パワハラ 被害者になって感じたこと
サラリーマンになって約10年。まさか自分がパワハラの被害を受けるとは思っても見なかった。
いや、正確に言えば、多少のパワハラなら我慢できると思っていた。ましてやパワハラ相談室なんて自分には無縁で、会社が形だけ用意したものだと考えていた、、、あの頃が懐かしい。
今、パワハラを受けて悩んでいる人、これから管理職になる人に読んでもらい、少しでも世の役に立てればと思い、パワハラ被害の内容、自分のとった対策、その後について書きます。参考になれば幸いです。
なお、今回取り上げるのはあくまで自分の体験(身バレ防止のため多少のフィクションあり)がベースとなるため、どんなケースにも当てはまるわけではないことにご注意を。
それでは実際に受けたパワハラ該当事例を紹介。あれから二年以上経ったので、事例紹介くらいはいいでしょうと自己判断。
①課員の前で大声の叱責と精神攻撃
これは精神的に一番キツかった。無断欠勤をしたわけでもない、大事な仕事の納期を守らなかったわけでもない。会社に大きな損害を与えた(与えそうな)わけでもない。私は係長の立場であり、部下があげてくる書類を手直しするのも仕事の一つ。その書類の完成度の低さが主でしたが、時間を使ってその完成度をあげて、何になるんだろうと疑問で一杯でした。
ただ怒鳴るだけで、方向性や要点の再確認などは一切できず、下手に出た質問も口答えとして処理される。
中学・高校と体育会系のパワハラ顧問(当時は認識なかったが)で多少の耐性はあると思っていたが、ダメだった。みるみる萎縮し、怒鳴られないためにはどう行動すべきか、なんてつまらないことが常に頭の中にある状態に。
②サービス残業の常態化
『仕事が終わってないのによく帰れるな!』が口癖だった元上司。本人も忙しい、忙しいと常に口にして帰宅は終電直前。
当然、部下が8時や9時に帰るなんてことは許さずに22時30分が定時。23時が合格ラインといったところ。もしそれよりも早く帰った部下(標的)がいたら、次の朝に終わってないことを激しく責め立てます。
この生活を続けていると、効率はすごく落ちます。また、①と相まって、新たなことに取り組む気力もなくなり、わずかな休日でも勉強しようなんて気持ちは起こりません。
タイムカードはそのまま出すと100時間は余裕で超え、人事部に上司が怒られる。そのため、色んな精神攻撃(仕事が終わっていないこと、残業が多いと無能にみられて仕事がなくなるだとかをネチネチと説かれる)を駆使され、40時間以下で出すよう暗に言われていました。
この状態が半年くらい続いたかな。
③異動・転職をほのめかされる
ことあるごとに言われていました。今の状態が嫌なら異動・転職しなさいと。
そしてその後に続くことばは『通用しないと思うけどねw』、『お前、この部署以外だと行き場ないし、辞めるしかないんじゃないw』など。
正常な状態で聞くと、ちゃんとした対処ができますが、この頃にはもう①の連続攻撃によりかなり落ち込んでいました。一種のマインドコントロールのようになり、自分はダメなやつだ、行き場所もないんだ、と思うようになっていきます。
と、書いていても胸くそ悪くなってくるので、まだまだありますがここらで止めておきます。暴力こそはなかったものの、とにかく精神的に追いつめられました。まれに1週間に1日程度、怒鳴られない日があるとそれだけでほっとして、良い上司かもとか思ってしまうんです。このあたりはDV被害者に共通するものがあるかもしれません。
ただ、不思議と会社にはずっと行けてましたね。死んだ魚のような目で。
そして自分がとった対策から、有効なものを以下に。
①現状を素直に吐き出せる相手に聞いてもらう
これは一番かもしれません。人間、というよりも会社に勤める人は身体的な暴力ではほとんど死にません。精神的暴力によって、最悪の場合、自らの死という選択をとってしまうのです。
そうならないためにも、まずは応急処置として毒を吐き出しましょう。絶対にこれをしてください。経験上、パワハラを受けたのに誰にも相談しないのは、大怪我の大量出血を放置しているようなものです。解決策とかそんなものはまだ要りません。現状、具体的に何で弱っているのか、どういう状態に変えたいかだけでいいです(パワハラを止めてほしい、が一番でしょうか)。
相談相手は夫、妻、親、兄弟、友人、同僚などなど、ケースバイケースです。まずはしっかりと聞いてくれる、秘密にしたいことは守ってくれる信頼関係があることが条件でしょう。
