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9割が迷走するDX成功の鍵は「ボトルネックの解消」だ!

DXを進める企業の9割は迷走している」―そう語るのは、日本のDXの第一人者である鈴木康弘氏(株式会社デジタルシフトウェーブ 代表取締役社長)です。
30年以上、IT・デジタルビジネスに携わり、ソフトバンク、セブン&アイHD等でデジタル変革を推進してきた鈴木氏は、企業がDXを進めるための鍵となるのは「デジタル」ではなく「ヒト」であり、またその中でも「ボトルネックを解消すること」が大事と解説しています。

DXの本質を知ることから

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「DX(Digital Transformation)」とは何か?その本質を理解することが、DXを正しく進めるための第一歩です。「デジタルシフト」=「DX」ではありません。

「デジタルシフト」は既存のアナログ業務をデジタル化することであり、「DX」はデジタル化によって、ビジネスモデルや人々の生活を変革すること、既存のビジネスや業務を変革し、新しいビジネスに生まれ変わらせることを意味します。

一般的に、デジタル改革による企業の売上の向上は5~10%、生産性向上によるコスト削減効果は10~15%と言われてきましたが、コロナ禍でデジタルを活用して大きく成長した企業も少なくありません。

ある企業ではEコマース(ネットショッピング)の売上がコロナ禍でも50%以上の高い伸びを示し、また別の企業では、社内コミュニケーションのデジタル化をはかることで、会議や出張が劇的に減り、販管費を10%近く削減しています。

企業がDXを「正しいやり方」で進めれば、着実に大きな成長が見込めるのです。しかし、DXに取り組む企業の多くが思うような成果が出せずにいます。一体なぜでしょうか?

DXがうまく進まない企業によく見られる事象として、経営者の掛け声ばかりで担当者が不在、専任部門を新設してもノウハウ不足が不足している、社内の一部の人が盛り上がるだけで全社に拡がらない等があります。

経営者も従業員もDXが必要だとわかっていても、どこか「他人任せ」で、それがデジタル化に積極的な人と、消極的な人の間に格差を生み出しています。社内の人々の「現状を変えたくない」という心理的抵抗も、企業のDX変革を阻む大きな壁となっています。

成功=ヒト×DXを実現する

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企業のDXを成功に導くためには5つのステップがあります。

①経営者が決意する 
②デジタル推進体制を構築する 
③未来を創造して業務を改革する 
④自社でITをコントロールする 
⑤変革を定着させ加速させる
 です。

経営者は、時代が変化していることを認識し、率先垂範で行動し、全社を巻きこんで変革していくと覚悟を決め、あきらめない心を持ち続けねばなりません。

DXの神髄は「業務改革」に他なりません。企業のDXプロジェクトでは、今、社内にある業務フローを洗い出して業務をガラス張りにし、全体を俯瞰して課題を整理し、デジタルでそれを解決していきます。

業務のやり方を少し変える「業務改善」ではなく、過去に囚われずに未来のあるべき姿を目指して業務を組み立て直すのが「業務改革」です。

会社のDXを進めるために、DX人材も必要ですが、エンジニアやマーケターを採用しても、それだけではうまくいきません。今、社内にいる人材をDX人材として育成していくことが、本当の近道であり現実的な解決方法です。

DXを推進する人材に必要なスキルとして、企業のビジネスモデルをゼロベースで再構築する「企業変革スキル」業務を体系的に整理し、課題を明確化させ、時流に合った対応策を考え改革する「業務改革スキル」企業で稼働しているシステムを体系的に整理し、業務改革と連動しながら構築する「システム構築スキル」があります。

しかし、これらを兼ね備えた人材はなかなかいませんので、外部の力を借りながら社内で育成していきましょう。

適性があるのは、リーダーシップとコミュニケーション力が高い人材、もしくはその素養がある人材です。DXプロジェクトに関わった社員たちは、全社を意識した意識・行動になり、会社の未来を担う人材に育つに違いありません。

自社でシステムをコントロールする

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2010年代から、企業でSaaS(Software as a Service:クラウドで提供される業務クラウドサービス)が使われ始め、システムは「所有するもの」から「利用するもの」へ変わりました。

SaaSは、必要なときに、必要な分だけ使え、バージョンアップによって様々な新しい機能が利用できるため、コストも開発期間もケタ違いに小さくなります。

例えるなら、水を得るために、昔は自分で井戸を掘らねばならなかったのが、今は水道が整備されて蛇口をひねるだけで良くなったようなものです。

日本では今、多くのSaaSがリリースされています。そこから自社に必要なものを見きわめるためには、自社のシステム全体を「見える化」して仮題を明確にしなければなりません。そしてこれからのシステム導入は「クラウドファースト」、カスタマイズしないことが大前提になります。

