パレアナの青春~読書記録150~
「少女パレアナ」の続編で、村岡花子さんが昭和30年代に訳されたエレナ・ポーターの作品だ。
前作では、交通事故に遭い、足が動かなくなってしまったパレアナ。しかし、叔母のかつての恋人の医師の紹介により、ボストンの療養所にてリハビリを重ね歩けるようになった。
その医師、チルトン先生は、パレアナの叔母と結婚し幸せな結末を迎えたのだった。
そして、今回は、その療養所で看護師をしていた女性が「自分の姉の所にパレアナをよこしてくれないか」と言うお願いから始まる。
パレアナは、ボストンでも又多くの奇跡を起こしていく。
だが、年齢も重ね、考える事も多くなるのだ。ボストンでは、田舎に比べ、格差があった。
信頼するペンデルトン氏にそのことを話すと、「富の再分配」「社会主義」などと言われるのだった。これは、20世紀初頭のアメリカ社会を物語っている。
他の方の訳も読んだが、メソジスト派信者で、戦後、婦人社会運動をしていた村岡花子だから20世紀初めのアメリカを理解出来た上での訳なのだと思う。 当時のアメリカの貧富の差が描かれているが、寧ろ、格差は広がっていないか?
最後に、パレアナは幼馴染のジミーと結婚するのだが、バレー叔母さんは家柄を気にした。結局、ジミーの母は、ボストンの有名な資産家であり、家系をさかのぼれば、十字軍にまで行くことで納得するのだが、こういう点も、やはりアメリカの格差社会を想うのだ。
村岡花子さんは解説において、「楽天主義」「パレアナ症候群」を書かれていた。
ポリアンナ症候群(ポリアンナしょうこうぐん、英: Pollyanna syndrome)は、直面した問題に含まれる微細な良い面だけを見て負の側面から目を逸らすことにより、現実逃避的な自己満足に陥る心的症状のことである。別の言い方で表すと、楽天主義の負の側面を表す、現実逃避の一種だと言い換えることもできる。
別名を「ポリアンナイズム」「パレアナ症候群」という。
実は自分も以前には「ポリアンナイズム」の面があった。他人を信じてしまうのだ。それで散々痛い目にあい、カトリック教会の籍も剥奪されてしまった。
今は、不平不満や愚痴の呟きばかり。。。
怖い時代だから、他人を信じてはいけないのだろうが、パレアナ症候群になって生きてみようかとも思った。