ONARA RECORD #19「God knows.../平野綾」
今回ご紹介するオナラレコードは「God knows.../平野綾」です。
平野綾は主に声優として活動しているが、持ち前のルックスと歌唱力を活かして歌手やアイドル活動も行っているマルチタレントです。彼女を一躍有名にしたのは、何と言っても「涼宮ハルヒの憂鬱」です。このアニメからいわゆる「オタクブーム」が大きく広まるきっかけになりました。
そんなおばけアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」で主題歌となり、涼宮ハルヒ役の平野綾さんが歌った曲が「God konws…」です。
▼PV
▼歌詞
さて、まずはこの曲を簡単に3行でまとめてみたいと思います。
無垢に、まっすぐ突き進んでいくあなたは遠い存在。
でも私はついていくよ。
どんな暗い世界でもきっと輝いているあなたに。
なんとも健気で、ピュアな心を歌った素敵な歌詞ですね。
アニメの中で出てくるハルヒという存在にもぴったりの歌詞です。とても面白いアニメなので、みなさんも是非ご覧ください。
でも、そんなハルヒが歌っていようが何だろうが「オナラレコード」なのです。
一体どんな屁理屈を歌っているのでしょうか。
それは、スケべなお坊さんの屁理屈を歌ったオナラレコードです。
「スケべなお坊さん」ってハチャメチャにインパクトのある言葉ですね。本当にそんな男のオナラレコードなのでしょうか?
まずはスケべなお坊さんの様子を思い浮かべてみましょう。
・浄土真宗の宗派に属する僧侶、32歳
・寺の子として生まれ、幼い頃から僧侶になることが決まっていた
・由緒あるお寺だったこともあり、それなりにお経を読めれば悠々自適な生活が送れるだけのお金をもらえた
・余ったお金はキャバクラにつぎ込み、お目当の子を毎回指名し続けている
・寺の境内にキャバ嬢を連れ込んだこともある
・ある日檀家さんとばったりキャバクラで出くわし、破門となってしまう
絵に描いたようなスケべ坊主ですね。
エロ坊主と金輪際罵られ続けるでしょう。
教師とか聖職者の卑猥な事件を日本は主食としますから。
では本当に「God knows...」がこのエロ坊主の屁理屈を歌っているのか、実際に見ていきましょう。
Let’s ONARA RECORD!!!
渇いた心で駆け抜ける
ごめんね何もできなくて
痛みを分かち合うことさえ
あなたは許してくれない
ここは御仏の前でいかに自分が卑しい人間かを反省する場面でしょう。
心を穏やかに保ち、「全ては空である」と悟った仏(あなた)。
そんな仏(あなた)に仕えるものとして、何もできていない自分が恥ずかしい。
せめて仏(あなた)が苦しんだ本の数%でも分かち合えたなら、自分の心も穏やかでいられるのに。
今の私は何一つ我慢していない、苦行を遂行していない。
無垢に生きるために振り向かず
背中向けて 去ってしまう
on the lonely rail
ここは仏教を極めていく中での「孤独」を謳った場面です。
無垢であるとは、世俗との関わりを断つことに他ならない。
それは「愛したい」「愛されたい」ということにも、執着しないことなのだ。
仏(あなた)はそんな孤独な仏道(lonely rail)を突き進んでいく。
ああ、なんて神々しいのだろうか。同じ人間とは思えない。
(中略)
届けて熱くなる想いは
現実溶かしてさまよう
会いたい気持ちに理由はない
あなたへあふれだす Lovin' you
ここはキャバ嬢への溢れる想いを吐露する場面です。
胸のうちからこみ上げてくる熱い想いは、理性を失わせ、感性を鋭利にする。
その時「現実」というものは溶け出してしまい、私は欲望と執着の塊になってしまう。
「彼女に逢いたい」
その気持ちに何の理由もない。ただそう思うだけ。
仏道に反する道としりながら、豪快に荒野を切り開いて歩くような感覚には、罪悪感より快感に近いものがあった。
溢れ出す想いをしとどに垂れ流しながら、夜の銀座へ繰り出していく。
せめて美しい夢だけを
描きながら追いかけよう
for your lonely heart
ここから若干「開き直り」に入ります。
せめて、彼女を愛するのであれば、美しく愛そう。
徹底的に、まっすぐ愛そう。
彼女は寂しいんだ。それは仏(あなた)が抱いている寂しさ(lonely heart)に近いのかもしれない。
だから、私は仏(あなた)の代わりに彼女へ誠意を尽くす。
(中略)
あなたがいて 私がいて
ほかの人は消えてしまった
淡い夢の美しさを描きながら
傷跡なぞる
ここは「エロ坊主」として追放されてしまった後の心情です。
私にはもう仏(あなた)しかいない。
他の人は、散々自分のことを罵倒して去っていった。
そして、彼女ですらも、稼ぎがなくなった私を見捨ててめっきり連絡が取れなくなった。
店に行ってもブラックリストに入れられているらしく、入店を拒否されてしまう。
ああ、あの頃は淡い夢を描いていた。
そんなことを思いながら、木魚に掘られた溝を指でなぞる。
だから私ついていくよ
どんな辛い世界の闇の中でさえ
きっとあなたは輝いて
超える未来の果て
弱さ故に魂こわされぬように
my way 重なるよ
いまふたりに God bless...
ここは最後、一周回って仏に忠誠を誓う場面です。
私は業の深い人間だ。執着が人一倍強い。
だから、私は仏(あなた)についていこうと思う。
「悪人正機」
それは、悪人こそが仏教によって救われるべきだという教え。
だからこそどんな辛い時でも、仏(あなた)は黄金に輝いて見える。
仏(あなた)だけが、私を救ってくれると信じられる。
「生きるとは、苦である」と仏(あなた)が説いたように。
これからの未来において魂は何度も脅かされる。
そういう意味では、同じ道なのかもしれない。
業にまみれ、欲望の渦中を突き進む私。
業を捨て、世俗と離れた孤独の中を突き進む仏(あなた)。
どちらも苦しみの中を戦う戦士。
わたしと仏(あなた)は同じ仏道(my way)を進む戦士。
今、2人に神の加護があらんことを。
いかがでしょうか。
仏教徒でありながら、最後には「神」に頼るという神仏習合加減。
日本には八百万の神々がおり、仏教だけでなく様々な宗派がゆるくまどろみ、溶け合っている稀有な国です。
そんな日本だからこそ、エロ坊主のような新たな概念、価値観も受け入れられていくべきなのかもしれません。
だって、聖職者みたいに気取っている坊さんより、よっぽど人間らしくありませんか?
苦しみを知っている、自覚しているからこそ優しくなれるんですよね。