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日本人が中国で住宅を購入した話② 設計費用はいくら!?

さてさて前回は中古マンションを購入したところまで書かせていただきましたが、今回は購入したマンションのリフォームはどこに、どうやって依頼したのか書かせていただきます。

中国のリフォーム工事は完全に施主参加型の内装工事でした…日本の場合はリフォーム会社と簡単に打ち合わせを行い、あとは丸投げなんてこともあると思いますが、そんな甘いものではなかったです…


リフォーム会社探しからスタート

先ずは内装工事を行ってくれるリフォーム会社を選びます。ネットで検索すると大手から小さい会社まで数多くあり、街中を運転していても「◯◯装飾有限公司」という内装工事の会社がたくさんあります。

筆者の場合、住宅に関して全く知識がなかったため、知らないところに工事を依頼して騙されるのも怖かったので、嫁の知り合いが経営する内装会社にお願いすることにしました。

内装会社といっても数人で経営している会社になります。中国では内装会社の多くが数人で経営しており、仕事をとったら知り合いの大工や設計士に仕事を委託して、自分たちは現場管理だけを行うという会社が多いそうです。

筆者が依頼した会社の場合、社員は設計士と現場監督が数名いる会社で、工事は知り合いの職人に依頼していました。大工といっても個人でやっている人が多く、いつも使っている人という感じで、現場で使い分けているそうです。

先ずは設計士と現場確認に行きます。
設計士「電気設備、扉、床はかなり傷んでいますね…どうしますか?」
確かに見てみるとかなり傷んでいる…一部だけ残してリフォームするのもなぁ…
筆者「よし、全部壊しましょう!ゼロからやります!」
設計士「え?全面リフォームですか?」

ということで結局は全部壊してスケルトン状態にすることに…
設計士も俄然やる気が出てきており、スケルトン状態の設計図を書くために採寸を始めます。久しぶりにやりがいのある仕事なのかな…w

簡単な図面(平面図)が出来上がると、いよいよ見積もりの話になってきます。部分的なリフォームは別と考えて、スケルトン状態の内装を行なった場合の一般的な流れを説明します。もちろん会社によって違いますので参考までに。

1. 内装会社選定
2. 現場確認、平面図作成(プラン)
3. 大凡の予算提出、工期、使用材料の確認
4. 契約
5. 契約代金の一部支払い
6. 工事開始
7. 中間検査(契約代金の一部支払い)
8. 完了検査(契約代金の残りを支払い)


設計プランを一緒に考える

筆者が依頼した会社では設計費用が50元/平米(約900円)で、100平米設計した場合約9万円の設計費用がかかります。この設計費用には平面図、施工図、3D図、現場が始まってから設計通りうまくいっているか確認していく設計管理費が入っていました。

設計費は設計士によってかなり幅が広く、施工まで依頼した場合、設計費用を取らない会社もあれば、有名設計士は300〜1000元/平米という高額な設計費用を取る会社もあります。

早速、設計士とどのような内装にしていくのか話し合いを開始。設計士は過去の作品を見せながらこのようにしたらどうかと提案してくれます。しかし設計士の過去作品を見ると、キラキラの内装や猫足みないな家具が置かれたヨーロッパ調のデザイン…w
え?ヴェルサイユ宮殿?みないな内装ばかり…w

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いやいや、日本人的にはこんなキラキラの内装落ち着かない…必死に日本の住宅内装の画像を検索して、このようなイメージと説明を始める。ここから施主参加型の地獄のような内装の日々が始まります…

筆者「先ずは玄関を作りましょう!入り口はタイルにして、1段上がってフローリングに」
設計士「なんで段差作るんですか?天井低くなりますよ?」
筆者「カウンターキッチンにしたいので、ここの壁を壊して対面にしよう!」
設計士「キッチンとリビングが繋がると、料理の煙が全部リビングにいきますよ!」

こんな感じで日本の気に入った内装写真から、設計士にこういう設計をしたいと伝えると、日本では当たり前のことが中国では当たり前ではなかったりするので、なぜ?なぜ?とその都度聞いてきます。

筆者もなぜ玄関が必要かなんて考えたこともなかったので、一つずつ調べながら説明していき、最終的には建築用語までかなり詳しくなっていきました!w
わかったことが中国にもそれなりに理にかなった内装設計があるということ。

