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日本最古の本格的仏教寺院 奈良県高市郡明日香村 真言宗豊山派飛鳥寺 私の百寺巡礼284
飛鳥寺(あすかでら)は、奈良県高市郡明日香村飛鳥にある真言宗豊山派の寺院。山号は鳥形山(とりがたやま)。本尊は「飛鳥大仏」と通称される釈迦如来。現在は正式には安居院という。開基(創立者)は蘇我馬子で、蘇我氏の氏寺である法興寺(仏法が興隆する寺の意)の後身である。思惟殿は新西国三十三箇所第9番札所で本尊は聖観音である。
飛鳥寺(法興寺)は蘇我氏の氏寺として6世紀末から7世紀初頭にかけて造営されたもので、本格的な伽藍を備えた日本最初の仏教寺院である[5]。発願から創建に至る経緯は『日本書紀』、『元興寺伽藍縁起并流記資財帳』(醍醐寺本『諸寺縁起集』所収、以下『元興寺縁起』という)、ならびに同縁起に引用されている「露盤銘」と「丈六光銘」に記載がある。福山敏男は、『元興寺縁起』の本文には潤色があり史料価値が劣るとする一方で、「露盤銘」は縁起本文よりも古い史料であり信頼が置けるとしている。
『日本書紀』によると、法興寺(飛鳥寺)は用明天皇2年(587年)に蘇我馬子が建立を発願したものである。馬子は排仏派の物部守屋と対立していた。馬子は守屋との戦いに際して勝利を祈念し、「諸天と大神王の奉為(おほみため)に寺塔(てら)を起立(た)てて、三宝を流通(つた)へむ」と誓願し、飛鳥の地に寺を建てることにしたという。岸俊男によると、古代の「飛鳥」の地とは、飛鳥川の右岸(東岸)の、現在の飛鳥寺境内を中心とする狭い区域を指していた。
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日本最古のお寺ということで有名である。聖徳太子、蘇我馬子、飛鳥時代の面影を感じる。
お寺自体は、小さい。
私は、ここが真言宗豊山派の寺であることを知らずに行ったので、奈良県は豊山派が多い?と思った。
案内してくれた僧侶の方に伺うと、廃寺の危機を乗り越えたのと、明治維新後にどこだかの宗派に属さないとダメだったので豊山派になったとのことであった。
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五木寛之先生の本から一部紹介したい。
こんなに小さなお寺なのか、というのが最初の印象だった。
時代は1400年前にさかのぼる。日本がようやく統一国家へ向けて歩み出したころ、ここ飛鳥の地に本格的な仏教寺院が初めて創建された。創建当時は「法興寺」という名前の寺で。現在の20倍もの寺域の壮麗な寺だったらしい。その法興寺の後身が飛鳥寺(安居院)である。
しかし、この寺はさびれていく。伽藍は何度かの火災や落雷によって失われた。江戸時代後期にようやく小さな堂宇が再建され、今はその中に日本最古の仏像が残るのみだという。
何か、込みあげて来る感慨があった。
日本最古の寺という面影は、今の飛鳥寺の建物には殆どない。しかし、現在の本堂の中の本尊は、飛鳥時代からここに安置されていたものだ。「飛鳥大仏」と呼ばれる大きな釈迦如来像ー日本で初めて作られた釈迦如来像だといわれている。
その前に立った時、大きな衝撃を感じた。大げさに聞こえるかもしれないが、私は電気に打たれたように茫然と立ち尽くしたのだ。
なんという表情をしていらっしゃるのだろう。
考えるというか、思惟するというか、言葉で表現で機内ような不思議な雰囲気を持っていて、なんとも魅力的だ。私はしばらくその場を離れる事が出来なかった。
日本最古のこの仏様は、それまでずっと野ざらし同然の状態だったのである。雨に打たれ風に吹かれながら、それでも、あの不思議な表情をしていらっしゃるのだろうか。そんなふうに想像すると私は胸がつまるような気がした。
私は、飛鳥大仏がこれまで見つめてきた1400年という歴史の重みを改めて思った。全身に傷を負ってぼろぼろになりながら、当初から殆ど同じ位置に、こうしてずっと端座していらっしゃる仏さま。そのことを奇跡のように私は感じたのだ。
真言宗豊山派鳥形山安居院飛鳥寺
奈良県高市郡明日香村飛鳥682
近鉄・橿原神宮前駅、または近鉄・飛鳥駅よりバス。飛鳥大仏下車。