小説 上杉鷹山~読書記録470~
小説 上杉鷹山 童門冬二
今この時代に必要なリーダー! 上杉鷹山! 国難をすぐれた知恵と人を活かす改革で乗り越えた鷹山のリーダーシップのすべて。
時代を超えて読み継がれるロングセラー小説。
灰の国はいかにして甦ったか!
九州高鍋の小藩から養子に入り、十七歳で名門上杉家の藩主の座についた治憲は、自滅か藩政返上かの瀬戸際にある米沢十五万石を再建すべく、冷メシ派を登用し改革に乗り出す。
藩主や藩のために領民がいるのではない、との考えのもとに人びとの心に希望の火種をうえつけてゆく………。
江戸時代、米沢藩の経済を建て直した。口では簡単に言うものの、身分制度が確立し、徳川幕府の様々な決まりがあった時代だ。並大抵のことではなかったと思う。
参勤交代制であるが、自分の領地と江戸を往復する。現代の旅行もそうだが、当時だって無料で出来るわけはない。当然、宿代やら食事代やらかかる。お供を連れていくわけだし。徳川幕府は、そのような制度で他の大名の力を削ぎ落とし、経済的にも疲弊させ、政権を守ったのだろうな。
上杉鷹山が改革をするにも、1年ごとに江戸に住まねばならないわけだから、どれだけ大変であったろう。
そんな様子がよくわかる。
若い頃から上杉鷹山には、しっかりとした根があった。
「民は国の宝」
これである。
年貢(税金)を取り立て、偉い者の為に使う。江戸時代も現代もそのような人で溢れかえっている。
国民の為に働く政治家が欲しい。本当にそう思う。
山形と言えば、紅花。油でも有名だが、上杉鷹山の目の付け所があり、発展させたのか。
改めて、為せば成る、なさねばならぬ何事も。の言葉を想うのであった。
私が秋に訪れた米沢市の普門院、並びに小野川温泉であるが、この本の中にも出て来る主要な舞台である。
又、行こうと思う。