なぜあなたは人に優しくなれないのか
「人に優しくできないんです。自己中で、いつも自分のことばかり考えてしまいます」
クライアントさんがこのような悩みを口にすることがあります。
この悩みを紐解いていくと、彼らの中には同時にこのような思考・感情があることが多いです。
「そもそも、自分自身が人に(社会に)優しくしてもらっていない。そんな冷たい社会に対して自分も優しくできない」
まず結論から言うと、もしあなたが人に優しい愛にあふれた人間になりたいのなら、他人よりもまずは自分の欲望を徹底的に満たすのが先です。
これは私の話ですが、私は3年前、それまでの自分がいかに周りに合わせて「他人に喜ばれよう、気に入られよう」としてきたか、ということに気づいてめっちゃびっくりしたんですよね(笑)。
そしてコーチングを受ける中で、「周りに合わせて我慢するより、"自分"を出して生きる方がむしろ自分も周りも幸せになるのでは?」という事実にも気づき、「他人の目に振り回されずに、もっともっと自分らしさを表現したい!」と、いわゆる自己実現を追求しました。
そうやって3年が経った今、
「必ずしも自分らしく生きることにこだわらなくてもいいよね。周りや人に合わせることがあってもいいよね」
という風に、考え方が変わってきています。
自己実現のフェーズを超えて、他者への愛・寛容さというフェーズに入りつつあるのだと思っているのですが、
これは、一度とことん「自分らしく生きるぞ!」という、いわば「私利私欲」に振り切ったおかげで到達できた結果だと感じています。
「自分らしく生きる」という言葉には、全てを手放した軽やかなイメージがあるかもしれません。
でもその軽やかさにたどりつくまでには、「自分はどうしたいの?どうありたいの?」という純度の高い自分のwantを知り、そのwantをまずは突き詰めてみるという、徹底的に自己中に、欲望全開で行動するプロセスがあります。
これまでの抑圧された自分から、解放の方向へ一気に振り切ることで、周りと衝突したりもします。
でも、スプーンを使い始めたばかりの赤ちゃんがあちこちに食べ物をまき散らしながら使い方を徐々に学んでいくように、
やりたいことをちょうどいいかげんでできるようになるには、試行錯誤とか、恥ずかしい失敗とか、周りの誰かにかける迷惑とかは、もう避けて通れないよねと腹を括る必要もあります。
つまり、「ありのまま自分らしく生きる」って、すごく難しくて面倒で恥ずかしくて怖いことなんです。(もちろん、生まれながらにすんなりとできちゃう人もいるけどね)
それでも、真剣に泥臭く腹括って取り組んだ人だけが、結果として執着を手放して、軽やかさを身につけて、その先に他者貢献の精神や思いやりや愛を持てるようになる。
自己実現→他者貢献へのプロセスってそういうもんなんだなってことだけはまず知っておくといいと思います。
それくらい難しいことなんだから、
・ありのままの自分がなかなか見つからないのも当然。
(ありのままの自分は人から受け入れられない・否定される・怒られると思ってるから素直にwantを描けない)
・自分らしく生きられないのも当然。
(自分らしい行動をすると人から笑われる・心配される・迷惑をかけると思ってるから)
・人に優しくなれないのも当然。
(まず自分のwantを先に満たせていないから人に思いやりを向ける余裕がない)
できない自分を責める必要は全然ないと思ってます。
でも、難しいからこそ挑戦しがいのあるすばらしいテーマでもあります。
何より、誰にでも等しく可能性とチャンスがあるのが自己実現という領域だと思っています。
ちなみに、「自己中&欲望全開で徹底的に振り切って行動」できるようになるには、根性論でもなんでもなく、きちんとプロセスがあります。それこそがコーチングの存在理由なのです。
写真は本文と全く関係ない沖縄の写真です。家族で1週間ワーケーションしてきました。
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