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映画ルパン対複製人間

これは公開当時にすごい話題になった、ルパン三世(第2シーズン)その人気のあまり実に3年間も放送され、日本中のアニメスタジオで製作に関わってない所はないと言われている。ジャン・ポール・ベルモンド風の怪盗ルパン三世が世界狭しと毎回大暴れ(実際シナリオは古い名画やアメリカのB級映画の焼き回しが多かった)するのである、しかも、ちょっとエッチ。これがつまらないハズがない。

そのルパン三世が映画化されることとなった。
日本テレビでは公開前特番を製作し、主演の山田康夫や納谷悟朗、小林清志に井上真樹夫に増山江威子ら主演キャストが実写でテレビに登場し、前半は映画のハイライト、後半は特設スタジオで子供たちと戯れるという訳の分からない構成であった。以下は実際に見てみたところの感想。

当時最新の科学であったクローン人間がモチーフでやはり細心であったレーザー光線なんかが登場して「新しいモノを見せられてる」と感じたのだが、監督とキャラクターデザインが第1シーズンに関わった吉川惣司氏なので絵柄が古いなぁ・・・と子供心に思った。カリオストロの城の時は「絵は綺麗なんだけど、話が古臭いなぁ・・・」と素直に思った。子供とは偉い者だ、間違ってないぞ。

三波春夫、梶原一騎、赤塚不二夫が特別出演しているが、当時は意外にも不自然さはなかった。三波春夫と赤塚不二夫はタレントとして頻繁にテレビに出演していたのでセリフが棒読みというか「まあまあ」と感じていた。
なぜ赤塚不二夫がゲスト出演したのかと言うと本作の数年前に制作された「ルパン三世念力珍作戦」に赤塚がギャグ監修として参加したのだが今ひとつであったので本作に出演することと相なったという噂である、真相は知らない。一方、梶原一騎は東京ムービーの藤岡豊氏と懇意で後に三共映画なる空手映画と純愛映画を得意とするという実に奇妙な映画会社を設立している程で引っ張られたのだろう。

子供ながらにコーフンしたのが初っ端から大胆なヌードを披露し、作中もレザーのボディスーツを着て、ほぼ全編裸の峰不二子だ。テレビではいささか頭が足りないところがあるのだが、映画では一枚も二枚も上手だ。主演のルパンは無個性なのだ。一番個性的なキャラクターが当時は悪役俳優だった西村晃が演じたマモーだろう。子供の様に小柄な身体、銀のロングヘアー、大きい目に深く刻まれた皺、勿体つけて芝居がかった台詞回し・・・画面に釘付けである。レーザー光線を受けて断末魔のマモーは怖かった、今dアニメで見ても充分に怖い。不二子のおっぱいボタンとマモーの正体以外何も残らないのがこの映画のすごいところ。

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