自分の壁~読書記録429~
自分の壁 養老孟司 2014年
「自分探し」なんてムダなこと。「本当の自分」を探すよりも、「本物の自信」を育てたほうがいい。
脳、人生、医療、死、情報、仕事など、あらゆるテーマについて、頭の中にある「壁」を超えたときに、新たな思考の次元が見えてくる。
「自分とは地図の中の矢印である」「自分以外の存在を意識せよ」「仕事とは厄介な状況ごと背負うこと」
――『バカの壁』から十一年、最初から最後まで目からウロコの指摘が詰まった一冊。
養老孟司先生の物の見方、捉え方の大きさに圧倒される。
戦時中、戦後の大学紛争を知っておられるからこその教えとも言えるのではないだろうか。
全ての人間が「個」を大事にすることはないし、まずは先に存在する物があるのだ。
この著書は2014年に書かれたものであるからコロナ過はまだ始まっていないが、ウイルスについての考えも納得できるものだった。
SNSをやらない養老孟司先生。それの理由も納得出来た。
偏った情報を得てしまう危険性がネットにはあるのだなと思った。
例えば、中国人、韓国人はこういう人種だ。とネットで見かける。
あえて、その情報だけを得る事も出来るのがネットだ。
現実生活の中では、「悪い中国人、韓国人も、普通の中国人、韓国人も、良い中国人、韓国人もいる」と経験出来るのに。
私が考えたのは、ある種の人々は、
「ワクチン接種しない人は悪い人間。反社。反日」
と決めつける。
人それぞれの事情があるでしょうが、と言いたくなる。
ワクチン接種していないネットをしていない人間なんか、街を歩いていて区別できるのか?ということだ。
自分の中の意識というものの怖さ。それを教えられた本であった。