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充実した大学生活が将来につながる。大学で環境を学んだ学生が語る、大切な出会い

「環境が学べる大学ってどんな人が集まっているんだろう?」
「環境問題に興味があるけど将来に活かせるのかな?」

そんな心配はありませんか?

今回は、滋賀県立大学の環境政策・計画学科に在籍する岡上真由(おかのうえまゆ)さんにお話を伺いました。入学前から環境問題に漠然とした興味を持っていた岡上さんでしたが、卒業論文の執筆や大学カヌー部での経験を通して、将来やってみたい仕事が明確になったといいます。

環境を楽しく学びながら力をつけた岡上さんに、学生生活や卒業論文への取り組みを振り返ってもらいながら、環境政策・計画学科の魅力について探ります。


大学選びのきっかけは漠然とした興味と将来の進路から

ーー岡上さんは環境問題に興味があって、滋賀県立大学の環境政策・計画学科を選んだそうですね。環境に興味を持つきっかけはどういったものでしたか?

進路選択の時期に、高校で行われていた環境問題についてのセミナーを聞いたのがきっかけです。それまでの学生生活で知る機会がなかった環境問題がたくさんあることを、そのセミナーで初めて知ったんです。自分の知らない問題が世界にはこんなにあったのかと大きな衝撃を受け、大学で環境問題について学んでみたいと思うようになりました。

ーーなかでも環境政策・計画学科を選んだのはどうしてですか?

公務員になりたくて、政策に関わることも学びたいと思っていたからです。高校の先生に「環境を学びたい」「公務員になりたい」と伝えて一緒に探してもらいました。また、滋賀県立大学は実家から通えるというのも決め手でした。

ーー岡上さんは愛知県にお住まいなんですよね。

私が住んでいる場所が岐阜県寄りの愛知県なので、1時間半程度で通えるんです。実家に住みながら、他の県の大学に通えるというのも魅力的でした。

カヌー部での経験が卒業論文のテーマに

ーー岡上さんはカヌー部での経験を踏まえて、卒業論文のテーマを選ばれています。どのようにテーマが浮かんだのでしょうか?

カヌー部での活動を通じて知り合った方が紹介してくださって、カヌー体験のアルバイトをしていたんです。

体験の前後で小学生たちの表情が明るくなったり、挨拶する声が大きくなったりという変化を目の当たりにして、「カヌー体験ってすごい!」と感動しました。しかも私だけではなく、カヌー体験の運営メンバーもみんな体験者の変化を実感していたんです。

卒業研究のテーマを検討するなかで、最終的に「カヌー体験の魅力」をきちんと調べてみたいと考えて、テーマに設定しました。

ーーテーマを決めてから、所属する研究室を選んだのでしょうか?

これだ!というテーマがあったわけではありませんが、カヌーに関わることをやりたいと考えていました。それぞれの研究室でカヌーを題材に研究するならどんなことができそうかを先生に相談するようにしていたんです。最終的に、研究題材の範囲が広く、自分の興味に合わせてテーマを選んでいる学生が多いと感じた村上一真先生の研究室に所属しました。

実は最初、カヌーの競技場の工事に関するテーマで研究を進める予定だったんです。でも、アンケート調査の日程調整や協力者集めに苦戦してしまって。そこで先生から「もう一度、なぜカヌーをテーマにしたいか考えてごらん」と言われたんです。テーマを考え直すなかで、「カヌーを広めるための研究がしたいんだ!」と気付き、研究を通してカヌーの魅力を明らかにしようと決めました。

ーー卒業研究はどのように進めたのでしょうか?

まずカヌー愛好者の方に、カヌー体験の魅力、カヌーのフィールドとしての琵琶湖の魅力について聞き、その結果をもとに体験者向けのアンケート調査を実施しました。

アンケート結果をまとめて、琵琶湖でのカヌー体験の魅力と、カヌー体験を広めるために実施するべき広報活動を明らかにしました。どんな媒体を使った宣伝が有効か、どんな属性の人がカヌー体験を楽しんでいるかなどをアンケート結果から分析して、カヌー体験会社の方がそのまま広報活動に活かすことができるようにまとめていきました。

▲岡上さんが作成した卒業研究審査会のスライドの一部を抜粋

ーー研究を進めるなかで印象に残っていることはありますか?

