新老人の思想 五木寛之~読書記録381~
新老人の思想 五木寛之 2013年
日本は今、とんでもない超・老人大国に突入しようとしている。長寿がお荷物にすらなるこの世の中で、かつての老人像とまったく違う“新老人”の思想が必要なのだ。それは未来に不安と絶望を抱きながらも、体力、気力、能力は衰えず、アナーキーな思想を持った新しいタイプの老人たちである。彼らに牽引され、日本人は老後の生き方の大転換を迫られている―。「若年層に頼らない」「相互扶助は同世代で」「単独死を悲劇としない」等、老人階級の自立と独立を説いた衝撃の思想。
この本は、21世紀以降の日本に対する軽い皮肉を込めて書かれていると思う。軽い、と考えたのは新聞連載のコラムにその時の想いを綴ったものだからである。
人の老化は20代から始まると五木寛之先生は考えておられる。老いは自然の摂理だ。当たり前の事であり、死も当然なのだ。死ななかった人はいない。
少子高齢化社会をどう乗り越えるか。政府は色々と言っているが、遅いような気もする。
現役世代は、自分らの小さな子供を育たねばならない一方でリタイアした年金世代の面倒を見るなど大変だ。そう考えるのは当山であろう。
医療が進歩して高齢化が進む。当然のことながら加齢による病気が増える。百歳以上の長寿者が未曽有の数に達しているという。
私たちはこれまで、少子高齢化ということを、なにか遠くの風景のように眺めてきた。
しかし、いま爆発的な高齢化社会を目前にして、慄然たる思いを覚えずにはいられないのだ。(本書より)
昔は「人生50年」と言われた。今は75年くらいだろうか。(要介護にならずに自分の事は出来る前提)
現役時代に永い目で自分の最期までを考えたいと思うのだった。