#136 地方議員は選べない?

「地方自治は民主主義の学校である」
しかし、過疎地域では地方自治の根幹である地方議員の選挙が成り立たなくなっている。

2023年4月の統一地方選、18日に告示された地方選挙では、定員の4126人に対し、4563人が立候補し、1250人が無投票で当選を決めた。北海道や長野県などの20の町村では候補者が定員に満たず、定員割れとなった。

本来であれば、国会議員よりもより身近な地方議員を選ぶことで民主主義を学ぶというのが地方自治の本来の姿であるはずだ。しかし、一部の地域では選択肢が極端に少なく、定員に満たなければ投票という意思表示すら行えないという自治体もある。
立候補者の所属政党や政策などを比較し、自分の意見を代弁してくれる人に投票するというのが理想的な投票の在り方のはずだが、そもそも選択肢がなければ不可能である。過疎化が進む自治体では、数百票で当選できてしまうことも珍しくない。そのような地域では、昔ながらの地縁や立候補者との個人的なつながりが選挙結果に影響を大きく与えていることが容易に想像できる。

安芸高田市の石丸市長のように、議会改革を推し進めようとする市長もいるが、立候補者18人中16人が当選する選挙では市民に選択肢はなく、議員も大きく入れ替わるということはまずない。石丸市長がやろうとしていることが良いか悪いかは別として、議会改革自体が極めて困難になっているというのが現状だ。

地方自治が民主主義の学校となる日は来るのだろうか。

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