【リプレイ】のびのびTRPGソード・ソロプレイ
以前友人たちと遊んだのびのびTRPGが面白かったので、今回はソロプレイをやってみた。
ソロプレイについては、しゅん様のこちらのノートが詳しいと思う。
公式の遊び方では、ソロプレイの際は1人でPCとGMを兼ねるようだが、僕はPCをさらにもう1体追加して、擬似的に2人プレイをしている。カードは6枚引くことにした。
基本的には、引いたカードをもとに物語を考えるというやり方になるのだが、今回は「より"それっぽい"TRPGリプレイ」を作ることに挑戦してみた。
というわけで、以下にリプレイを書いていく。
【PC設定】
先述したように、僕が操るPCは2人。職業はハンターと貴族を選択した。
ヤヨイ:ハンター
19歳、性別不詳。
極東の島国出身のハンター。
一人前になるため、修行をしようと旅に出た。
力:3、技:4
エリザベート:貴族
17歳、女性。
お茶目で好奇心旺盛。
貴族らしからぬ行動が目立ち、屋敷を追放されてしまった。
力:1、技:1
【イントロダクション】
キャラ設定が決まったところでイントロダクションカードをめくる。
ヤヨイとエリザベートは、きっとどこかでそんな情報を目にしたに違いない。
ヤヨイにとっては、一人前になるための修行のひとつとして好都合である。
エリザベートは、その性格ゆえ好奇心が抑えられなかったのだろうか。
壮大な物語が幕を開ける。
【1枚目】スクール・スニーキング
GM:「大いなる剣」を探すといっても、そもそもそれがどこにあるのか、どんな形をしているのかを君たちは知らない。というわけで、王国にある学園に潜入して、図書室で調査することにした。学生服に着替えて、まずは人目につかない体育倉庫に移動しよう。生徒たちにバレないようにね。
ヤヨイ:そういうことならボクは得意だ。エリザベート、こっちへ。
エリザベート:学生服って、何だか楽しいですね!私も平凡な学生生活を送っていたらこんな感じだったのかしら?
ヤヨイ:しっ、静かに。ここを一気に突っ切るぞ。
エリザベート:はいっ!
GM:お見事、成功だ。エリザベートを導いたヤヨイには光カードを付与しよう。「三世 - 君は偉大な名前を継いだ三代目だ。技+1」
ヤヨイ:ボクの家系は、曽祖父の代からずっとハンターなんだ。曽祖父は国中で有名な腕利きだったと聞く。こうやって学園に忍び込むくらい何てことないさ。
【2枚目】ニセモノあらわる
GM:図書室で剣について調べていた君たちは、ある事実に直面する。世界が破滅に瀕しているという噂の根源は、エリザベートの偽物によるものだったのだ。次の瞬間、図書室の電気が落ちた。そして、蒼白い明かりのもとで、偽物の顔が楽しげにゆがむ。こいつを捕まえないと、世界の破滅は全部君たちのせいにされてしまう!成功条件は[技:6]以上だ。
エリザベート:なるほど。屋敷を追放されたのは、私の自由奔放な行動ばかりが原因かと思っていましたが…もしかしたら、お父様たちは偽物に惑わされたのかもしれませんわ。
ヤヨイ:エリザベート、大丈夫か?
エリザベート:ええ。でも、偽物はこの私が捕まえます。いきますわっ![技:1D6+1=4]
GM:失敗してしまったね。
エリザベート:ふえぇ…。
GM:エリザベートには闇カードが付与される。「死神 - 君が参加した戦場では、君以外誰も生きて帰ってこなかったという。力+2、技-1」
エリザベート:でも、こんな状況、慣れていますから…。
ヤヨイ:エリザベート?
エリザベート:実は私はお父様の本当の娘ではありませんでしたから、小さい頃から疎まれていて、祈祷のための生贄として戦場に連れて行かれたことがありましたの。そうしたら、兵隊が全滅してしまって…。私っていつもこうなんです、大事なところで失敗をするんですわ。ですから、いつだって私が悪者でしたし…。
ヤヨイ:どんな過去があっても、君は君だってボクは思うよ。
【3枚目】矢の雨をかいくぐれ
GM:君たちが逃した偽物は、大きな爆音と閃光を上げて学園から去っていった。何事かと集まった警備員たちに君たちは見つかり、一斉に矢を放たれる。どうにかして生き延びよう。成功条件は[技:6]以上だ。
ヤヨイ:こういうのはボクが慣れてる。エリザベート、ボクに正確についてきて!そうすれば避けられるはずだ。[技:1D6+4=8]
GM:さすがヤヨイ。
エリザベート:怖かったわ…。ヤヨイ、ありがとう。
GM:付与される光カードは「ツンデレ - あんたのためじゃないんだから。対象の判定に+2のボーナス」だ。
ヤヨイ:別に君のためじゃないさ、こんなところでくたばられたら後味が悪いってだけだ。
【4枚目:絶望する村人】
GM:エリザベートの偽物が王国を撹乱していることが分かったから、ここに留まり続けるのは危ない。君たちは近くの村へ行くことにした。しかし、そこにいる村人たちは全員、絶望に暮れている。聞くと、未来も希望も「奴ら」に奪われてしまったのだという。破滅の危機は、もうそこまで近づいているようだ。しかし彼らを放ってはおけない。今はとにかく、村人たちを励まそう。
ヤヨイ:ボクは気の利いた言葉をかけられない。こういうのはエリザベートが得意じゃないか?
