原の地蔵さん 沼津市 臨済宗妙心寺派得萬山清梵寺 私の百寺巡礼216
臨済宗妙心寺派清梵寺。
平安時代の初め頃、安房の国に得萬長者という信心深い人がいた。ある時朝廷から召され京都から帰郷の途中、原宿に立ち寄りそこで長旅の疲れから病気となり、亡くなった。従者は長者の遺言に従い、大きな塚を築いて手厚く葬った。
その後長者の妻は出家して梵貞尼と名を改め、原宿の夫の墓に詣でたとき、近くの網元の家で休んでいると、その網元が生前夫が信心していた地蔵尊を網にかけて持ち帰った。梵貞尼の孝貞に心打たれた網元も出家して清信禅居士と名を改め、梵貞尼と力を合わせて堂を建て地蔵菩薩を安置したという。 そしてこの地に、山号を得萬山と号し、清信、梵貞の2字をとった清梵寺を建てた。
これが大塚のいわれと清梵寺の縁起である。
この大塚は、昭和34年(1959年)に当時の原町教育委員会によって調査されたが、原地区ではこの古墳が一番大きく、発掘の結果から埋葬施設をもたない低墳丘の古墳で、おそらく平安時代頃(8世紀)のものであろうと推定されている。数百年前より原のお地蔵さんとして親しまれ、毎年の縁日には近郷近在から大勢の参拝者が訪れる。当日は新亡供養のほか、参拝者がお札を流して精霊送りをする。特に夕方から夜になっての参拝者が多く、露店も約30店くらい出る。
この日に参詣すると普段以上にご利益があると信じられている。
(沼津市のページより)
敷地内の奥にある優しいお地蔵さま達に魅かれる。そんな寺院だ。
こちらでは、住職夫人より地元民でないとわからない話を聴かせて頂いた。
この辺りのお寺は、お寺の中に天神さまや金比羅様などがあり、普通に
「天神さま」「金比羅さま」などと呼ばれているそうで、タクシー運転手さんには、寺院の名前ではなく、通名で告げる人もいるらしい。正式の寺院の名前を行先に言う人もいるらしく、タクシー運転手はどちらも覚える必要があるのだとか。
ちなみに、こちらのお寺は「地蔵さん」と呼ばれている。
沼津市の原地区。白隠禅師はこの場所で生まれた。元は長沢家という名家の家があった場所だ。
住職夫人の説明によると、この土地を銀行が買い取りマンション計画?か!などという話もあったらしい。その時に、京都の妙心寺が土地を買い取って「無量堂」という白隠禅師のゆかりの地として後世にまで残してくれたのだという。
沼津にある臨済宗のお寺で交替で掃除、管理をしているそうだ。
興味深い話を聴くことに」恵まれ、感謝であった。
臨済宗妙心寺派得萬山清梵寺
静岡県沼津市大塚278
東海道線原駅より徒歩15分