心臓の興奮発生から収縮までの流れ
【興奮発生から収縮までの流れ】
①興奮の発生と伝達
②心筋細胞の興奮
③心筋細胞の収縮
それでは1つずつ説明していきます。
【興奮の発生・伝達】
〇自動能とは?
刺激伝導系を構成する特殊心筋細胞は自発的に興奮を発生させることができます。これを自動能と呼びます。
正常では洞結節からの興奮が最も高頻度で発生するため、下流の刺激伝導系の自動能は抑制されています。
〇洞結節の活動電位
洞結節の興奮は第4相・0相・第3相からなる。
・第4相:Na+などの流入による内向きの電流が緩徐な脱分極を起こす
・0相:Ca2+チャネルの開口によりCa2+が細胞内に流入
・第3相:Ca2+チャネルが閉鎖し、K+チャネルの開口によりK+が流出する
特殊心筋の自動能は、電気的には第4相での緩徐な膜電位の上昇に相当。
洞結節や房室結節の細胞には内向きのK+電流がないため、浅い膜電位(ー60mV)からCa2+依存性の活動電位を発生する
【心筋細胞の興奮】
〇固有心筋細胞の活動電位
固有心筋細胞の興奮は0相~第4相からなる。
・0相(急速脱分極)
Na+チャネルが開口(活性化)しNa+が急速に細胞内に流入
・第1相(早期急速再分極)
Na+チャネルの閉鎖と、一過性のK+流出によるわずかな再分極
・第2相(プラトー)
Ca2+チャネルが開口しCa2+が細胞内に流入。
・第3相(最終急速再分極)
Ca2+チャネルが閉鎖。
第2相後半から始まったK+チャネル開口が進み、K+が細胞外へ流出。
・第4相(静止期)
第3相の後半からK+チャネルによりK+が細胞外へ流出
【心筋細胞の収縮】
〇心筋細胞の機能的構造
心筋細胞には様々なイオンチャネルやポンプが存在し心臓の収縮を行う。
イオンチャネルは膜内外の電位差に基づきイオンを通すためエネルギーは不要。一方でポンプはATPを使ってイオンの汲み出しや取り込みを行う。
〇心筋の収縮と弛緩
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