自社の業務に合わせたシステムをつくるのとは違い、業務をシステムに合わせることを目指していくのです。

今までシステムの開発・運用を社外の専門会社に任せていた会社も、今後は自社でITをマネジメントしていくことが求められます。

ボトルネックとなる人材にはしっかり対処せよ

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そのようなDXを進めていくうえで、どのような局面でも実は大きな阻害要因になるのが「頑固に抵抗する人」です。DX導入の段階でも、少しずつ進んでいくタイミングでも「これまでのやり方は変えられない」「新しいことはよくわからない」と対応を拒否する人はいます。

そのような人が社内で影響力のある存在だったりすると、それに同調する人が出てきたりして、DXが頓挫する。実際に現場でよく起きていることです。

そのような人に対して「彼(彼女)は会社への貢献度も高いから」「年次も上だし」と、ついそのような姿勢を容認してしまいがちなのですが、業務への姿勢とDXへの抵抗は別です。

その人のデジタルへの習熟具合が会社全体のDX進捗を左右する、完全にボトルネックの存在になってしまいます。

鈴木氏は「ボトルネックとなる存在を見捨てないことが大事」と言います。できない、やらない人に対してはしっかり向き合い「できない」のであれば何ができない、わからないかを確認し、わかる、できるようになるまでしっかりサポートします。

そもそも変える意思がない人には、これが会社の新しい方針なのだから、対応することが社員の義務であり、業務命令であることを理解してもらい、それでも変わらないという場合は異動、配置転換なども視野に入れて対応することが重要です。

ボトルネック解消は、DX推進で最も重視したいことの1つです。

DXがもたらす新しい社会常識

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DXは日本が直面している課題「持続可能な社会の実現」と「超高齢化社会の到来」とも密接な関係を持っています。ネットを活用したリユース、リモートによる人の移動を減らすことで化学燃料の使用が削減できますし、人生100年時代に高齢者が働く上でリモートやネットによる情報収集は欠かせません。

DXがもたらす4つの変化として

①ハイブリッドワーキングの開始(リモートワークを進化させ、リアルとネットの長所を活かした働き方)
②デジタル生産性の向上(リモートワークやAIなどの活用、最適化による生産性向上)
③「優秀な人材」の定義の変化(DXにより「マルチスキル人材が求められる」
④共創による新しい価値創造(既存の業界や組織の壁が壊され、あらゆる分野がつながり新しい価値が生まれる)
があります。

デジタル化によって、人々は国や地域、業界、企業などのあらゆる既存の壁を超えて協調し、時には衝突しながら新しい価値を生み出す「共創の時代」へと変わることでしょう。

積極的に外の人たちと協調して新しい価値の創造に取り組んでいけば新しいチャンスに恵まれるはずです。

― 鈴木康弘氏の著書『成功=ヒト×DX デジタル初心者のためのDX企業変革の教科書』(プレジデント社)では、この他にも、デジタル推進体制の構築方法や全社にDXを浸透・定着させる方法等を詳しく解説しています。

「ボトルネックを解消する」ためのセミナーのご案内

2022年6月24日(金)に鈴木康弘氏の登壇するセミナーが開催されます。ゲストにゴールドラット ジャパン CEO である岸良氏を迎え、「DXを成功させるTOC理論」をテーマに議論します。

Amazon創業者 ジェフ・ベゾスも経営陣と読んだ、国内シリーズ累計125万部、全世界で1000万人以上が読んだ大ベストセラービジネス小説『ザ・ゴール』。著者であるゴールドラット博士が名付けた生産管理の手法、TOC理論(制約理論)に焦点をあて、実践に向けてどう行動していくべきかを熱く議論します。

TOC理論を一言でいえば「ボトルネックの解消」人材以外にも発生する、様々なゴールの阻害要因をどのように排除するか?の観点は重要です。

TOC理論は製造業にとどまらずあらゆるビジネスで応用できるものであるため、業種問わず企業で働く方にとって必見の内容となってます。

【是非、視聴いただきたい方】

  • TOCについて学びたい方

  • DXを進めたい企業の方

  • その他、DXに携わるお仕事をされている方

本セミナーでは、DX実践者の話が聞けるだけでなく、気軽に質問もできるので、ビジネスのヒントを得ることができます!

本イベントの参加には、事前申し込みが必要です

申し込みはこちらより承っております。ご登録後、ウェビナー参加に関する確認メールが届きます。

【開催日程】

2022年6月24日(金)16:00~17:30

【開催方法】

オンライン開催

詳細はこちら

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