演劇を「とらえかえす」。チームのあり方を「とらえかえす」。
僕たちは、演劇をつくって、あるいは、演劇に関係した仕事をすることでご飯を食べています。食べていると言っても、公演だけではチーム全員が毎日食べていけません。ですから、文化事業と教育事業の二つの視点から経営をしています。
経営と言っても、そもそも「すげーいい芝居を作りたい!演劇の力で、世界と人間に発見をもたらしたい!演劇の面白さを届けたい!演劇で社会を豊かにしたい!」という一心ではじめた行為ですから、お金を得る知識なんてこれっぽちもないところからのスタートです。そもそもお金の勉強なんて学校では教えてくれないから、「さあ演劇だあ!」と考えても、劇団経営の知識は全くありませんでした。
カクシンハンは、2011年の3.11を機に、「今からは僕らの想像力と創造力を信じよう!」と思って立ち上げたTheatre Company(劇団)です。詳しくは、先日、ロング・インタビューが上がりましたので、そちらをお読み下さい。立ち上げた当初は、任意団体と言って、サークル的な感じ。でも!それは「芸術としての新しい動きを作るぞ!」という野心的なはじまりですので、サークルはサークルでも、そのサークルは円というよりも三角形に近い尖った円でした!(あ、思えば、カクシンハンのマーク尖っていますね。)
それからは、仲間と出会いと別れもありながら、作品を次々と発表しています。旗揚げメンバーのハイブリッド女優・真以美さん。カクシンハン看板俳優として活躍し、演劇界で引っ張りだこの河内大和さん。先日はPARCO劇場の「FORTUNE」にも出て、メジャーな外部客演も増えてきた岩崎MARK雄大さん。新たなカクシンハンの若手俳優たち、それに最強のカクシンハン運営チーム&スタッフの皆さん。また、外部客演として力を貸してくれるたくさんの心強い俳優たちとの出会い。そして出会いの分だけ、別れもあります。短期間ですが、数え切れないほどのドラマがあります。シェイクスピア の四大悲劇くらいの分量と質のドラマが作れそうなくらい、濃密な日々!
そんなこんなで作品を発表しているうちに、お客様が劇場に来て下さるようになり、カクシンハンを運営していくためにも、社会活動としての演劇をさらに続けていくためにも、任意団体ではちょっとなあ、、、ということもあり…カクシンハンの運営会社としての株式会社トゥービーを作りました!
会社について学び、組織についても学び、お金についても学んで、社会の仕組みについても学び、その上で「どうやって演劇で世の中の役に立つか!」それを考えながら活動しています。そして、公演を重ねて、現在、カクシンハンは旗揚げ7年目。株式会社トゥービーは4年目を迎えています。2年前からカクシンハン・スタジオ(俳優養成所)をはじめ、そこで「圧倒的な俳優」をつくろうと日々俳優と一緒に演劇の可能性を模索し、作品を発表し、カクシンハンの本公演への出演に抜擢したりもしています。
目下、説明不要なくらいガンガンにカクシンハンは日々進んでいるのですが、今回のコロナのことがあって、演劇や演劇を作る仲間たちのこと、これまでの仲間のこと、これからの仲間のこと、そして、お客様のことなどなどいろんなことを考え、行動しています。
そして、今、演劇をつくること、届けること、それを取り巻く環境含めて、演出家として「とらえかえす」ことが必要だと考えています。
「人が見ていて、人が目の前を横切る。それで演劇行為は十分だ。」そう言ったのはピーターブルックだけど、それで十分かしら? 僕はピーターブルックマニアだから、すっごく影響受けてるけど、だからこそさ、新しい演劇に挑戦するためには、演劇を「とらえかえす」必要があると感じています。
「とらえかした」結果、同じような結論になったとしても、「とらえかえした」その先に出た結論と、そのまま受け入れた結論では、これからどんな「カタチ」を与えていくかに大きな差が出ると思うのです。
演劇の「カタチ」というのは、「スタイル」であり、即ち「演劇の力」です。
肉体芸術としての演劇、ライブ・エンターテーメントとしての演劇。これを、「とらえかえす」。それは演劇をつくる人間を「とらえかえす」ことでもあり、その集まり方を「とらえかえす」ことです。
今の自分がある。それは周りの結果でもあるし、それと同時に、僕自身の結果である。だからこそ起こっている全てのことを周りのせいにしてはいけないなあと反省しています。
自分のこれまでのあり方を「とらえかえす」のも、今のタイミングではとても重要だなあと思って過ごしています。
あ、この「とらえかえす」って言葉は、観世榮夫の「伝統をとらえかえす」という言葉から引用しました。
「演劇を、シェイクスピアを、とらえかえす。」
それがカクシンハンのあり方であり、ますます押し進めて、お客様と仲間と世の中をもっと豊かにしていきたいです。
そのためには、僕自身の行動が大事で、どう生きるかってことだと思います。そしてそれらは全て「どんな作品を作るか」ってことに直結しています。
5月にサザンシアターにて発表の新作に向けて鋭意創作中です。
カクシン的な作品をお届けします。
カクシンハン第14回公演
『ナツノヨノ夢』
A “Mad”summer Night’s Dream
演出:木村龍之介 Ryunosuke Kimura
翻訳:松岡和子 Kazuko Matsuoka
作:シェイクスピア Shakespeare
2020年5月14日(木)~17日(日)
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
「ナツノヨノ夢」特別先行チケット
2020年2月22日(土) よりお得な先行チケット販売中!!
予約フォームはこちらとなります。
ご興味ありましたら、どうぞ!
↓ ↓ ↓
https://ticket.corich.jp/apply/106271/ (24時間受付)
カクシンハン・スタジオ(演劇研修所)
2020.4 第3期スタート!
【第3期生募集】
定員まで募集を続けています。ともに演劇に挑戦しませんか?
カクシンハン主宰・演出家の木村龍之介をはじめ、カクシンハンの俳優および現役で活躍する講師陣が教える、俳優・アーティストのための実践的な育成・研修機関です。
こちらのサイトからご応募いただけます。
↓ ↓ ↓
http://kakushinhan.org/others/studio3rd
*履歴書なくても、応募フォームからご応募いただけます!
俳優として挑戦したいという人は上記アドレスから。それ以外でしたら、直接、office@kakushinhan.org へメールにて、ご連絡ください。
<お問い合わせ>
メール:studio2020@kakushinhan.org
電話:080-4118-1564(カクシンハン 制作)
12:00~18:00