むかしむかしのその昔⑰ 映画「小さな恋のメロディ」
昨日、テレビで映画「小さな恋のメロディ」を見た。
この作品は私が中学生になり、初めて友だちと見にいった映画だった。
ストーリーは単純で、他愛のないもの。場面場面をおぼえてはいるものの、
心をゆさぶられる、というほどでもない。
ネットで公開時の評や影響を見ると、イギリス・アメリカではヒットせず、日本では『小さな恋のメロディ』というタイトルによって大ヒットしたと出ていたので驚いた。
マーク・レスター11歳、トレーシー・ハイド10歳。まだ幼いふたりが、おとなの様子や、学校生活、お互いに好きだという気持ちなど、いろいろなことを感じ、考え、行動する話。まだまだいたずらもするし、楽しいことがやりたい年頃。おとなしい性格のダニエル(マーク・レスター)が、一緒にいたいからとメロディ(トレーシー・ハイド)と学校をさぼって海に行く。
翌日、学校でみんなに冷やかされ、ダニエルは親友のトム(ジャック・ワイルド)と殴り合うシーン。でも、それほど真剣に「結婚したい(=一緒にいたい)」二人をクラスのみんなが祝福するため、授業をボイコットして二人の結婚式をする、というお話。
映画で流れる曲のほとんどがビージーズのもので、楽しい日常や心の動きを表すシーンにもぴったりの曲だった。
当時、中学生だった私にはまだわからなかったイギリスの階級格差がそこにはあって、ダニエルの母は労働階級の人たちを馬鹿にしているようだったし、トムはダニエルの家のことを「違う世界」だと表現していた。10歳やそこらでも、みなそんな雰囲気がわかっている。でも、まだこの年頃だからこそ、階級など関係なく仲良くなり、一緒になって悪ふざけし、冒険し、先生たちにも挑むといった爽快感があった。今になってよく確認してみると、「小さな恋のメロディ」は、ロマンティック・コメディ映画なんだって。
信じたくないけど52年前の映画だそうで、本当にむかしむかしのその昔のお話でした(笑)。