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任脈の捉え方 その2/‘02 一泊研修会講義録より

講師 小林詔司 / 文責 積聚会通信編集部

『積聚会通信』No.30 2002年5月号 掲載

小周天を意識する
 
息をまず十分に、ゆっくり吐きます。吸うことはあまり意識せず、自由に。
 
吐き方は「あー」と1分間続くような声を出す程度の加減です。すると息が自然に入ってきます。吐く時間が延びると、入ってくる量が多くなります。
 
姿勢は立位、坐位、臥位がありますが、立位でできるようになれば一番です。
 
その様な呼吸をしながら任脈、督脈を自分の目で追っていく。ツボを下腹、会陰と辿り、背骨を1個1個上に向かって触っていく様なイメージです。ぐるぐると1分間に5、6回が可能な程慣れてくると、呼吸に従わなくてもイメージできるようになります。
 
イメージを用いた治療
 
慌てずにツボを1個1個追って行くようにし、治療しながらこれができるようになるとまた治療効果が違ってきます。
 
機械的に鍼を刺す場合は、鍼と患体が途切れてしまっているといえるでしょう。単に刺激量を問題にすると、例えば鍉鍼で毫鍼と同様の効果を引き出すことは不可能ですね。
 
しかしイメージを流すということができると、鍉鍼でも効果が違ってきます。術者の手から鍼を伝って流れるイメージには、刺手や押手に集中し、全身の緊張を解くということが必要で、そうすると変化がおきてきます。
 
治療というのは治療室に患者さんが入ってきた時から既に始まっていて、治療中も術者の意図したことだけでなく、様々な変化が患者さんに起きます。
 
それらを含めて治療だと考えると、意識の大切さがわかってくるのではないでしょうか。