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中国知財 北京インターネット法院審判業務ホワイトペーパー(2018.9-2023.9)が発表されました。

薄曇りで午前中の気温が22度と、すっかり秋っぽくなってきた北京です。
先週末に勤務先事務所で標題の文書が回ってきたので、チェックしてみました。百度で検索すると2023年9月1日に発表されたようですが、当該法院の公式HPを見に行っても8月31日までの記事しか載っていません(謎)。一応、百度上で、北京インターネット法院のアカウント名で発表されているニュース記事へのリンクを貼っておきます。

https://baijiahao.baidu.com/s?id=1775749919456229690

ちなみに本記事のトップ画像は、北京インターネット法院のトップページです。今日も赤く染まっています。

というわけで、総数40頁強ある文書を斜め読みした内容を以下メモしておきます。


一、北京インターネット法院の基本状況
裁判官45人、修士以上学歴83.3%
北京市管轄の起草人民法院が審理すべき11タイプのインターネットに関する以下の一審案件を扱う:
(一)ECプラットフォーム契約、又は情報ネットワーク売買契約履行で生じた紛争
(二)契約と履行がいずれもインターネットで完成するネットワークサービス契約紛争
(三)契約と履行がいずれもインターネットで完成する金融ローン契約、小口ローン契約紛争
(四)インターネット上で初めて発表される作品の著作権又は隣接権帰属紛争
(五)インターねtt上での、作品をオンライン発表または伝播する著作権又は隣接権の侵害により生じる紛争
(六)インターネットドメインの帰属、侵害及び契約紛争
(七)インターネットでの他人の人身権、財産権等民事権益の侵害により生じた紛争
(八)ECプラットフォームで購入した製品が、製品欠陥により、他人の人身権、財産権を侵害することにより生じた紛争
(九)検察機関が提起したインターネット公益訴訟案件
(十)行政機関が出したいたーネット情報サービス管理、インターネット商品取引、及び関連サービス管理等行政行為により生じた行政紛争
(十一)城尾旧人民法院が指定管轄するその他インターネット民事、行政案件

2023年7月31日まで、受理件数193936件、結審182447件、
著作権帰属、侵害紛争が129837件(71.57%)
ネットワーク侵害責任紛争20445件(11.27%)
情報ネットワーク売買契約紛争(8.65%)

一審判決服従率?(一审服判息诉率)93.35%
一審案件上訴率8.87%
一審判決変更再審理率0.13%

案件平均審理周期51日

残りのページでは、同じタイミングで同法院から発表された、「五類十大典型案例」の内容と重複しており、同法院がこれまでに扱った案例の中から5分類で10件ずつ、合計50件の案例の簡単な内容を説明しています。

少し抜き出して記載してみます:

案件特徴
・新型創作成果が絶えず出現:チャット表情、紅包ページデザイン、AIコンテンツ生成、スポーツ試合画面中継、など
・新型伝播方式が絶えず出現:
“配音秀”、“图解电影”、“听声识别”などで、権利者、伝播者、社会公衆の利益をどのようにバランスさせるか。
(ソフト名称らしい。おそらく、動画へのアテレコソフト、映画切り取りソフト、音声による個人識別ソフトあたりらしい)

・ショートビデオ著作権案: 13秒ショートビデオは、作品に該当する
・AI生成物案: AIが生成物は、作品(著作物)とならないが、デジタル新型権利として保護されなければならない。
・紅包サイトデザイン案: 独創性のあるページデザインは作品として保護される。
・図解電影案: 映画を画像集として提供する行為は、侵害となる。
・「見字如面」著作権案: 前記著作権の一部使用行為は実質的に作品の独創的内容を表しており、著作権侵害となる
・「中継の間に楽曲を歌う」案では、中継の間に得た利益についてより強い注意義務を負わなければならないと判断

などなど、、、斜め読みする分には面白いですが、あくまでも当該法院の判断であって、最高人民法院のような権威の上級の法院から出たわけではないので、個々の案件を時間をかけて掘り下げて読んでいくかどうかは、、、ちょっと躊躇しています。

ひとまず、そんな文書が発行されたことをメモ書きしておきます。









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