なぜ僕は高校同期女子と飲んでイライラしてしまったのか

前置き(基本データ)

高校同期女子
お互い1996年生まれ

12月に8年ぶりに飲んだ回が面白かったため今回再び飲む

顔(アジアン的な特徴を強調する化粧、独特の演技かかった表情の作り方)と話し方(立ち居振る舞い、話相手である僕に対するスタンス)が完全にポカ◯ンタス女子
わからない人はポカホ◯タス女子でググってほしい、最初に出てくる人が僕がこの間飲んだ女の子である(以下、ポカ。書き手である僕はしゃふ)


ステップ1.まずはとりあえず面白おかしくポカの悪口を書きまくる

イライラした理由1.「なんで?」の多用

文脈上特に理由が気にならない(と僕は思う)ところで「なんで?」と聞かれる

 ex)話の最初の言い出しで「なんで?」と聞かれる

(話の腰を折る相槌、これは俺も軽くいなして話し続ければよかった)

感情をそのまま表現したところに繰り返し「なんで?」と聞かれる

 ex)〜があって、イライラした→「なんで?」→〜があって、不安に思った→「なんで?」

(いや、それは〜があったからでは? もっと感情を掘り下げたいのなら、その3文字を食い気味で尋ねるより他の聞き方はないのか?)

(2回3回くらいなら自分の感情言語化の壁打ちになるのでいいなと思ったのだが、飲みの間俺が話すと基本的にこれだったので流石にイラついた)

イライラした理由2.例え話や仮定の話などにおける、前提の否定

 しゃふ「例えば、ある目標に向かうと別の目標からは遠ざかる状況があると思うんよ」

 ポカ「なんで? 私は叶えたいと思ったことは全部叶えてきたから、わからない。」

(そしたらもう会話にならない)

イライラした理由3.愚痴を引き出しておいて自分は安全圏から正論

 愚痴を振られる → 十八番の、仕事出来ないおばちゃんの話(いつかどこかで別添)

 → ポカ「そういう人も含めてみんなが快適な状態で仕事が回るようにするべき。どうしても回らないとしたら、それはその人を雇った組織が悪い」

 (それはこの話の答えなので、もう終了するしかない)

 そうだよねで終わらせる → ポカ「納得してないでしょ?」

 (その探りを入れ始めたら、解決策だけ言ってドヤるおじさんよりもタチ悪い)

 (ただこれは、愚痴を振られたのを間に受けておばちゃんの話をしたしゃふもかなり悪い。こうなることは大体分かってたのになぜ話したのか。)

イライラした理由4.自分が理由や詳細を突っ込まれると勢いで誤魔化す

 上のおばちゃんの話の解決策? 気持ちに寄り添った対処法? を考えてくれたらしく、

 ポカ「そうだなあ、例えば、しゃふは自分が置かれている状況を分かってる?」 → 何の状況?

 →ポカ「全部。」 → 全部って具体的には?

 →ポカ「うーん。もう全部よ。全部。」 → 質問の意図が分からないな。

 →ポカ「そっか、分かってないんだね。じゃあ、(状況が)分かってないってことだから、〜」

 (これで腹立たないやつおるんか。分かってないやつも含めてみんなが快適な状態で飲みが回るようにしてみろよ馬鹿が)


ステップ2.真面目に、自省を始める

イライラした理由5.圧倒的自信、さまざまな種類の自信にあてられたから

 ・根拠の無い自信

 ・5年スパンで立てた目標に必ず到達できるという自信

 ・これまで叶えられなかった目標は無かったと言い切れる自信(事実はどうでもいい、この主観が羨ましい)

 ・そもそも、立てた長期の目標が必ず正しいものであるという自信

 ・ここまで強烈な自己を貫きながら、「様々な人と話して、色々な価値観を取り込んだ」と堂々と言い張れる自信

 ・こういうのを中2から貫いていたらしい

 ・彼女も言っていたが、これはかなり強烈な自己洗脳であり、辿り着いた先の自分が幸せであることに疑いを持たず、そもそも、過去に目指した理想の自分に今この瞬間辿り着いているのだ! 自分偉い! と言う思い込みが常時はたらくっぽかった。

イライラした理由6.その自信を羨ましがったから

 ・その思想で軸が一本定まってブレないことを羨ましいと思った

 ・何もしたい事がなく、守るべき暮らしもなく、大事にしたいものも決まっていない自分と比べてしまった

 ・目標を定める事、そこに全力で向かうことを全くリスクともコストとも思っていない

 ・そもそも目標(やりたいこと)が自然と浮かんでくるのが羨ましいと言うのがある

 ・ある目標に向かうと(そこに労力を割いてしまうから)他の目標からは遠ざかる → じゃあ全部やればいいのでは?

