10/1:本を買った

大学の秋学期に向けて教科書類を購入するついでに本を買った。夏目漱石の書簡集と、『月のうた』っていう詩集。

詩集の方は装丁がカッコよくて気に入って買った。人生2冊目の詩集の購入になるかな。『サンチョパンサの帰郷』以来。短歌とか俳句も含めて、大きな括りで詩ってものが好きなんだよね。わかんないし、たとえば国語の問題で出されたら解けないと思う。でもなんなグッとくるものがあって、感覚として気に入っている。

夏目漱石の書簡集を買ったのは、ふと「子規の画」を読みたくなったから。子規没後に寄せた手紙。大学入試の過去問で読んで、好きだなと思ったやつだった。生憎買った本には収録されてなかったけど。
好きな部分を引用すると、

『子規は人間として、また文学者として、最も「拙」の欠乏した男であった。』

『ただ画がいかにも淋しい。でき得るならば、子規にこの拙な所をもう少し雄大に発揮させて、淋しさの償つぐないとしたかった。』

青空文庫『子規の画』


言い知れぬ物悲しさというか、じんわりくる切なさがある。初見で読んだ時、軽率に泣きそうになってしまったのを覚えている。


大学入試に向けた勉強は、パターンの積み重ねであまり面白味はなかったのかもしれない。でも地理と現文は好きだったんだよね。地理のことは割愛するけど、現文は毎週のように何作も新しい文章を読むことができてそれはすごく楽しかった。自分だと手を出すのに勇気が出ないようなジャンルの論評とかを読めて有意義だった。現文の先生が素敵な人だったのもあるけどね。
あの先生のおかげで文章を少しはきちんと読めるようになった気がする。


あとね、本レでできた文章も好きだったのを思い出して、出典を探し出した。石原燃さんの『人の声、母の歌』ってやつ。リンク先で読めるよ!
(https://www.jimbunshoin.co.jp/files/hitonokoe_hahanouta.pdf)

「音楽は世界を救わない」というテーマのミュージカルを見た娘さんの感じ方とそれに対するお母さんの応答?が素敵だった。

コロナ禍の一番ひどい時、音楽とかは不要不急とか言われて、ライブも中止になりまくって、大変だったじゃん。

あの時、初めて狐火ってポエトリーラッパーを生で見られるチャンスがあったのに、札幌公演中止になって悲しかったの覚えている。ハロプロはballadをやってたよね。ハロメンのJ-pop ballad聴きに行ったなー。

まあそんなのは置いといて、テレビはさ「音楽のちからを信じよう」みたいなテーマだったり、それこそ「音楽は世界を救う」みたいなテーマだったりで音楽番組やってたよね。あれに対して、「音楽の力などというのは傲慢だ」みたいな意見をツイートしていたミュージシャンがいて、その人の発言の文脈とかを何も捉えずに、逆張りをしたい年頃だった私は「そうだ!そうだ!」って賛同して、「音楽は世界を救う」とかのキャッチコピーを何も考えないままに冷笑していた。

今思うとダサいし、愚か。でさ、流石にそんな冷笑スタイルからも脱却できたぐらいの高3とかにさっきあげた文章に出会ったのさ。それで、中2の時の冷笑具合とかも思い出されて心に刺さった文章だった。


小説だって論説だって出会いだよね。
痛いビジネス書みたいなこと言ってるけどさ。実際、本を読んでいる時の自分の置かれた状況とか、感情みたいなものに読んだ後の感想はかなり左右されると思っている。

大学生のうちにたくさん本読んで、積読もして、お気に入りの本を増やしていきたいな。

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