例えば中華料理は油を多く使った料理で、ニオイも強い料理が多いことから、リビングとキッチンスペースを完全に分ける設計のほうが好まれるそうです。ですが最近は大きい家の場合、お手伝いさん用のキッチンスペースと、家主が人に見せる用のアイランドキッチンを分けて作ったりもしているようです。

設計士とは時間を見つけながら毎晩のようにカフェで打ち合わせをし、何回も修正をしながら設計をしてくれました。若くてやる気のある設計士で、日本の設計に興味を持ったようで嫌がらずにずっと付き合ってくれました。ここでも良い出会いがありましたね。


材料探しに建材市場へ

ようやく納得のいくプランが完成しました。内装会社からは設計と基礎工事、現場監督をしてくれることになり最終見積もりが上がってきたので内容確認して契約。今回は契約時に前金30%、中間検査後に50%、完了検査後20%の支払いとなりました。

内装会社では現在の内装撤去作業、電気工事、水道工事、壁・天井工事を行います。床、扉、フローリングや水廻り製品は、建材市場で購入した店の工事担当者が行いますので、現場監督だけとなります。

次はいよいよ内装に使う材料を探しに行きます。大きい内装会社では、自社で贔屓にしている建材ブランドがあり、基本的には安く仕入れができるので、そちらの使用を勧められますが、筆者の場合は自分で探すことを選択しました。
設計士はメーカーや代理店から紹介料をもらう仕組みなのですごく勧めてきます!w

設計図面に合う材料を探しに「建材市場」と呼ばれる、建材専門店が出店している大きなショッピングモールに行きます。建材市場へ行くと、生コンの材料からベニア板、玄関扉、キッチン、家具と住宅内装に関わる材料が何でも揃います。

大きな都市では建材市場にもランクがあったりします。輸入品を中心とした高級ブランドが立ち並んでいる高級建材市場や、大衆向けに安いブランドが中心の市場など、ある程度分かれているみたいです。

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建材市場には例えば給湯器だけでもたくさんのブランドで溢れています。ノーリツなど日本ブランドもありますが、中国ブランドや欧米ブランドとライバルの数に圧倒され、この中から選ぶのは結構大変です。

給湯器に限らず、全ての建材でたくさんのブランドがあるので、結局は友人に勧められたり、設計士のオススメで購入を決めることが多いそうですが、いずれにしても多くのブランドの特徴を聞くので、細かい部分まで詳しくなっていきます。

特に木質系の建材を選ぶときは「甲醛」と呼ばれるホルムアルデヒドの放散量を気にして買う人が多いそうです。日本の場合はF4星と呼ばれる室内建材に使用する基準がありますが、中国の場合、室内建材の規制は進んでいないようで、体に有害な物質が含まれた建材が多く流通しているそうです。国の基準はあるようですが、個人の内装にまで規制されていないそうです。

そのため中国では一般的に内装が終わると数ヶ月〜1年近く住まないで、建材の匂いがなくなったタイミングで住み始めます。調べてみると日本でも数十年前までは規制がゆるく、シックハウスの原因となったため規制を強化したとありましたので、いずれ中国でも厳しく規制が進む可能性がありますね。

筆者の場合、建材を選定するときは日本ブランドを中心に選びました。さすが日本ブランド!しっかりF4星と書いて販売していたので安心して買うことができました。トイレや洗面などもTOTOがあったので迷わず選択しました。

キッチンは嫁の知り合いがキッチン工場で働いているとのことで、知り合いの工場から直接購入することができました。嫁をなんとか説得して対面キッチンを実現することができたので、工場には扉の色や天板のイメージ写真を送って、設計図と完成イメージを作ってもらいました。

建材市場では選んだ建材をその場で支払って購入します。購入すると取り付け日を聞かれるので、日にちを指定すると取り付けにきてくれます。
値札はかなり高い価格を提示してあるので、購入するときは毎回値引き交渉をします!w
建材を購入するときでも中国式です。
正直、建材の適正価格なんて全くわからないので、詳しい中国人の友人と設計士、嫁に任せました!w

ある程度準備が整ったところで、いよいよ内装工事が始まります!

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