中国ビジネス 【w11 中国独身の日セール】
今年も11月11日、中国語で「双11」、日本語で「w11」が終わりました。
早速12日朝のニュースや電子版の新聞では、天猫の売上が4982億元(約7兆円)を超えたという報道。昨年の268億元を大幅に更新したという報道がなされています。景気が良いですね!
こういうセールの前後になると、胡散臭いコンサルタントが軒並みSNSの更新をやめてしまうのもまた風物詩 笑
「中国で物を売るために」とか「中国市場での成功のために」とかセミナーやってたりする人たち。そもそも自分たちがメーカーやブランドとして、または代理として物を売った経験がないのに口達者に語ってる人たちは、こういう現実が見える日に「現実を見る手段がない」ので姿を消すんでしょうね。語りようがない。それに、彼らは天猫のセールがどのような仕組みになってるかも一切知らないでしょうから 笑
中国ビジネスをコンサルに依頼するのはやめましょうね。上場会社であれ、中国で物を販売することに関連することを口達者に語っている人たちは、ほぼ詐欺事業者です。そんな人たちに関わるくらいなら、私が無料で知ってる情報をお教えしますよ笑
私は実際にこのセールに参加している企業の1社ですので、取材して記事を書いている人たちよりは実際に現場にいて、現実を見ているわけですのでリアルをかけると思います。もちろん変なコンサルよりも。ご参考まで。
確かに7兆円という数字は嘘ではないんでしょう。日経電子版では、その理由として、
①、例年は1日だけのセールだったが今年は1日から11日まで実施した
②、コロナで海外へ行っての消費が減ったため、国内で消費した
③、家や車が売れた
この3つを要点として記載しておりました。これは間違いではありませんが、①はともかく、②と③についてはそれに該当しない企業には全くの関係がない売上増になります。日本本社は「7兆円」、「昨年より大幅に売上増」、「コロナの影響で海外企業好調」というところを切り抜いて、「うちの会社はどうなんだ」と駐在員を尋問するでしょう。特に2については、うちも該当するだろう!というとり方をされる方が多いと思います。
残念ながら今年の11日だけの売上については、私が聞く限りでは100%昨年以下です。それは①で書いているように、今年は1日からセールが始まったことで売上が計上される日が分散されたためです。
では、1日から11日の売上合計を昨年と対比してみたらどうか。詳しいデータはあと数日すると観覧可能になるのでそれまではハッキリとは言えませんが、私が同じく出店している友人に聞く限りでは、大きく伸ばしたというところは2社のみ。伸びたというところが数社。昨年と変わらないというところが一番多かったです。そして実は二番目に多いのが、昨年以下だったという企業でした。
実際、11日より1日に行ったセールのほうが売上が大きかったというところもあったりしましたが、今年の天猫のセール企画については仕組みが複雑であったため、企業側も100%理解できずにプラットフォームの資源を十分に活用できていなかったというところもあったのではないでしょうか。消費者も1日に買って11日に買わないというのは天猫側からしたら実際は失敗だったと思われます。1日~3日に行ったセールの意味を出店側が十分に理解していなかったからおこった現象だと私は思います。京東のように期間を設けたセール形式にしたのは今回が初めてなので来年どのように改善できるかですね。
ただ、京東は自社での販売であるため流量を分散させるという意味でカテゴリ―別にセール日を分けての長期にわたるセールというのは理解できますが、果たして天猫にこれがマッチするかというと私はそう思わないです。
残念ながら今年は厳しい企業が多かったという結果だと思います。
化粧品、製薬系、高級ブランドは好調でした。消費財はしんどかったようですね。
今年売り上げが伸びた要因の③ですが、今の情報では家が80万戸以上、車が20万台以上だそうです。何とも数字のスケールが中国ですね。ネットで80万戸の家が売れる。信じられないでしょう?ほとんど投資物件でしょうね。中国の場合、スケルトンで販売して内装は購入者がやるため、ネットで内覧して立地を見れば、ここに投資するかどうかの判断が付きます。今後もこのような形式による不動産投資は増えるでしょうね。実際海外の物件をネットで見るだけで投資用に購入している友人がいますので、今後増える事でしょう。
ということで、今回の7兆円売上。からくりは、家と車だと私は考えています。天猫の方向性がだいぶ変わっていってますね 笑
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