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波に乗れた時を見る練習

今日からまた幼稚園が封鎖。
1ヶ月のうちに、もう3度目。
封鎖された日はオンライン授業が行われる。
年少組のオンライン授業は8時過ぎから15時まであり、途中お昼寝時間をはさむ。
朝の挨拶と英語の授業、その後本来であれば外で遊びスナックを食べる時間が1時間ほどあり、中国語の授業、再び英語の授業がある。その後、お昼ご飯、お昼寝の時間を過ごし、曜日ごとのアクティビティに参加し、全体レビューで終了となる。

オンライン授業なので、娘の授業態度についつい口を出してしまう。
娘は一歳の頃から、「お名前は?」と言われれば、「no!」。
「呼ばれたらはーいとお返事をしましょう」と言われれば、「no!」というような娘だった。

日本にいた時、しかも言葉を話し始めたときから、人の指示に積極的に参加するタイプではなく、その姿勢は基本変わらない。

日本の幼稚園に入園してからは、お名前を呼ばれたら「はい」と大きな声で言えるようになったし、指示にも素直に従えるようになっていた。

そんな風に出来るのを知っているので、せめて挨拶くらいはしようよ、とどうしても突っ込んで言ってしまう。

伝えて、娘は「分かったよ」と言うけど、結局NO。


NOは、彼女の気持ちを代弁する言葉だ。

彼女が人の指示を受け入れられない時は、いくつかの要因がある。

1、完璧主義のため、自信を持って喋られるようになるまでは「NO」。
2、自分に注目が集まると恥ずかしくて「NO」。
3、リラックスできる、信頼できる環境でないとき「NO」。

おそらく今、娘にとってNO発動条件しかない。

どうしても当人が目の前でNO、NOと先生に挨拶されても言っていると、「先生に失礼だ」、とか、「こう答えるのよ?」とパソコンの画面の音声をミュートにしてまで、口出ししてしまう。

挙句、目の前でおもちゃを持ちだして、話を聞かずに、転がっていることもある。

親の目線からすれば、先生が画面越しにでもいるのに、あまりにも失礼な態度をとっているのがわかり、どんどん私に角が生えてきてしまう。

葛藤が多くなり、オンライン授業はなかなか親も疲弊する。

正直、学校側の対応も先生任せの授業なので、いいものとは言えない。

YouTubeの動画をスマホカメラで映しているだけの時間は、画面が揺れるときがほとんどだし、音声も途切れる(せめて画面共有してくれればいいのにとも思う)。

ワンマンのため、授業が始まると、他の園児たちのパソコンに不慣れなベビーシッターさんたちが「もう授業始まってるの??」と質問しても、誰も答えず、授業に参加できない子どもも発生している。

それに対する改善策が出されるわけでもなく、学校の対応も事なかれ主義。娘の学校内での生活も心配だ。

そう。学校の対応について、首をかしげることが多い日々の中で、オンライン授業でさらに普段とは環境が違うにもかかわらず、座って話を聞いていられるだけでも、娘は、偉い。


しかも、完璧に出来ることに対しては、NOが発動されない。

ABCのアルファベットを聞かれた時、彼女は完璧に覚えているので、我先にと受け答えをしていた。

一つでも、授業に真剣に参加できているのだから、偉い。

母親のぴーちくぱーちくの言葉を、覚えて実践できた時もある。偉い。
耳を傾けてくれてありがとう。

そんな沢山の成長があり、尊い瞬間があるのに、ついつい目の前で行われる瞬間的な良くない姿勢についてだけ声を出して伝えてがちだ。

もっともっと、出来たこと、感心したこと、偉かったこと、嬉しかったことを娘に伝えていく努力が必要だし、オンライン授業に親がそんなに釘付けになる必要もないだろう。 

もっと、彼女の心が波に乗れたその瞬間、瞬間に感謝し、喜び、笑顔で伝えていってあげようと思う。


                              草枕歌奈



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