飲酒
高校の頃の担任との会話
「お前さ、ODの代わりになる行為とかないの?」
「成人になってお酒が飲めるようになったら多分そっちに移行します。」
保健室でこんな話をして、その後に泣きながら教室に戻って、何も無かったような普通の生徒の顔をして放課後まで過ごした。ゆるりと記憶している。
私は変にずる賢いやつなので、自分の弱みを利用して他人につけ込んで優しくさせるのが得意なのです。
最低だなと少しでも思えた貴方、正常です。
こんなもの読むのをやめてさっさと寝てください。
最近はオーバードーズのこともかなり懐かしく思えるくらいになってきて、自力でメンヘラから這い出しつつある。でもまだきっと片手も出ていない。
青春真っ只中、女子高校生の私の楽しみは、薬と歌だけだった。あとは多少の恋とか、でも本当に多少。
今も完治はしていないけど、私は本当に酷いメンヘラだった。悲しい過去を何度も思い出して浸って、暗い部屋で1人で頬を濡らしながら大森靖子とクリープハイプばかりを繰り返し繰り返し聴き続けていた。
高校は嫌いじゃなかったけど、ここが自分の居場所だ!と胸を張って言えるほど馴染んではいなかった。女子トイレも教室も保健室も図書室も、何となく私によそよそしかった。私が馴染む努力をしなかったせいかもしれないけれど、そんなつまらない努力をするくらいなら馴染めなくていい。でもそれなりに青春っぽい事はしたし、絶望的なカーストでもなく何なら過ごしやすい立場にいた。これは私の力というより、私と当時仲の良かった友人が明るくて気が強く、適当でぼんやりとした薄暗い私を面白い奴として宣伝してくれたからだと思う。残りは周りの人間に恵まれていたというくらいだろう。
きっと絵に書いたような、いじめられっ子で学校が嫌いで家にも居場所がないという子からしたら、なんて贅沢な人間だと思われるだろうが、これは私が執念でもぎ取ったものなので人間は平等、誰かが救ってくれる、を綺麗事だと気が付いた特権で。
数年が経って、女子高校生は缶チューハイで眠剤を流し込んでいる。先生、私それなりに幸せですが、あなたに合わせる顔はありません。