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愛読書シリーズ「生きる意味」アルフレッド・アドラー〜子どもたちは世界をどのように捉えるのか

こんばんは!本日もおつかれさまです。

ベリーダンサーのShala(シャーラ)です。

このような世の中にあって、生きる意味を問いかけた時に、目に留まった本です。

「嫌われる勇気」「幸せになる勇気」などを通して、一般に知られるようになったアドラー心理学ですが、こちらの本は、「世界をどのように見るかで全てが決まる」ことが冒頭に記されており、その考え方をより理解することができました。

私自身、子どもたちが、世界を安心できる場所と捉えることができ、純粋な心を保ったまま、自分自身であることに安らぎ、人間関係を上手に築いていけるようになることを望みつつ、そのためにはどうしたら良いのだろうと、常々思っています。

冒頭第1章は、このように始まります。

1  自分と世界をどうとらえればいいのか
 
 ひとはみんな自分の能力を決めつけて生きていると、私は考えています。目の前の問題に対して行動するときにはもう、それが大変か簡単かわかっているようにふるまうのです。
 要するに、自分のものの見方で行動が決まっているのです。わたしたちは冷静な意識で現実の出来事を受け入れることができず、ただ自分に見えるものを外界に反映させているだけなので、それもしかたないのかもしれません。
 心理学の研究では、「すべては、どう見るかで決まる」というセネカの言葉をつねに頭に入れておくべきでしょう。

非常に無垢で繊細な状態でこの世に産み落とされた後、自分自身を守る術を知らない子どもたちが、どのように両親を始めとする周囲の世界を捉え、固有の反応の仕方を確立させてゆくのか、そしてそのことに生涯影響を受け続けるのかが、詳細に記されていて勉強になりました。

第一子、第二子、末っ子それぞれの反応の特徴、同じ家庭に生まれて、両親は皆同じように接し育てているつもりでも、当人たちにとってみれば、どれほどそれぞれに違った辛さを抱えているものなのか。劣等コンプレックスをどのように作り上げていくのか。

では具体的にどのようにしたら良いのか、ということも少し記されていますが、それよりも、子どもたちが生き抜くために身に付けたそういったやり方に、まずは気付くことが大切なのだなと感じました。気付くところからか始まるのだなあと。

そして、親の側もまた育つ過程で少なからず傷ついていることでしょうし、エゴもあるので、やはりこれは正しく見守っていくだけでも、かなり大変なことだと思いました。

また、自分自身の課題が迫ってくると、そこから逃げたいという欲求が募った結果、神経症と呼ばれる種々の症状が出るというのも、なるほどなと思います。

さらに、アドラーの提唱する共同体感覚については、ここでも重きを置いて繰り返し言及されています。

周囲の人たちとの、世界との一体感を感じながら育ったかどうか。それも人間に限らず、全ての生命、宇宙を含むということなのです。これまで連綿と受け継がれてきた、共同体に貢献してきた人たちの歴史に連なる自分自身ということも含めて。

最終章は、このように始まります。

15「生きる意味」とはなにか

 生きる意味を問うことは、人間と宇宙の関連に着目した場合にのみ、意味と価値があります。

自分が世界の一部であり、世界を安心できるところと捉えられるかは、行動の一つ一つが、共同体をサポートするものになるかどうかの分かれ目となり、重要であることは、実感としてもよくわかるので、このような宇宙までをも含む大きな理想に関しても、知る価値は大いにあると思いました。

共同体感覚がどのようなものなのか、同じく第15章より抜粋。

 わたしたちが失敗と呼んでいるものはすべて共同体感覚の不足であるという単純な事実のほうが、多くの人にはもっともぴんとくるかもしれません。子ども時代や大人になってからの失敗、また、家庭、学校、人生、対人関係、仕事、恋愛で見られるマイナスの性格の特徴はどれも、共同体感覚の不足から来ています。そして、一時期だったりずっと続いたりしてさまざまな形で現れます。

色々と考えさせられますが、これらをどのように受け取り、咀嚼していくのかは、こちら側に任されています。

最後に、個人的にアーティストとして報われるように感じたのは、第14章で、次のような記述に出会った時でした。

 芸術家や天才は人類を導く存在です。自由奔放でいることに代償を払いながら、子ども時代に自分でつけた火に身を焼かれています。「わたしは苦しんだ。だから詩人になった」というわけです。わたしたちが色や形、線を、昔よりもよく見て感じられるようになったのは、画家のおかげです。聴く力をつけ、発声を繊細に操れるようになったのは、音楽家のおかげです。詩人は、考え、話し、感じることを教えてくれました。
 芸術家自身は、幼少期に強く刺激されたり、貧困、視覚や聴覚の異常などのあらゆる重荷を背負ったり、一方的に甘やかされたりしながら、ごく幼いころに、強い劣等感を振り払っています。そして、猛烈な野心でもって窮屈な現実と闘い、自分や他者のために現実を広げようとします。
 芸術家たちは進化の先導者です。進化によって困難を越えて進もうとし、高い目標に適した体の変異に苦しみながら平均を超えていきます。

実際のところ、つい最近のレッスンで、自分の幼少期のことに触れ、「でも、だから私は表現者になれた。辛いことがあったら、そう思えるように乗り越えなければね。」と、話したばかりでしたので、深く納得します。

生きていくのは、誰にとっても大変なことだと思います。でも少しでも、少なくともどうしてそうなるのかを理解することができたら、それをきっかけに、家族や自分自身についても理解を深め、生きていく糧にしていけるのではないかと思っています。

こちらの本は、知識としても読みながら、全てを自分のこととして読みました。どれもこれも難しいことながら、励まされます。

それではまた!


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Shalabyrinth
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