【社内独立のススメ】残業ゼロの仕事術〜思考整理編〜
「社内独立」という言葉の意味については以前の記事で説明しているのでそちらを見ていただきたい。
まぁ簡単に言えば、「フリーランス思考で会社員をする」という感じだ。
今回は業務効率化の中でも、突発的な対応や単発業務に有効な思考整理術について話そうと思う。
なお、定期的に発生する業務の効率化についてはこちらの記事を参考にしていただければ幸いだ。
◆脳みそはまな板である
「いきなり何言ってんだこいつ」というのは少し待っていただきたい。
これはボクの思考整理術の根本となる考え方なのだ。
決して「まな板みたいにシワひとつ無いツルツルな脳みそ」という意味ではない。
話は変わるが、あなたは普段自炊をするだろうか。
ボクも一人暮らしを始めて2〜3年は自炊をしていたが、キッチンスペースが狭くて料理はなかなか大変だった。
例えば野菜炒めを作るとき。
まずにんじんをまな板で切って火にかけたフライパンに投入する。
次に玉ねぎを切るが、今フライパンに入れると焦げるので一旦ザルに逃がす。
そして肉を切るが、これも野菜と一緒に炒めると火が通りすぎてしまったりするので逃がしたい。
しかしもうザルが無いので一旦まな板の端にどけて、残ったスペースでキャベツを切ったりする。
こうなるとまぁキャベツが切りづらい。
狭いスペースで作業するせいでまな板が半分シンクにはみ出していたりするので、バランスを崩すと肉なりキャベツなりがシンクに落ちる。
仕方がないので玉ねぎをフライパンに入れるまで作業を止めたりする。
この話で何が言いたいのかというと、要するに「まな板に他のものが載った状態だと作業効率が悪い」ということだ。
IT系の方ならまな板のかわりにCPUのメモリだと思ってもらっても良い。
実際の仕事中だと、上司が席を外しているときに電話なり社内の人なりに上司への言伝を頼まれることがある。
ここで「簡単な内容だし、覚えておけばいいか」と安易に考えると、大体以下の2つのどちらかの結果になる。
つまりこれが「まな板に他のものが載った状態で作業をする」ということだ。
その上、「まな板から落ちる=忘れる」となってしまう場合がある。
そして、まな板から落ちなかったとしても作業効率は確実に落ちる。
なので、まずは根本の考え方として、
ということを覚えておいていただきたい。
ではこれを踏まえてどうするのか、ということを話していこう。
◆伝言メモを作る
先ほど言伝を受けた事例を出したので、まずはその対処から説明しよう。
簡単な話だが、伝言があるならメモしてしまえば良い。
どんなに簡単な内容でも自分で覚えておくのは効率が悪いのだ。
ただ、ここでついつい思ってしまうのが「メモを書くのが面倒」ということだ。
「誰から」「いつ」「どんな内容を受けたか」を書かなくてはいけないので、簡単な内容であるほど「だったら直接言った方が早い」となってしまう。
その対処法として、ボクは「伝言メモ用紙」を作っている。
形式としてはこんな感じだ。
ボクはこの形式をA4用紙6枚切りのサイズで作り、手元のメモ用紙と一緒にクリップしている。
こうしてフォーマットを作ってしまうことで詳細を書く手間を減らすことができる。
あとはこれを上司のデスクに置いたらもう伝言のことは忘れてしまう。
そうすることで自分の仕事に集中できる環境を作るのだ。
ちなみに、このフォーマットは職場の方が作っていたものを真似させてもらった。
周りを見渡してみると、各々それぞれ工夫していることに気づけるだろう。
◆メモ帳、ふせんを活用する
ボクは「その日のうちに終わらせられる単発の仕事」は手元のメモ帳に書き留め、終わったら射線を引いて消すようにしている。
なので、メモ帳に消されていない書き込みが残っていたらやり残しがあるということが分かる。
そして、翌日以降まで引っ張る仕事についてはPCの「ふせん機能」を使ってメモしている。
このふせん機能、案外知らない人が多いのだがなかなかに使い勝手が良い。
デスクトップ画面上に、それこそふせんを貼っているようにメモを表示できるのだ。
そして、画面下のツールバー上から表示/非表示を切り替えられる。
なので必要が無いときには非表示にしておき、確認するときだけ表示するといった使い方ができる。
このふせん機能、ボクは画面上に5〜6枚ほど貼っている。
それぞれの内容はこんな感じだ。
こういった、「たまに必要でパッと見たい情報」を書くようにしている。
◆「保留ファイル」をつくる
ボクの職場、業界はどちらかといえばIT化が遅れているので、まだまだFAXが主力だ。
