ペットと葬式~読書記録372~
フリージャーナリストで浄土宗の僧侶・鵜飼秀穂氏の著書。
2018年。
うちの子であるペットは人間同様に極楽へ行けるのか?
そう考えると眠れなくなる人も少なくないらしい。
この問題に真っ正面から取り組んで
現代仏教の役割とその現場を克明に解き明かしていく。
ペット塚は歴史の始まりからあり、現代ではAIBOだって手厚く葬られている。
この本を読み、私の勘違いぶりに恥ずかしくなり、今すぐにでも六道輪廻の畜生道に落ち込もうかと思ってしまった。
最近、ペット霊園が増えてきた。
そんな背景を基にこの本は書かれているかと思う。
それこそ山や岩など、すべての生き物には命があり尊いとするものだと思っていたのだが、それは私の勝手な思い込みであったようだ。
仏教でいうところの六道輪廻の考えからいうと、犬や猫は畜生道と言って、本来は成仏など出来ないものなのだ。
そうなのか。私のバカぶりが恥ずかしい。
だが、現実には、お寺には動物供養塔があるじゃあないか。
更には、筆塚だの、仙台市には蓑塚なんてえのもあった。
この本は、現代の核家族化、動物を人間と同じように愛する、供養したい、そんな事情を徹底的に取材されているのだなと思った。
幾つか、動物のお墓をOKの寺が紹介されていた。
世田谷区の感応寺。
直木賞作家・寺内大吉先生のお孫さんが住職をされている。
両国・回向院
昔から動物供養をしていたようだ。
山形県・立石寺
松尾芭蕉の句で有名な天台宗の山寺だ。セミ塚があるらしい。
更に!面白いのが、長野県善光寺にある迷子の郵便物を弔う塚だ。
こうしてみると、日本って面白いな、と改めて思ってしまうのだった。