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旧約聖書の理不尽な個所は、文化的古語として読む。神様の文脈に注目しよう!(聖書ビギナー向け)

旧約聖書は読みづらい。

神様の残虐な命令、理不尽な仕打ちが多くて、
旧約聖書の神は悪魔よりもひどい暴君だ。

あんなものを本気で信じてるから
中東エリアは宗教戦争が終わらないんだ。

そういうイメージをもっている人は少なくないと思います。

イエス・キリストを信じているクリスチャンですら、
旧約聖書は読んでいないという人も珍しくないです。

そこで今回は聖書ビギナー向けに、
旧約聖書の理不尽な記述をどう読むかについて。

自著『実用★聖書リーディング入門』を引用しながら、
簡単かつ実際的なコツをあげていきます。


結論を先に言っておきます。

旧約聖書の理不尽・残虐な記述は

(1)文化的古語として読む
(古代はそれが普通だったが、現代には適用不可)

(2)字面ではなく文脈を読む
(その聖書個所をとおして神様は何を伝えたいのか)

旧約聖書で残虐・理不尽な記述が出てきたら。

とくに神様のことば・指示・命令として、
理不尽な内容が出てきた場合。

まず大前提として覚えておいてほしいのは、
当時の人にはそれが普通のことであり、
 当時の人にはその言葉で神様の意図が通じた」
ということです。

日本の伝統行事、お祭りなどもそうですね。
当時の人々にはそれが文化的にふつうの内容でも、
現代人の感覚では野蛮・残虐・危険・不都合・意味不明な内容だったりします。

そういう場合、現代では行事の趣旨を尊重しつつ、
行事に付随する不都合なものは
安全安心なシンボルに置き換えて継続している場合があります。


<現代日本のシンボル置き換え例>

・伊勢神宮の神宮大麻はもともと大麻草だが、
 現代日本では法律的に麻NGなので、神宮大麻と書いた紙札で代用。

・お仏壇のローソクは火事の危険があるから、
 安全のためにローソク形の電気ランプで代用。

・節分の豆まきで、豆は子供の気管につまるリスクがあるから、
 豆まき用デザインのやわらか卵ボーロで代用。


伝統の趣旨・目的さえ間違わなければ、
他のシンボルで代用しても問題ありませんね。

旧約聖書の理不尽な記述も、同じように受け取ればよいです。

現代日本のわたしたちは、旧約聖書の内容を
文字通りそのまま適用しようとするのではなく。
その聖書個所の文脈に注目しましょう。

理不尽で受けいれがたい聖書個所については、
そこの前後の文脈、話の流れに注目して、
神様が伝えている趣旨・本質を受け取りましょう。

そのようにして聖書を読み、神様のことばを聴きとることを、
キリスト業界では「黙想」「思い巡らし」「デボーション」といいます。

旧約聖書の残虐な記述は文化的古語として受け取り、
神様の文脈・意図に注目することで、
旧約聖書を楽しく読み進めることができます。
神様の声をすなおに聞くことができます。

このブログで進めていく自著『旧約聖書と外典に学ぶ95のライフアドバイス』のリメイクは、
旧約聖書の文脈を読んで、現代のわたしたちに語りかける神様の声を聴くのが目的です。

旧約聖書は読みづらいと敬遠している人にも、
旧約聖書のおもしろさが伝わりますように。

以下の『実用★聖書リーディング入門』スクショも
↓ご参考にしていただければ幸いです。

旧約聖書の残虐な記述や、現代文化にはそぐわない記述を、
文字通りそのまま適用する宗教者もいます。

それを広くは「原理主義」といいます。

原理主義はイスラム教だけでなく、キリスト教にもあります。

中東エリアの土地について、
旧約聖書の神様のことばを現代の世界地図にそのままあてはめて、
パレスチナ等の土地はユダヤ人の領土だという主張を「シオニズム」といいます。

現代イスラエル国はシオニスト政権です。

現代イスラエル国を国家として承認していないイランは、
イスラエル国のことを「シオニスト政権イスラエル」と呼んでいます。


同じ旧約聖書を読んで、旧約聖書を信じているユダヤ人ですら、
聖書の受け取り方、解釈は一致していません。

現代の世界で、超正統派(ウルトラ・オーソドックス)のユダヤ人は、

・領土に執着するシオニストを「偽ユダヤ人」だと猛烈に批判

・イスラエル国の六芒星国旗を燃やす抗議パフォーマンスをSNSに頻繁に投稿

・イスラム教徒、キリスト教徒との連携も頻繁にアピール

・フリーパレスチナのデモ活動等に積極参加


旧約聖書の内容を忠実に守り、
黒装束・黒帽子・三つ編みロン毛の伝統スタイルを貫き、
安息日にエレベーターの行先階ボタンを押すことすら禁忌とする超正統派ユダヤ人でも、
現代のインターネット、スマホ、SNSを駆使するのはOKなのか?
というツッコミはさておき。

現役ユダヤ人でも旧約聖書の解釈はバラバラで、
聖書の残虐な記述を文字通り適用する派(原理主義・シオニズム)と、
文脈で解釈する派がいるという事実は心にとめておきましょう。

少し前のアルジャジーラでは、
ユダヤ人ラビ(教師)がモーセ十戒の「殺すな」(出エジプト 20:13)を根拠に、
パレスチナ自治区のイスラム教徒に寄り添う活動をしている記事もありました。

旧約聖書の理不尽な記述を根拠に、

「旧約聖書を信じると平気でテロや戦争をする基地外になる」
「旧約聖書の神は悪魔よりひどい暴君だ」
「旧約聖書は古代ユダヤ人の野蛮な物語だ」

と決めつけてはなりません。

ひとまず現代日本人が旧約聖書を読む場合は、
このブログ記事でお伝えしている通り、

・旧約聖書の残虐な記述は文化的古語として受け取る。

・神様の文脈、意図に注目する。

この方法で、健全に旧約聖書を味わっていきましょう。


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