中国専利法審査指南の改正草案(意見募集)が発表されました。
中国では改正専利法が2021年6月1日から施行されていましたが、まだそれに対応する実施細則や審査指南が発表されていない状況でした。
さて、2021年8月3日にようやく、審査指南の改正草案が発表され、専利法改正後の専利局での実務が明らかになってきました。ただ、改正草案の新旧対応表が237ページ!にも及ぶ壮大なスケールで、中国知財関係者としてそのボリュームにかなり驚いています。逆に同日に発表された「専利審査指南改正草案(意見募集稿)」の説明は、シンプル2ページに留まり、一応、以下その翻訳文を載せておきます。原文は、国家知識産権局のサイト(http://www.cnipa.gov.cn/art/2021/8/3/art_75_166474.html)をご覧ください。
個人的には、制度としてはスタートしたのに、どうやって出願すれば良いか全く説明されていなかった部分意匠制度が大変気になります。また時期を見てその内容をフォローしたいと思います。
一、改正の背景
改正後の専利法は2021年6月1日に施行されており、専利法実施細則も現在改正過程にあり、審査実務のレベルで専利法及び実施細則の貫徹実行を保障するため、国家知識産権局は「専利審査指南」適応的な改正業務を展開する。当局は、鋭意研究及び論証をもとにして、「専利審査指南改正草案(意見募集稿)」を作成した。今回の指南改正内容は主に専利法及び実施細則の補完規定である。
二、主な改正内容
今回の改正の主な内容は以下を含む。
第一に、意匠制度の関連規定の整備であり、部分意匠及びGUI製品の出願書類要件及び審査基準、意匠明らかな相違の審査、意匠の本国優先権、意匠国際出願の提出及び審査プロセス等に関する。
第二に、特許協力条約に関連するプロセスの規定であり、涉及援用引用、優先権回復、追加、変更等に関する
第三に、専利権保護期間補償関連規定であり、専利登録期間補償及び医薬品専利期間補償に関する。
第四に、専利開放許諾関連規定であり、放許諾声明の提出及び取消し、開放許諾の登記及び公告、開放許諾実施契約の効力発生及び記録、費用低減手続の手続等に関する。
第五に、医薬品専利紛争早期解決メカニズムの無効案件審査関連規定であり、請求書及び証明文書の提出、審査順序、審査基礎、審査状態及び結審通知に関する。
第六に、疫病等の突発イベントに対応する関連規定であり、新規性喪失の例外の猶予期間、期限の職権による延長に関する。
第七に、審査品質及び審査効率の向上のための関連規定であり、実用新案明らかな進歩性の審査、コンピュータプログラムに関する発明専利出願の審査、復審及び無効プロセスにおける職権審査、権利帰属紛争当事者の無効審判プロセスへの参加の規定、遅延審査制度の更なる整備、誠実信用の原則に違反することの判断及び事例である。
第八に、「放管服(行政手続簡素化の動き)」の要求を実行するための関連規定であり、専利権評価報告関連事務、色彩を有する図の提出の許可、要約図の提出方式の簡素化、強制代理委託の例外、分割出願手続の簡素化、配列表提出要求の簡素化等である。
第九に、機構改革関連規定であり、専利復審委員会の組織名称表現に適応するための改正等である。