届いたFAXについては一旦デスクの端に置いておき、処理が終わったものから決まったところにファイルするなり捨てるなりしている。
しかし、問い合わせを入れて回答を待たなければいけないなど、その日のうちに処理が終わらないものがある。
ボクはそういったFAXなり書類なりを入れておく「保留ファイル」を作っている。
この「保留ファイル」に入れているのは、あくまで「自分が今できる処理は終わったもの」だ。
自分がまだやらなければいけないことがあるなら、それは未処理であって保留ではない。
なので、「保留ファイル」に入れているものは基本的に折り返し待ちなので、ファイルに入れた時点で忘れるようにしている。
そして、少なくとも1日に1度はこの「保留ファイル」の中を見返す。
折り返し予定を過ぎていたり、あまりに時間が経っているものは再度問い合わせを入れる。
こうすることで脳内スペースを確保するとともに、処理漏れを避けることができるのだ。
◆5分でできる仕事は先にやる
「仕事管理編」の記事で書いたが、基本的には1つの業務に集中した方が効率が良い。
なので、何かの業務に手をつけたらそれが終わるまで他のことはしない。
しかし、必ずしもそうできないこともある。
例えば上司から急に仕事を振られたり、電話で問い合わせが来たりした場合だ。
こう言った場合、ボクは2つの指標から処理する順番を決めている。
それが「緊急度」と「5分で終わるかどうか」だ。
まず「緊急度」。
これが今行なっている仕事より高い場合は効率が悪かろうと優先せざるを得ない。
なので、仕事を振られた際にまず「いつまでに終わらせれば良いか」を確認する。
そして、内容からおおよその作業時間を概算する。
その上で、今の仕事が終わった後に取り掛かっても間に合うようであれば後回しにする。
つぎに「5分で終わるかどうか」。
先ほども述べた通り、1つの業務は集中して終わらせた方が良い。
しかし、電話などで問い合わせを受けた場合、どちらにしても一旦中断した状態になっている。
その上で問い合わせを保留にして後で折り返しをするより、その場で片付けてしまった方が早い場合がある。
ボクはここで「5分で終わるかどうか」を一つの判断基準にしている。
ざっと内容を聞いて、5分以上かかりそう、もしくはかかる時間が読めない場合にはメールやFAXを入れてもらうなり折り返しをするなりで後回しにする。
5分で終わるような内容であれば、後でわざわざ内容を思い出したり電話を掛け直したりするほうが手間なのだ。
そして「保留にしていることがある」という意識自体、作業効率を落とす原因にもなる。
これは溜まっている仕事の優先順位付けにも適用される。
「重要度の高い30分の仕事」1つと「5分で終わる仕事」3つがあった場合、ボクはだいたい「5分で終わる仕事」3つを先に片付ける。
溜まっている仕事の数を減らすことで、残った仕事に集中できる環境を作るのだ。
これは最初に書いた「脳みそはまな板である」という考え方に基づいている。
何か作業をするにあたって、まな板の上がごちゃついていると非常に作業効率が悪くなる。
なので、まずはさっさと片付けられるものから処理することでまな板の上をキレイな状態に持っていくのだ。
◆思考もやはり1に整理、2に整理
「仕事管理編」で業務効率化には整理が重要ということを書いたが、思考の管理も結局は同じだ。
自分の思考スペースは限られている。
そのスペースを有効に使うためには、メモやファイルを活用して外部に出力することでなるべく「覚えておく」という無駄なスペースを減らすことが重要なのだ。
料理教室など調理スペースや機材がふんだんに使える環境であれば、切った食材はそれぞれ別のボウルに入れたりしてまな板の上は空っぽにしておくだろう。
そのための「食材を入れるボウル」をどれだけ用意できるかが思考整理の上で工夫するポイントなのだ。
ボクは新入社員時代、ある作業中に他のことを頼まれるとそれまでしていた作業を中断して取り掛かり、結果それまでやっていた仕事をすっぽかすなんてことを頻繁にしていた。
その度に「もっと頑張らないと」なんて自分を責めていたものだ。
しかし、大事なのは「頑張ること」ではなく「頑張らなくても管理できる仕組み」なのだ。
仕事では「過程の努力」は見られない。
必要なのは「完成品の品質」だ。
そのために、「頑張らずに質を上げるにはどうするかを頑張って考える」習慣をつけることをオススメする。
この記事があなたの仕事の負担を減らす助けになれば幸いだ。
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