『ジョーカー』 道化師はいかにして闇落ちしたのか
『バットマン』シリーズをあまり知らないので、なんとなく避けていた作品。
老いた母親と暮らすアーサーは、ピエロとして荒廃したゴッサムシティで日銭を稼ぎつつ、将来はコメディアンとして活躍したいという夢を持っていた。
彼には緊張すると発作的に笑いを抑えられない精神的疾患を持っていて、定期的にカウンセリングを受けていた。
一方、母親のペニーは、かつてこの都市の名士であるトーマス・ウェインのもとで働いていたことを誇りに思っており、ウェインが現在の母子の困窮状態を知れば救ってくれると信じて手紙を送り続けていた。
アーサーはある日、町中でセールの看板を持って仕事をしていると、少年たちに看板を奪われ、暴行を受ける。これを聞いた同僚はアーサーに護身用の拳銃を渡すのだった……。
妄想癖があり、自己評価が過大になる傾向にあるアーサーが、社会に受け入れられない鬱憤を募らせ、闇落ちしていく様を描く。「それ」は彼本来の性質なのか、それとも社会のシステムが生み出してしまった偶発的な悪なのか。
『バットマン』シリーズでどのように描かれているかを思い出せないので、改めて『バットマン』シリーズを見返してみたいと思う。