65歳まで働き続けたくないあなたへ

小さいときから、お小遣いやお年玉をもらったら貯金してきた。その理由は大人になったらある手術を受けたいと思っていたからなのだが、結局イギリスに引っ越したおかげで、手術は自費ではなくNHS(イギリスの保健機関)が負担してくれた。貯金を切り崩す必要がなかったのだ。その手術が終わった時、「せっかくお金を貯めたのに、使わなかったなぁ。もう貯金する目標がないなぁ」と思い始めた。

幸せな悩みだ。

そんな時、FIREに出会った。

Financial Independence, Retire Earlyの頭文字。つまり、経済的自立、早期退職という意味。

「ある程度」資産を確保すると、働かなくても生きていけるそうだ。

ある程度とはどれくらいだろうか。

経済的自立に必要な金額(FIREナンバー) = 1年間の出費 × 25~33

25~33倍という幅がある理由は長くなるので今回は割愛する。

具体例として仮に、家賃またはローン、保険、食費、交際費など、もろもろの出費を1年間合計して100万円だったとすると、FIREナンバーは2500万~3300万円。これくらいの資産があれば死ぬまで仕事をしなくても大丈夫(の可能性が高い)。もちろん、普段からお金の使い方を細かく記録しなければこのような計算はできない。また、人によって、状況によって一概には言えないし、ライフスタイルなどによって変わってくる可能性もある。

しかし、「経済的に自立するには大体これくらい必要だ」と目途が立つという意味では画期的な方程式である。

僕の場合、数年分のデータを基に計算したところ、50万ポンド(約7000万円)分の資産とマイホームがあれば心地よく暮らせることが分かった。

経済的に自立できたら早期退職も視野に入る。もちろん、仕事が大好きならそのまま働き続ければ良いし、長年の夢だったプロジェクトや趣味に手を付けたりのもOK。「稼がなければいけないから」ではなく、「やりたいから」という理由で生活の選択ができるようになるのだ。

確かにある程度のお金があれば働かなくて良いのは分かるが、その「ある程度」に明確な金額があるということを発見した時、人生が変わった。

大げさではない。

節約、貯金、投資する目的が見えたのだ。

15分のタイマーが鳴ったのでこれで終わり。

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