社会人7週目、"ask"を続けてみた感想
前回の記事で、「『頼り上手』を目標にするのには抵抗を感じる。もっと抵抗感が少なくて意味も広い、"ask"(頼る、頼む、質問する)を目標にしようかな」という内容を書いた。
そして実際、先月から入社するにあたって、"ASK"と大文字で書いたメモをノートや部屋の壁に貼るなどして、意識するようにしていた。
"ask"が苦手な人は、そうする前に一瞬迷いが生じる。
「こんなこと聞いて、常識知らずだと思われないかな」
「いま忙しそうだから、質問したら迷惑かな」
「仕事を人に任せたら、押しつけてるって思われないかな」
「こんな頼み事して、おこがましいやつだと思われたらどうしよう」
など。
そうやって、相手がどう思うか・どう感じるかに想像が及ぶのは、悪いことではなくて、むしろ一種の社会的スキルだとは思う。
でも、それが怖れになって、自分にとって有用な"ask"にもブレーキがかかってしまう。
ふだん周りから頼られることが多かったり、物知りだと思われている人は特に、そうなりがちだと思う。
自分で言うのもなんだが、私もその一人だという自覚がある。
でも、会社に入るにあたって、私のことを元々知っている人はいない。私がしっかりしてる奴なのか、だらしない奴なのか、良識があるのか、ないのか、誰も知らない。
先入観を持たれていないうちこそ、どんどん"ask"して、「こいつちょっと常識抜けてるとこあるけど、ちゃんと報連相できててええ奴やな」くらいに思われたほうが良い。
逆に、「こいつしっかり者だと思ってたけど、なんでも独断で決めるから、会社の方針から逸れて大変なことになってもうたやんけ」となれば会社にも迷惑、ビジネスにも悪影響が及ぶかもしれない。
というわけで、入社以来、ちらりと迷いが頭をよぎっても、「えいや!」で色んな"ask"に踏み切るようにしてきた。
備忘録がてら、実践できたいくつかの"ask"を書いておきたいと思う。
To "ask" questions
研修を受けたら、とりあえず何か質問する。人事の方にも「新しい環境に来て新しいことを学んで、質問が一個も無いなんてありえないと思うんだよね」と言われたこともあり(実際は、何が分からないかも分からない現象が起こったりして、これが案外難しいのだが)。
「先程から皆さん使ってますけど、この略語は何ですか」
「どういう経緯でこうなったんですか」
最近特に意識しているのは、なんとなく分かったつもりを避けること。新しいシステムや制度などを説明されたとき、なんとなく頭の中で分かった気になって終わらせるのではなく、実際は誰が何をどうするのか、までミクロ視点で想像してみる。そうすると大概、自分の理解(あるいはシステムそのものの)詰めの甘さが顕わになってくる。
「ステップ1が済んだら、2を私がやることになってますけど、1が済んだっていうのはメールかなにかで通知が来るんですか」
To "ask" for confirmation, clarification, permission
「これって、こういうことかな?」は、よくあることだ。特に、なにかの手続きについて、紙面のマニュアルだけ渡されたり、口頭で軽く説明されただけだったりすると。
自分も、入社前の書類提出について「これは役所に持って行かず住民票をコンビニで取得して、自分で持っていればいいんだろう」と勝手に推測したところ真逆で、家族を役所に走らせ、提出先の方を待たせてしまったことがあった。「この指示はどういう意味かな」と思った時点で、人事に尋ねればよかったのだ。なのに「人事の人はただでさえ山のようにメールを受け取っていて大変だろうから…」などと要らない遠慮をして、結局手間を惜しんだ自分がいた。猛反省した。
実は入社してからも同じ「遠慮」を日々しそうになっている。というのも、社内ではチャットをよく使うのだが、相手方には通知が行って、ピコンと音が鳴るなり、アラートが表示されるなりする。それが結構集中力を妨げるのを、自分も受け身側として分かっているので、上司などに送る時は「緊急でもないのにお邪魔でないだろうか」と気をもんだりする。
でも、かといっていつなら暇なのか、こちらには見えないし(在宅が多く、オフィスにいてもフリーアドレスなので)、勤務中はみんな忙しいのだ。それはお互い様なのだ。だから、「お忙しいところすみません、急ぎではないのでお手隙の際でよいのですが」などと前置きだけして、遠慮なく質問などを投げさせてもらうようにしている。
To "ask" for help, favors
質問や確認だけでなく、お願い事も、思い切ってするようにしている。
直近で言うと、取引先に研修に行くにあたって、「できれば、いつもお世話になっている○○さんに挨拶してきてほしい」と上司に言われた。実際行ってみると、自分から言い出さない限りはご挨拶するタイミングはなさそうだった。そこで、研修して下さっていた方に「○○さんにお目にかかれますか」と申し出るかどうか数秒迷った。
今までの自分だったら、「上司も『できれば』と言っていたし、『無理でした』と報告すればいいか」くらいに思って、黙ってやり過ごしただろう(こういうのをチキる、と言うのだろうか)。でも、この一言のご挨拶が今後のビジネスでの関係性に響いてくるかもしれない、と思って自分を励まして声を上げ、結局名刺を頂くことが出来た。
☆ ☆ ☆
入社以来"ask"が抵抗なくできるようになってきたのは、もちろん自分の心がけによるところも大きい。
でもその前に、「予行演習」をできる環境があったからこそ、だと思っている。
秋田のホストファミリー兼バイト先(?)では、全員が年上(20代後半~90代まで)。明らかに私より人生経験のある人ばかりで、かといって先生でも上司でもないので、自分もすごく素直に質問が出来たし、それで嫌な顔をされたことも1ミリも無い。仕事場のキッチンも、泊まり先のお家も、全然勝手が分からなくて、でも独断で使ったり動かすのはさすがにいけないと思うので、やっぱり質問する。
安心して"ask"が出来る環境で(例えば、前も聞いたのに忘れてしまってまた同じ質問をするのは恥ずかしい、と思いがちなところも、おばあちゃんが多いキッチンなので、同じことをお互いに繰り返すのが当たり前になっている笑)、その練習というか体慣らしをさせてもらえたからこそ、会社でも地続きで実践できているという感覚がある。
秋田でも(そして今の会社でも)、"ask"する自分を受け入れてくれる周りの方々に感謝です!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?