  これはまだ分かる、十分すごいけど

 ・ある目標に向かうとその性質上他の目標が困難になる → それでも私はどちらもやりたいと思ってしまったら絶対に全部叶える 

  これは負けたと思った、そこまでエゴイズムの熱量は出せないなあ、それじゃあもう勝ちよなと思った

 ・出産が無い男に生まれた俺のほうがこの体たらくなのが情けなく思った(あんまりそういう話題無かったけど、↑はかなり出産を意識した発言だったように聞こえた)

イライラした理由7.思考の言語化を諦めた自分への怒り

 ・イライラに身を任せて、最後に黙り込んでしまった

 ・どんなにイライラしてもその感情と向き合いながら自分なりの言語化を止めるべきでは無かった

 ・それで説得できない、あるいは自分の納得する言葉が出てこないのであればそれは(おそらく単なる知識ではなく、感情とか信念とか生き方とかの)インプット及びアウトプット不足であり、端的に言って人生経験の無さなのだ

 ・人生経験の無さが悔しかったが、あったまりながらも自分の醜さを自覚しながら喋り続けるべきだった


ステップ3.次からどうするのか考える

1.自分の話を聞いてくれる普段付き合ってくれている友人に感謝して、大切に付き合う

 ・自分の話を色眼鏡無しで(あるいは自分と似たような色眼鏡をかけて)聞いてくれる人は貴重

 ・自分も彼らの話を聞くようにする

 ・彼らに甘えすぎることもしない。甘えることは、大切に付き合うこととは違う

2.あんまり自分の話を聞いてくれない人とも定期的に会って、インプットとアウトプットの練習

 ・今回みたいに、自分の話を聞いてくれない人とも定期的に話す

 ・感情整理、壁打ち、自分語りを押し付けるのでもいいので、とにかく話す

 ・たくさん違う価値観を受け取り、それに屁理屈でもいいので反論を試みてみる

 ・エコーチェンバーの中にいる時は中で響く声を疑い続けるが、エコーチェンバーの外にいるときは覚えた拙い声をとにかく出す

 ・恥ずかしい思いをして勉強とか感情整理のモチベーションにする(ケイスケホンダのビックマウスに近い目標の置き方だと思う)

3.書くことも続ける

 ・結局自分が一番好きで得意なアウトプットが書くことなのでそれは続ける

 ・1人でいるときのモヤモヤを酒や食べ物、性欲にぶつけることをせず、書く

 ・人のフレーズをパクってもいいが、自分の中で同じフレーズをなるべく使わないようにする(なんで? だから何? の繰り返しで感情を細分化する)

 ・芥川賞を毎月獲る(これは本当なのだが、今のところ2ヶ月連続で受賞中)

4.イライラしたら運動する、新しいことをする

 ・1人で酒を飲んで脳を縮めることをしたり、生まれ持った特性的な行動を取ること無く、走ったり、新しい店に行ったりして刺激を与える

 ・知ってる娯楽に逃げても、その恨みが解消されることは少ない

 ・知ってる娯楽をやるんだったら、1日ぶっ通しとかでめちゃめちゃ集中して疲れるほどやる

 ・新しい人と会うのもありかもしれない


最後に(全く関係ない、ここ3年の自分自身の小噺)

ここからは本当に関係ない、自分の苛立ちの源みたいなのを考える際にふと出てきた小噺である。


3年前、コービーブライアントというバスケットボール選手が不慮の事故でこの世を去った。僕はそれまで、プロバスケリーグのことを詳しく知らないただの引きこもりで、ただ病んでいて、ただのニート予備軍だった。そんな僕でも、コービーはハイライト集をどこかの動画で見たのが記憶に残っていた。僕はコービーに興味が出てきた。

程なくしてコロナ禍が始まった。未知のウイルスへの恐怖に世界が震え、人と人との直のつながりが急速に失われ、そんなこととは本当に全く関係なく、僕は大学を卒業し、晴れてニートになった(申し訳程度に大学院に籍だけは置いていたが、何の活動もしていなかった)。
混迷する世界とは一切の関わり無く、僕は至って然るべく、徐々に他人とのつながりから離れていった。

時間だけはたっぷりあったニートの僕は、コービーへの興味から、NBAにハマった。リアルタイムの観戦はしていなかったが、少し昔のバスケットボールの歴史に興味が出て、ハイライト集を見漁った。90年代のジョーダンの時代、00年代のシャック&コービーやダンカンの時代、地元チームにドラフトされた若きレブロンの活躍、そんなレブロンの移籍によるヒール化、10年代のスーパーチーム結成ブーム、コービーとダンカンの対照的でそれぞれ彼ららしい素晴らしい勇退、カリーの登場と彼のチーム・ウォリャーズ王朝が起こしたスリーポイント革命、そんな最強王朝を倒し、地元チームに帰ってチーム史上初の優勝を成し遂げたヒーロー・レブロン… 世界とは関係なく、僕は絵本の中の物語に没頭する子供だった。

コービーを追悼し、彼の生前の活躍を振り返るたくさんの動画の中には、繰り返し彼の「マンバ・メンタリティ」が取り上げられていた。全ての自分に向けられた批判、ネガティブな感情、怒りや悔しさをモチベーションに変える彼の向上心を、夢が持てない子供なだけの僕はただ、物語の中の英雄の話としか思えなかった。


