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新幹線から経済が見える~読書記録448~

新幹線から経済が見える 小宮一慶

「品川新駅」に隠されたJRの戦略は? 「のぞみ」大増発の経済効果は何億円? 新幹線の車窓から見えるのは、景色だけではない。景気や地価、企業業績など、車窓の向こうに見えてくる目からウロコのビジネス発想術。

小宮一慶
1957年、大阪府生まれ。経営コンサルタント。(株)小宮コンサルタンツ代表取締役。京都大学法学部卒業後、東京銀行にて経営情報システム、M&Aなどを担当。特種情報処理技術者、証券アナリスト。

既に20年以上も前の本であるので、今はこうじゃないよ!というところもあるが、非常に面白い本であった。

まず、品川駅新幹線開業!!
東京駅から山手線ですぐなのに??という、かなりの意見もあったのだが、大正解だったと思う。
かつて湘南新宿ラインがない時代、横須賀線沿いに住む叔母は、秩父の親戚(すぐ近所に住んでいた小学校同級生でもある)の所に行く際、池袋駅から品川駅まで山手線というコースであった。
私は、「池袋駅からは東京駅の方が近いし、始発だから座れるじゃーーん!」と言ったのだが、地下に潜るのが大変で、品川駅は京急でも他の路線でも乗換が楽なんだ、と。
確かに、乗り鉄と化した今ならわかる。
水戸駅に行くのに、品川駅で、特急ひたちに乗れると本当に楽なのだ。
在来線から新幹線の乗り換えも東京駅よりも品川駅は楽である。
確かに。
ついでに言うと、かつて、中高が品川駅まで歩ける距離であった息子は品川駅新幹線改札口で芸人さんをよく見たらしい。大阪と東京の仕事と掛け持ちの人であろう。

小宮氏が書かれていたが、国鉄からの民営化。これも駅の発展に繋がったのだと思う。
品川駅、大宮駅の駅ナカ。実に楽しい。

この本は、主にJR東海がメインであったので、大宮駅には触れていないが、大宮駅も新幹線乗換は便利だと思う。
上野駅は本当に面倒くさい。場所を間違えると、とんでもない所に行ってしまい、上野動物園どこよー?になってしまうのだ。
私は、自由席で行く場合は、大宮駅利用が多い。

おおお!と思ったのが、掛川駅に新幹線が停まった理由。新幹線の駅は1889年開業なので新しいのだ。
速いのぞみの本数を増やすには、こだま、ひかりをどこかで抜かなくてはならない。その為には停められる駅が必要だったのだそうだ。
掛川市と言うと、お茶のイメージであるのだが、企業も多く、こだまが停まるメリットはあるだろう。

もう20年以上も前に書かれているので、新横浜駅を扱ってくれよー、と思う面もあった。
新横浜駅は、のぞみが停まる。名古屋まで1駅。1時間ちょっとなのだ。
相鉄線の西谷駅なんぞ、昔は新幹線の音で眠れない町であったのに、新横浜駅までの路線が出来たら、便利過ぎて、家賃も上がると。本当に経済に結びつくのだなあ。

小宮氏が言われる通り、経済を考えるには時間の有効性もある。今や、大阪での出張などは日帰りの時代だろう。
ホテルには申し訳ないが、エキナカに食べる所は沢山あるし、お土産も買える。小宮氏も、高級ホテルよりも自宅で寝たい派らしい。

昨年、私が実感したのがそれだ。愛知県に名鉄御朱印廻りで行った際、ホテルに悩み、豊橋駅前のホテルにしたのだが、駅には何もなし。ホテル近くには飲食店なし。
名古屋から新横浜までの時間を考えたら、夜遅くの新幹線で帰らばよかったと思ったのだ。

とはいえ、まだまだ新幹線は進化してほしい。これが私の願いだ。




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