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むかしむかしのその昔⑲永遠を誓わない、だらしのない愛

8月になって「虎に翼」を見ていたら、
  ”永遠を誓わない、だらしのない愛” というフレーズに出会った。
「あ、私たちと同じだ(笑)」、とすぐに思った。

36年前、私はNYのブルックリンの教会で結婚式をした。
私たちはNYに住んでいたわけではなく、
私が休暇をとって遊びに行ったついでに式をあげた。

ブルックリンに住んでいる友人に頼んで、
式をあげられる教会を紹介してもらい、
事前に打ち合わせなどをして式に臨んだ。
出席者は結婚する2人を含めて11人。
それでも、荘厳なパイプオルガンの演奏でヴァージンロードを歩き、
前の晩に英語のテストの一夜漬けのようにおぼえた誓約を唱えた。
式を終えて、ほっとしていた私は、一つだけ気になることがあった。

それは式のときの司祭の服装だった。
「もしやカソリック?」
もしもカソリックだったとしたら、私たち離婚できないかも?

私の不安に応えて、式に参加した友人が教えてくれた。
「ここはカソリックじゃないわよ。ヘンリー8世の離婚問題をきっかけにできた宗派だから、大丈夫」
そういえば、私たちはクリスチャンじゃないけど
式をするのを認めてくれたし、カソリックのわけないか(笑)。

で、私たちは式を挙げたばかりだったのに
2人そろって「よかったー」と胸をなでおろした。
「すこやかなるときも、病めるときも……」といいながら
「イヤになったらやめてもいいよね!」と
お互いに ”永遠を誓わない、だらしのない愛” によって結ばれたのだった。

だから、トラつばで  ”永遠を誓わない、だらしのない愛”  が出たときに
思わず、「いっしょだぁ」とほくそえんだ。
そして、私たちはそのだらしない愛を ”だらだらと” つづけ、
現在にいたっている。



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