「理想の自分」という幻想の正体
本当の自分らしさって、立派で美しくて崇高なもの...とは限らない。
とある日の、クライアントAさんとのコーチングセッションでのお話です。
コーチングでは「なりたい自分」「理想の未来」をできる限り明確に描くことをまず大事にしますが、Aさんは、どうしてもそれらが上手くイメージできないと悩んでいらっしゃいました。
Aさん曰く、
「思い描く理想の姿とは裏腹に、『XXできない自分』や『XXしてしまう自分』がいて、そんな好ましくない自分を手放すことができない(=変わることができない)。そんな自分は、本気で変わる気がないということなのでしょうか。自分がめざしたい姿が何か分からず苦しいです」
と。
どこかへ向かいたい、という気持ちはあるのに肝心の向かうべき道が見えない…。その状態は本当につらいですよね。
けれどもその【手放せない好ましくない自分】って本当に手放さなきゃいけないの?
Aさんの言う【手放せない自分】というものを一つ一つお聞きしてみたところ、「その自分、持ってちゃダメなの?」というものもあったんです。
…分かります、Aさんのその気持ち!
だって今までそんな人周りにいなかったからですよね。
でも、そうやって自分を受け入れてくれる人が今までいなかった理由は、実は明白です。
それは、Aさん自身がそんな自分を認めておらず他人にひた隠しにしてそうじゃないフリをしてきたからなんです。
例えばあなたが、本当はスポーティでカジュアルなファッションが好きにもかかわらず、「そういう格好は男ウケが悪いから」と女の子っぽいファッションをしていたら、当然寄ってくる男性も【女の子っぽいファッションを好む男性】になります。
そして彼に
「俺、そういうひらひらのワンピース好き〜」
とか言われて
「あぁ、やっぱり女の子っぽくしなきゃ好いてもらえないんだな…」
なんて思ってますます無理しちゃう。
でも一方で、もしあなたが男ウケなんて気にせず自分の好きな服を着ていたら
「そういうファッション好き」
「個性があってカッコいいね」
と言ってくれる人が寄ってきてくれる可能性はグッと高まります。
引き寄せの法則ってつまりはそういうことで、自分の本心と行動が一致していれば、望む結果は勝手に付いてくるんです。
逆に言えばつ、引き寄せできない原因は、単なる言行不一致なんです。
(この場合は【心行不一致】とでも言うべき?)
「こんな私には需要がない」とあきらめて、本心にそぐわない「世間的に見栄えしそうな自分」を目標に設定したところで、それは自分の本心ではないのだから当然しんどいし、長続きもしないし、【心行不一致】のせいで引き寄せも起こらないのです。
だから、自分に問いかけてみてください。
「他人がそんな私を受け入れてくれるかどうか」
「人からすごいねと言ってもらえるかどうか」
…そんなの抜きで、本当にあなたが思ってること、やりたいことってなんだろうって。
本当はYouTube見てダラダラしたい
本当はそんなにお金を稼ぎたいわけじゃない
本当は自分が悪いなんて思ってない
本当はもっと人気者になりたい
本当は小さい子どもなんて嫌い
本当は自分の利益だけが大事
本当はパートナー以外の異性にもモテたい
.
.
.
そんなのでいいんです。「人には誇れない自分」でも。
そういう自分を思い浮かべた時、
「正直そっちがラクなんだよなぁ」
「自分って良くも悪くも、まぁそういう人間なんだよなぁ」
っていう、諦めのような、呆れるような感覚が少しでもあるとしたら、それが本当の「ありのままの自分」だから。
それがあなたという人間であるなら、いっそあきらめて、さっさと認めてあげましょうよ。
出発点はそこからです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?