知的漫才師。〜ネイビーズアフロ みながわ様〜
ペンは剣よりも強し。
誰の言葉でしたっけ。知はあらゆる武器を凌駕するってことでOK?
長い間、高学歴とは芸人の対義語とされてきた。
「お前あほやな~将来は吉本しかないで!」とは古き良き昭和の昔話。
それを証明したのはロザンの菅さんが書いた「京大芸人」。
相方の宇治原さんのことを書いたノンフィクションなのだが、彼は著書についてこのようなことを言っていた。
「京大卒で芸人。芸人って京大の対極にある言葉やと思うんですよ。これは絶対に売りになるなって。だから相方には絶対卒業せえよ!ってゆうてました」
実際宇治原さんをクイズ番組で見ない日はない。ロザンのネタは見たことがなくても、「ロザンの宇治原」という名前は老若男女が知っている。
菅ちゃん、すごいわ。あなたの策略どおりよ。
いつかのオールザッツで死ぬほど滑ったなんて信じられない。
さて漫才劇場箱推しの私が最近はまっているのが「ネイビーズアフロ」の皆川改めみながわさん。
彼らを最初に劇場で見たのは2017年の夏。なんばグランド花月の本公演、カウス師匠の「漫才のDENDO」だったと思う。
そのころお笑い熱が再燃していなかった私は「若手かあ」とぼんやりとみていた。彼らが新進気鋭、そのあと賞レースにがん絡みしてくる漫才師だとは露とも知らず。
なのになぜ印象に残っているかというとそれこそが「高学歴」。
みながわさんもはじりさんも神戸大学卒業。
出た。出た高学歴芸人だ!
かくして「ネイビーズアフロ」の名前は私にしっかりと刻まれた。
それから3年。私が見取り図さんきっかけでお笑い熱を再燃させ、マンゲキ箱推しとなり、彼らを再び知ることになった。
「神戸大?青スーツ?前にNGKで見た人や!」
みながわさんがその頭のよさから「覚え芸」を炸裂させ、マンゲキメンバーからめちゃくちゃ嫌われてること。NHKで賞をとってから毎日そのことをつぶやいてよしたかさんが「おめでとう」と返すボケはもはや様式美となっていること。そしてインスタ、tiktokで展開される「別の人の彼女になりたいよ」シリーズは、もはや「嫌な奴」を芸にまで押し上げた芸術作品といえること。
もうね、嫌なやつなの。いやな彼氏なの。でも好き、って「ならない」の。ほんとうに嫌なの。けど破壊的にかわいいの。毎日楽しみすぎてやばいの。
彼のことをさらに好きになった出来事がある。
それはみながわさんのインスタライブでのことだった。
確か日曜の夜中に突然始まったインライ。200人ほどが視聴していた。
そこでは賢いみながわさんにいろいろ質問が行われていた。
私も書き込んだ。
「ドップラー効果について小学生の娘に説明できるように教えて欲しいです」
そのコメントを拾ってくれた彼は説明し始めた。しようと試みたけど、途中で「すみません、ちょっと次回にさしてください。すみません」と言った。ああ、困らせちゃったか、と思っていたら、少し考え込み、「やっぱりやらせください」と言って説明してくださった。
その姿にめちゃくちゃ好感を持ってしまった。「えーっと、小学生でもわかるようにですよね」と簡単な言葉を選んで、丁寧に丁寧に説明してくれたのだ。
なんて素敵な人なんだ。全然嫌な奴じゃないやん。
まあ劇場でいじられてるのはノリだとは思うけど。愛すべき高学歴芸人・みながわさん。
後日、インライで誰かが「気を使ってくださってありがとうございます」と入れたコメントを拾い、
「コメントありがとうございます。ああ、使う、の漢字間違うてますね。遣う、ですね、遣唐使の遣です」
遣唐使の遣て。
そーゆーとこやぞ!!(好きすぎ)
写真ほ漫才劇場のプロフィールからいただきました。