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記事一覧
SHADOWTIMES 2013/12/19 Vol.55
Post.27
「伊勢のあまちゃん」 勝又公仁彦冬は大気がよく澄み天体観測に適した季節である。先週末に極大日を迎えたふたご座流星群や先月のしし座流星群などを寒空の中眺めたことがある方も多いだろう。
この冬はそれら毎年の流星群に加えてアイソン彗星が現れるということもあり、コンビニのレジにも観測グッズが置かれるなど密かに盛り上がろうとしていた。ところが11月30日に太陽の近くで崩壊してしまったこと
SHADOWTIMES 2013/12/12 Vol.54
《shadowtimes》 Post.27
「絵馬の起源」港千尋恵比寿にあるG/P Galleryで先週から始まっている個展は、今年制作した新作もふくめ、未発表の作品で構成している。STにも登場していただいた天野裕子さん、オーナーの後藤繁雄さんとのトークがきっかけになって実現した、しばらくぶりの個展である。
企画段階でATLASというタイトルはどうですか、と後藤さんから聞かれた。旅の多い身には、
SHADOWTIMES 2013/11/28 Vol.52
《shadowtimes》 Post.26
「パラジャーノフの家」港千尋黒海とカスピ海の間、いわゆるコーカサス地方にあるアルメニアは、日本と同じく地震国である。1988年12月の大地震では2万5千人もの犠牲者とともに、多くの町が全壊したが、それでもなお古い文化を色濃く残している魅力的な国である。
その国名をはじめて耳にしたのは、学生時代に見た一本の映画『ざくろの色』だった。
六本木のWAVEだ
SHADOWTIMES 2013/11/21 Vol.51
Post.25
「ヨセミテのローンレンジャー」 勝又公仁彦今年公開された映画「ローンレンジャー」は、サンフランシスコへの大陸横断鉄道の敷設が物語の背景となっていた。それはまさに前回のスタンフォードの事業を思わせるものだ。
スタンフォードが、という意味ではないが、映画と同様にその時代には先住民への搾取や虐殺がそこここで行われていた。スタンフォード大学のあるパロ・アルトからロスアルトスに抜ける幹
SHADOWTIMES 2013/11/14 Vol.50
《shadowtimes》 Post.25
「写真の秋」港千尋11月のローマは霜が降りてもおかしくない時期なのに、今年は半袖姿も目に付くほど暖かい。ちょうどローマ国際映画祭が始まったところで、なんとなく華やいだ雰囲気。
ローマの休日と行きたいところだが、来年1月に予定しているコンベンションの準備で、ゆっくり映画館に入る余裕がない。フェリーニ、ベルトルッチ、パゾリーニ、ナンニ・モレッティ…とローマ
SHADOWTIMES 2013/10/24 Vol.48
《shadowtimes》 Post.24
「文字と写真」港千尋今月、『100年目の書体づくり』という本が出た。大日本印刷のオリジナル書体である、秀英体がその誕生から100年目に改刻された記念出版である。
改刻とは、あまり聞きなれない言葉かもしれないが、ひとつの書体のデザインを全面的に改めることを意味する。「刻」が示すのは、もともと活字は金属に刻まれて作られたという歴史だ。「平成の大改刻」と呼ば
SHADOWTIMES 2013/10/03 Vol.45
Post.22
「二つのアート」 勝又公仁彦「風景考 モンゴル展」のレセプションを終えた翌日、我々はまだ日も上がらない早朝、ウランバートルのチンギスハーン空港へ向かった。南ゴビへと飛ぶためである。
プロペラ機はウルム(南)ゴビ県の県都ダランザドガドの空港に到る。正面には駱駝の狛犬が置かれ、中華圏とは多少違うエリアであることを思わせる。空港から少し離れてダランザドガドの街がある。人口は 1~2
SHADOWTIMES 2013/09/26 Vol.44
《shadowtimes》 Post.22
「時代とモノサシ」港千尋先日東京で、インド、韓国、中国などのキュレーターを対象にレクチャーをする機会があった。国際交流基金の招きで日本を訪れている、ギャラリーや美術館の若手キュレーターたちである。美術に触れるにはいちばんいい季節だ、きっと多くの発見があるだろう。
ひとしきり写真について話をした後、「漠然としていますが」と前置きして、誰かが撮影した写真を
SHADOWTIMES 2013/09/19 Vol.43
Post.21
「2つのフォーカス」 勝又公仁彦前回、ピントなどが後から自在に変えられる新時代のカメラとしてライトフィールドカメラの仕組みをご紹介した。紹介しておいて何だが、このような発明と実用化は素晴らしいと思う反面、長年写真を撮ってきた者としてはいささか居心地が悪いというか、違和感を拭い切れない。
“触知論” 「2013年8月25日神奈川県横浜市」
(暗い、というだけでピントが合っている
SHADOWTIMES 2013/09/05 Vol.41
Post.20
「既にある未知のフィールドへ」 勝又公仁彦このところ呪術的な話が続いた。そろそろ科学の話題を入れてバランスをとろうと思っていたところ、港さんがアラゴのことを書いて下さった。ダゲールが発明し、アラゴが発表したダゲレオタイプは、光学的な現象を化学的な処理により定着する技術だった。これは現在のフィルムカメラに受け継がれている。
一方デジタルカメラでは、光学的な入力は変わらないものの
SHADOWTIMES 2013/08/22 Vol.40
《shadowtimes》 Post.20
「夏の子午線」港千尋夏至の祭りは世界中にあるが、8月の太陽を愛でる地域はどれだけあるのだろう。猛暑の続く日本では北海道くらいだろうか。だが今月の太陽は写真の始まりにすこし関係がある。写真術は、1839年にフランスのアカデミーがその発明を公式に認めた日を、誕生の日としている。8月19日のことである。
SHADOWTIMES 2013/08/15 Vol.39
Post.19
「永遠の残響」 勝又公仁彦前回は、エリアーデのシャーマニズムの岡本太郎への影響などについて、最近の考古発掘物などとの関係で述べた。シャーマンがどれだけ認知されているかはわからない。インチキ祈祷師と思っている方もいるだろうし、実際その能力に疑問符がつく者もいることだろう。
現代の日本におけるシャーマンというと、南西諸島におけるユタやノロを想起するが、より一般的には東北のイタコを