相談をする際に、弱い(正しくは弱っている)自分を認めたくない、言いたくない人もいるかもしれません。ただ、ここは大事です。辛い、しんどいと感じるのならば吐き出すことで楽になり、今の自分を少し客観的に見ることができます。頭の整理は大事です。
それでも知人への相談が嫌なら、社外の相談窓口という手もあります。
繰り返しますが、パワハラによって一旦負のスパイラルに入ると独力では出にくいです。とにかくまずは相談を。
②身体に影響が出ているのであれば病院へ
不眠、自殺願望など出ていたら①と平行して病院を探して行きましょう。私は①でだいぶん楽になりましたので行きませんでしたが、通院し、診断書をもらうことも後々大きな武器・証拠となります。
とくに不眠は1つのバロメーターです。
③会社の相談窓口へ文書で通報
今はパワハラ関連の法律も整備が進みつつあり、窓口を設けているところが多いです。できるだけ文書(メール等)で送りましょう。形に残ることが重要です。
内容としては、
・パワハラ被害の具体的内容
→5W1Hを意識し、事実ベースで書きましょう。話を盛ってしまうのは駄目です(相談窓口が後の調査時に不信感を持ちます)。特に有効なのは、大声での叱責(他者が居る前での)、過大な仕事、サービス残業・長時間労働の強要、人事権の行使を匂わせる言動など。メールで残っていれば印刷、転送しても良いでしょう。ボイスレコーダーで言質をとることもいいです(ハードル高いですが)。
できるだけ具体的に書きましょう。
・自分の状態
→診断書があれば有効な武器となります。また、ここでは素直な感情、主観的と断わったうえでの思いを出した方が効果があります。自分の精神状態は自分がよくわかっているでしょう。そのためにも前述のパワハラ内容とは分けた方がいいと思います。
・会社にどうしてほしいか
→また、どうしてほしいかも書きましょう。この段階は①とは違い、どうアクションをとってもらうか、まで来ているのです。自分が異動したい、上司を異動させてほしい、様々です。ただ、なぜ被害を受けた側が異動?と考えると、上司の異動かつ降格が適当ではと。
④面談&調査(相談窓口の)
普通であれば③の行動後、遅くとも1週間以内に相談者へのアクションがあるでしょう。
そして、相談窓口は表向きあなたの味方です。ただし、一方の情報のみで判断することは絶対にありません。そのため、最初の通報時に嘘、偽りがないことの確認や周囲の人からの聞き取りが行われます。
面談前にはもう一度、どのような被害を受けているか、それによる自分の状態、会社にとってほしいアクションを整理しましょう。なお、その上司の被害者があなた以外もいる場合、過去いた場合には必ず言いましょう。直接の証拠とはなりませんが、状況証拠に近いものとしてとして使えます。
調査する側の視点で考えれば当然で、そのパワハラが業務的な指導なのか、そうではないかの判断材料となります。
以上がおおまかな対策、すべきことです。それ以外に気を付けるべきはパワハラをしている側は素直にはその行為を認めない、ということです。なぜなら認定されれば拠り所としているパワー(権力、地位)を失ってしまうから。
それ故に自分が受けた行為の内容をしっかりと記録で残すことが大事です。また、上司が言い訳として『指導であった。彼・彼女には勤務態度に問題があった』という言い訳に対しても隙を作ってはいけません。
辛かったとしても、無断欠勤や遅刻、重大事項を報告しない、提出義務のある書類の未提出などは自分に不利となります。これらは数字や記録に残りやすいものですし。能力不足でできなかったこととはかなり異なることです。冷静に、機械的にで良いので、上記のような義務は果たしましょう。
また、自分のように長時間労働を強いられている人は必ず、遠慮せずに正確な出退勤の時間をつけましょう。強制的に消されるのであれば今はスマホもありますし、証拠は残しやすいはずです。自分は仕事ができていないし、少し休憩をとったし、などと考えて2時間、3時間と毎日残業を削ったところで、何も得るものはないです(弱っているとやりがち)。後から実はあの時の残業、と主張しても立証にはかなりの労力がかかります。
と、つらつらと書き連ねました。自分の思いが先走り、まとまっていないのはご勘弁を。今パワハラを受けてるかもしれないと思う人、辛い人は上記が参考になれば幸いです。
そして、自分は辛くなくても身近にそういう人を見かけた場合はぜひ話を聞いてあげてください。その表情をしっかりと見てあげて、助けてあげてください。
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