そんな中で、NBAのシーズンがアメリカのディズニーランドの中で、選手とスタッフだけの完全閉鎖空間、いわゆる「バブル」を作って再開されるというニュースを聞いた。にわかニートの僕は、そもそもシーズンがコロナにより中断されたこともそんなに詳しく知らなかった。

興味が出て調べ始めた僕は、どうやらシーズン再開までには、コロナ以外の社会的問題も絡んで紆余曲折があったらしいことを知った。間接的にコロナが引き金になったのかもしれないが、世界にはもともと分断があり、それが可視化されることが相次いだ。

今まで、ただの遠くの国の政治的なニュースの一つに過ぎなかった報道が、段々と自分の中で意味を持ち始めて繋がり出した。


「バブル」の中で行われたNBAプレーオフでは、生前コービーが所属していたレイカーズが優勝した。チームを率いたレブロンは、異なる3つのチームでファイナルMVPを獲得した史上初の選手となった。

レブロンが優勝インタビューで言った。

「全てをリスペクトしてほしい。チームを、街を、コーチを、選手を、そしてこの俺を。」

力強く、険しいようにも見えたその表情から出てきたその言葉が、何故かはわからないが、温かく聞こえた。自分の中で、自尊心の小さな小さな火が、再び起こった気がした。


小さな火が付いたが、その火を絶やさないように自分が努力した…というわけでも無かった。ただ、そこから先の1年間は、出会う人に、ニート生活では数少なかった出会う人に、ことごとく恵まれたのだった。

友人がその火に優しく息を吹きかけ、先輩は小さな枝をくべてくれて、医師は普通に薬を処方した(医師だけ比喩ではないのだが)。

社会に復帰できるだけの自尊心が回復して就職できた後も、そういう性質を持つ自分にとっては、職場に恵まれた。


そして今、就職してから1年と半年が過ぎた。不安定な時期をのらりくらりと乗り越えることを覚えながら、自尊心の火を絶やさないように工夫をしながら過ごしているのだと思う。

ただ、火の燃え方の性質が少しずつ変わってきている気がする。良質になっているわけではなく、少し異常発火な気もする。

心に余裕があるわけでは決してない。もっと成長したいわけでもなく、具体的に何になりたいという目標があるわけでもない。
それでも最近、なんとなくアクティブで大きく出る言動をとってしまう。今の自分の心の定常状態は、自信ではなく、傲慢さや苛立ちがベースにあるのだと思う。

大きく出るたびに、瞬間的に内省が入り、自分は何者でもなくただの不安定な青年であることを思い知らされる。


ここから先、自尊心の火を絶やさないようにするために、今まで燃料にできていなかったものをうまく消化していかなければいけない気がしてきている。
ここ数年は偶然の幸運に頼って火を保っているのだが、そうではなく、もっとありふれた自分の中に自然に発生する感情を昇華して利用したい。


最近、ふと思い出したかのように、コービーの「マンバ・メンタリティ」の動画を再び見始めている。

改めて見ると、やはりコービーの異常な向上心は真似できるものではないとは思いつつも、今度は絵本の中の話では無く、少しくらいは自分ごとのような気がしている。

コービーのように、7フッターのフィジカルモンスターであるシャックと命懸けで殴り合いをするパッションがあったり、数千万人のファンに死ぬほど嫌われてもそこから反骨心で頑張ったりすることはできない。それでも、まずは小さな悔しさや苛立ちにエンカウントしに行き、自尊心の火に自分の手で木をくべてみることを始めたい。


自分の火はまだ小さく、これから大きくなるものかどうかも分からない。近いうちに消えてしまうのかもしれない。もしかしたら、自尊心の火なんて消えてしまった方が幸せな類のものなのかもしれないとも思う。

1つ言えるのは、心に火が灯らずにニートをしていた1年間よりも、心に火が灯ってからのニート半年間+働き始めてからの1年半の方が、間違った自責をせずに済んでいる気がする。
自分が落ち込むためだけに自分を責めるだけでは無くなった。自分にも他人にも苛立ち、悔しい気持ちになることが増えた。

苛立ちや悔しさが増えたのは、悪いことなのかもしれない。もしそれらを感じない心になれたならどれほど楽に生きられるだろう、と考えたが、2年前までの自分を思い返して、良いものでは無かったなと思い直した。
どちらにせよ、火が灯っている今の自分がそんな安らぎを願ってもどうしようもないのだ。


あとはなるようになるしかない。自分が生み出せる熱量の分だけしか動けないし、逆に熱が出てくれば勝手に動いてしまうものなのだから、ある程度はそれに任せようと思う。
「俺の火がもう寿命だった」と納得できる段階に至るまでは、そうやって生きるしかないのだと考えている。


以上、本当に余談だった。今年のNBAプレーオフハイライトを見ながら。

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