自分の想いを言葉にして伝えれば、周りの人は快く協力してくれるんだと気づけました。いくつかある体験会社のうち3社にご協力いただきましたが、事前の打ち合わせやヒアリング調査などに皆さん前のめりで参加してくださったんです。

どうしてこんなに協力してくれるんだろうと不思議に思っていたのですが、私の「カヌー体験をもっと広めたい」という想いが伝わっているから協力してもらえていることに気がついたんです。どんなこともまずは自分が熱い想いを持って取り組むことが大切なんだと実感しました。

ーー卒業研究をおこなうなかで、成長できたことはありますか?

しっかり見通しを立てて進めることの大切さを学ぶことができました。天気の影響で予定通りアンケート調査ができず、日程を再調整したことがあったんです。季節柄台風が来る可能性は予想できたので、事前に予備日を決めておくべきだったと反省しました。

見通しが立てられていないと自分も困るし、周りの方にも迷惑をかけてしまうんですよね。この経験以降、きちんと計画を立てて進めることを意識するようになりました。

ーー卒業後はどんな進路に進まれるんですか?

名古屋市役所に勤務予定です。卒業研究をきっかけに観光や自然管理に携われる都市計画に興味がわいたので、そういった部署への配属を希望しています。

カヌー部を通した経験や卒業研究をきっかけに、将来やりたいことを見つけることができました。でも実は私、泳げないので最初はカヌー部に入るなんて考えていなかったんです。

せっかくなら滋賀らしいことをしてみたいとカヌーに興味はあったのですが、泳げない自分には無理だろうと諦めていたんです。でも、いろんなサークルの見学をしているときに出会った先輩から「自分で可能性を決めつけちゃだめだ」と言われて、「せっかくだからやってみよう!」と入部を決めました。

カヌーがさまざまな出会いや気付きをもたらしてくれたので、自分の可能性を狭めずに挑戦してよかったと思います。

お互いを尊重し合う穏やかな学科

ーー環境政策・計画学科のどんなところが魅力だと思いますか?

学生が持つ雰囲気が魅力的だなと感じています。1学年40人前後の学科なので、適度な距離感と一体感があってとても居心地がいいです。

ある授業で自分の好きなものを紹介する動画を制作したんですが、みんな個性豊かな内容で、発表を聞いているのがすごく楽しかったんです。ワクワクを人に伝えられるくらい、自分の好きなものに情熱をかけられる人が集まっている学科だなと感じました。

お互いを尊重しあうからこその穏やかな雰囲気が、この学科にはあると思っています。

ーー環境政策・計画学科の先生方にはどんな印象がありますか?

本当に学生思いの先生方が揃っている学科だなと感じます。先日卒業研究のポスター発表があったんですが、どの先生も時間が許す限り学生に向けて講評をおこなっていて。しかもその一つひとつのコメントがすごく丁寧なんです。「もっと良い研究になるように」という学生への想いが感じられました。

ーーお気に入りの授業はありますか?

好きな授業は平山奈央子先生の「ファシリテーション技法・演習」です。ファシリテーションはグループディスカッションで参加者の考えを引き出したり、意見をまとめたりする役割のこと。ファシリテーターとしてのスキルを実践で学んでいきます。

授業のたびにグループメンバーを変えながら議論をおこなうので、さまざまなタイプの学生と話すことができましたし、同期との仲が深まるきっかけにもなりましたね。私はカヌー部で部長を務めていたのですが、部活内で実際に議論する時にも、授業で学んだことを活かすことができました。

進路選択を控えた高校生へメッセージ

ーーあらためて、どんな人に環境政策・計画学科をすすめたいですか?

いろいろなことに興味があって、学生生活を謳歌したい!と思っている高校生におすすめしたいです。環境問題について専門的に学べるのはもちろんですが、自分のやりたいことに自由に取り組めるので、楽しい学生生活が送れると思います。

ーー最後に高校生へ向けてメッセージをお願いします。

環境政策・計画学科は学生は穏やかで個性豊かな人が多く、サークル活動に精を出す学生も多いです。さまざまな経験を通して、将来に役立つ知識やスキルを身につけられる場所だと思います。

自分の可能性を決めつけずにさまざまなことに挑戦して、学生生活を楽しみたい!と思っている方は、ぜひ滋賀県立大学環境政策・計画学科のホームページをのぞいてみてください。

(取材:2024年2月)



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