彼はまるで彗星のように敵軍の中を進んで行った。
敵軍の絶叫によってアビマンニュが進んでいっているのが分かった。
彼は間違いなく敵軍の中で大混乱を引き起こしていた。
敵軍の中心の騒音が聞こえなくなり、そして歓声が聞こえた時、
アビマンニュが死んだことが、分かった」

サハデーヴァがアビマンニュの最後の瞬間の出来事を語り始めた。
「アルジュナ兄さん、
このクルクシェートラで犯された大きな罪の話を聞く心の準備はできていますか?」
「ああ、話してくれ」
「ジャヤドラタの大軍の隙間から見えたことを話すよ。
あなたの息子はあの恐ろしいヴューハに入り、
まさに孤軍奮闘の戦いを続けていました。圧倒的な強さを発揮していました。敵達の誰も彼には立ち向かえず、逃げ出す者すらいた。
それから6人のマハーラティカによって囲まれたんだ。
その6人とはドローナ、クリパ、ラーデーヤ、アシュヴァッターマー、クリタヴァルマー、ドゥッシャーサナの息子。
ラーデーヤが彼の背後から突然矢を放ち、彼の弓を破壊した。
次の瞬間、ドローナが彼の馬を殺した。
クリパが御者を殺した。
そしてドゥッシャーサナの息子が、
彼を殺した。
そうなんだ。私達はそれを目撃したけれども何もできなかったんだ。
兄さんが好きなように私達を罰してください。
私達がアビマンニュを殺したんだから」

アルジュナはその話を聞いて卒倒した。
兄弟たちが彼を介抱すると、しばらくして気を取り戻した。
アルジュナの体は怒りで震えていた。

突然立ち上がった。
「今、ここに誓う!
愛するガーンディーヴァの弓の名の下に、
明日の太陽が沈むまでに私はジャヤドラタを殺す。
どれほど命乞いをしようともだ。
たとえ誰が彼を守ろうとも、
たとえシャンカラ神に守られようとも彼を必ず殺す。
もしこの誓いが守られなければ、
私は全ての功績を捨て、最低の罪人が行くという地獄へ行くだろう。
ガーンディーヴァを手にしたまま、燃え立つ火の中に入ることを約束する」

そう宣言してアルジュナはガーンディーヴァの弦を鳴らした。

すかさずクリシュナがパーンチャジャンニャのほら貝を威勢よく吹いた。

その二つの音の振動に呼応するように大地が震えた。

パーンダヴァ兄弟の心の暗闇が晴れていった。

パーンダヴァ軍は全員が喪に服し、その夜は誰も眠ろうとしなかった。
「アルジュナが明日勝利と共に帰ってきますように!
彼の誓いがどうか叶いますように」
皆がそう祈った。

一方、カウラヴァのキャンプには喜びが満ちていた。

スシャルマーは弟と軍を全て失ってしまったが、それと引き換えに本隊はアルジュナの最愛の息子アビマンニュを殺すことに成功した。

全員で勝利を祝っている時にパーンダヴァのキャンプの方からアルジュナのガーンディーヴァの弦の音とクリシュナのパーンチャジャンニャの音が届いた。
彼らはアルジュナが悲しみに沈んでいるのだろうと解釈した。
アルジュナが絶望し、パーンダヴァ軍が崩壊することを期待していた。

スパイが持ち帰った報告は逆であった。
アルジュナの誓いがドゥルヨーダナに伝えられた。

その場で聞いていたジャヤドラタは恐ろしくなった。
「ドゥルヨーダナ王よ! 恐ろしいことが起きた!!
アルジュナはきっと誓いを実行するでしょう。
私は国に帰ります! 逃げた者を殺しに来たりはしないでしょうから」

「ジャヤドラタ。大丈夫だ。
逃げるよりも私達全員に守られる方が安全だ。
アルジュナは誓いを果たせなかったら自ら死ぬと宣言したんだ。
これはチャンスだ!
アルジュナさえいなければ勝利は私達のものだ」

ドローナが明日の作戦を話し始めた。
「明日、我が軍は三重のヴューハを作る。
そのヴューハのさらに前に私自身が立つ。
簡単にアルジュナを通させはしない。
そして三重のヴューハとは、
サカタヴューハ、パドマヴューハ、スーチームカヴューハだ。
それらの陣形の一番奥の位置に最強の戦士と共にあなたを配置する。
たとえそれらのヴューハを突破できたとしても、少なくとも夕方までかかるはずだ。彼の誓いは失敗する。心配はいらない」

その作戦にジャヤドラタは安心した。

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