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火の鳥 望郷篇 読書記録172~

漫画「火の鳥・望郷編」は、地球で生まれ育った少女・ロミの地球と宇宙の果ての惑星・エデン17を舞台にした131年の生涯と、エデン17とムーピーと人間の混血児たちによる文明の繁栄と滅亡までを壮大なスケールで描いた作品だ。

主人公のロミは夫のジョージと共に、宇宙の1惑星に移住するが、その星は悪徳不動産業者に騙された物件で、とても生命が住めるような場所ではなかった。
ジョージは事故で死に、ロミはその後、生まれた息子と結ばれ、子孫を作る。その生まれた子供たちは男の子だけであったため、更には、その子供たちと。という風に続く。
そんな必死なロミを哀れに思った火の鳥が、不思議な生命体ムーピーをその星に連れてくる。ムーピーと地球人の子供たちが、星を栄えさせるのだが、やがては破滅していく。。。

私が、この作品で気になる登場人物は、「ノルヴァ」という種族であった。
彼らは雌雄単体である。
これは、ブラックジャックにも出て来る「シャム双生児」を思わせるが、こちらは男女で一体の生物。このようにして、種を増やすのだ。

彼らが生きる目的は至極単純である。
子どもを作って生むため。そして、生殖機能が無くなった時に死ぬ。
これは、人間以外の動物は当たり前の事なのだ。
宗教学者の島田裕巳先生、科学者の武田邦彦先生の本などにも、人間だけが生殖機能がなくなっても、何十年も生きる(昔はそうではなかったが)と書かれている。

何度も冷凍睡眠を繰り返すロミだが、やはり最後には亡くなった。
人は死ぬのだ。

ただの漫画にあらず。深い作品である。

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