エリザベート:どんなに今が絶望的でも、未来は自分の手で変えることができますわ。そのために、私たちは「大いなる剣」を探していますの。それがあれば、きっと希望も取り戻せるはず。どうか前を向いてくださいね。
GM:見事だね、エリザベート。光カードを付与しよう。「羊飼いの少年 - 案内するよ、ついてきて。技+1」
エリザベート:羊飼いさん、私たちを案内してくださるの?ありがとう。
【5枚目:永遠の島で】
GM:村で出会った羊飼いの少年が指差す方角に、何やら運命的な気配を感じた君たちは、その地を目指すことにした。それは不老不死の伝説が残る絶海の孤島。
エリザベート:こんな遠い場所まで来るのは初めてですわ。
ヤヨイ:ボクはこうやって海を見ると、旅に出た時を思い出すよ。
GM:君たちは島で都市の残骸を見つけた。建物を調べる君たちの背後で、がれきを蹴り崩して現れたのは、不老不死の住人…ではなく、身体中から凶器を生やした自動人形だ。成功条件は[力:9]以上だよ。
ヤヨイ:ボクの方がエリザベートより多少は力がある。といっても、こいつらを倒すには心もとないけど…。
エリザベート:ヤヨイ…。
ヤヨイ:でも、やってみるよ。[1D6+3=7]
GM:失敗だ。これはちょっときつかったね、ヤヨイ。闇カードを付与しよう。[刃物怖い - 尖ってるしギラギラしてるし、武器を持つとヒエッてなる。技+1]
ヤヨイ:はぁ、はぁ…。だめだ、敵が多すぎる。それに何だ、自動人形の体から生えてるあの刃物は!ボクは狩りをするときに弓しか使わないから、ああいうのは苦手なんだ…。
エリザベート:ごめんなさい、私が無力なばかりに…。どうかここで体を休めてくださいね。私が先を調べてみますわ。
【6枚目:大切なもの】
GM:エリザベートが先へ進むと、黒い炎を背に、ボスが立ちはだかった。そして剣を突きつけてこう言った。「命は全て死に絶える。なぜ生きようとする。こんな世界に何の価値があるのだ?」その問いかけへの答えが、世界の命運を握っている。
エリザベート:確かに命には終わりがありますわ。でも私は、終わりがあるものこそ美しいと思いますの。だって、それだからこそ、私たちは限りある時間を一生懸命に生きるのでしょう?そして、人と手を取り合って、未来を作っていくんですわ。
GM:とても素敵な答えだね。素晴らしい、君たちの勝ちだ。ボスはその強くまっすぐな言葉に打ちひしがれ、膝を折った。そして…おめでとう、ボスが突きつけていたその剣こそが、世界を救う「大いなる剣」だったのだ。一応エリザベートには光カードを付与しておこう。「博士 - 博士の称号を持つ君の言動は、比類なき権威である。技+1」
ヤヨイ:エリザベート…すごいや。
エリザベート:実は私、これでも大学を飛び級で卒業して、博士の称号を持っているのですわ。おかげさまで「普通の学生生活」とは縁がなかったけれど…ふふっ。
【エピローグ】
ヤヨイとエリザベートは、伝説の存在となれたようだ。
今日も酒場のどこかで、彼らの武勇伝が語られているのだろう。
ソロプレイを終えて
淡々とカードを引くだけなのでプレイ自体は地味だった。
ソロプレイゆえ会話をすることもないので、傍目には盛り上がりに欠けるはずだ。
ただ、ランダムに引く場面カードの辻褄を合わせ、物語を考えるのはとても楽しい。
光カードや闇カードで、次々と追加される要素の整合性をとっていく必要もある。
今回は驚くほど綺麗にまとまったストーリーになったが、次の機会はこうはならないかもしれない。
ただ、発想力や想像力を試すいい材料だと思う。
TRPGのシナリオ作りにも役立てられそうだ。
体感、3人プレイにすると、一番バランスが取れそう。
とはいえ、1人でもTRPG気分を味わえるので、おすすめしたい。
ただ、TRPGがどんなものか全く分からない、本当の初心者にとってソロプレイは難しいかもしれない。
なので、ある程度プレイ経験のある人や、リプレイを見たことのある人はぜひやってみてほしい作品だった。