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光の人~読書記録143~

元NHKプロデューサーで、ジャーナリスト今井彰氏による小説であるが、実際の人物をモデルにしており、ほぼ実話である。

この書に出て来る人々は、「奇跡の体験者」たちではないだろうか。
主人公の幸太郎、幸太郎に出逢った孤児たち。
もしも、その出会いがなかったらどうなっていたのか。

光の人


モデルとなったのは、長谷場夏雄氏。
サレジオ会の神父、教師の資格を持ち、教師として働いていたが、孤児たちの為にそれを投げ出し、文字通り、裸一貫、何もない所から始めたのであった。

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私が、長谷場夏雄氏を知ったのは、森村桂さんのエッセイであった。
桂さんが学習院大学時代、ボランティアをしたいと願った時に、そこで活動したとのことであった。
その後、桂さんが、カルチャースクールのようなものを立ち上げる際にも長谷場夏雄氏には相当な世話になったようだ。
桂さんの本の中では
「あの人は、お金だから」
「支援者を欲しくて、あちこちに行く」
などを言う人が多かったように書かれていたし、私自身、日本人カトリック信者が大嫌いでもあったので、外国の修道院に頼ってるんだろう、くらいに思っていた。

だが、しかあし!!
この本を読むと、全く、そんな私の想いあがった心はなくなった。イヤイヤ。自分が恥ずかしい。
本当の信仰者とは、このような方なんだな、と思うのであった。

長谷場夏雄氏が10代の時に働かれていたサンミゲール学園であるが、その施設の創設者、ミケーレ神父は、サレジオ学院創設者である。

長谷場夏雄1

長谷場夏雄2

実は、ここに出て来るサレジオ会の阿部神父は、私が唯一、好きな日本人神父だ。外国人神父は好きなのだが、韓国人と日本人神父は皆、嫌いだ。

この本に出てきたミケーレ神父の後任の日本人神父のように、冷たい想いあがった人ばかりだ。

麻生和子さんとの偶然の出会いも又、奇蹟と言えるのかもしれない。

長谷場夏雄氏自身が、麻生和子さんとの出会いを語っている。

麻生和子さんも又、素晴らしいカトリックの信仰者であった。
白洲次郎氏のエッセイなどを読んでも、サンフランシスコ講和条約の場においての麻生和子さんの堂々たる振る舞いは素晴らしかったようだ。

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1945年の東京大空襲を計画実行したルメイ。その為に多くの日本人が亡くなり、疎開して戻ったら親や親せきも皆亡くなっていた、という孤児が沢山いたというのに、日本はルメイに勲章を贈ったのだ。
何故だ?怒り。。。

長谷場氏が始めた「孤児たちの家」も、時代と共に必要性が変わってきた。
親に虐待された子供、捨て子などなど。
子どもを愛していたのに、戦争で亡くなったがゆえに子供が孤児になった、という状況とは違う。
人間とは悲しいものだ。




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