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【小説】ティファニーで朝食を


著者:トルーマン・カポーティ
日本語訳:村上春樹
出版社:新潮社
文庫 ‏ : ‎ 288ページ

第二次大戦下のニューヨークで、居並ぶセレブの求愛をさらりとかわし、社交界を自在に泳ぐ新人女優ホリー・ゴライトリー。気まぐれで可憐、そして天真爛漫な階下の住人に近づきたい、駆け出し小説家の僕の部屋の呼び鈴を、夜更けに鳴らしたのは他ならぬホリーだった……。表題作ほか、端正な文体と魅力あふれる人物造形で著者の名声を不動のものにした作品集を、清新な新訳でおくる。

新潮社HPより引用

この本を読んでの個人的な感想と備忘録になります!
※以下ネタバレ含みますので未読の方はご注意ください※

この作品について、率直に自分の感想を語りますがすごく好みが分かれそうだなと思いました。
実はこの作品、途中まで読むのに結構苦労しましたw
私が小説読むときって、まずあらすじをみて大体どんな話か、何が言いたい話なのかってことをある程度予想を立ててから読み始めてるんですけど、私の理解が及ばずあらすじ読んでも物語の趣旨や終着点がわからなくて、読みながら結局これは誰のための何の物語なのかに気づくのが遅かったのでこの物語の良さに気づくのに時間がかかりましたね。
途中読むのやめようかなって思ってしまったタイミングがあったことを正直にお話して謝罪します(>人<)
それに関してはこの物語の趣旨と「ホリー」についての理解が足りなかったなって。でもそれがすごく人間関係を感じたというか。
この物語って「読み物」より「体験」っていう感覚に近いなと。
物語を読み進めていってホリー・ゴライトリーという人物について知って行く過程が実際にホリーと出会った自分の体験というか。
ホリーの事をあまりよく知らない上にあまり良い印象もない。みたいなところから彼女を知って好きになって、絆されて最終的に掌の上というか笑
人を知る過程を一通り経たような感覚になりました。
このホリーに対して好感がもてるかどうかで読み手の評価に繋がりそうだなと思いました。
ホリーの事好きになりましたね。自由奔放で正直な生き方。呆れるようなところの方が大きいはずなのにどこか眩しい。憧れてしまう人間性があるなと。
「レベルを下げるくらいなら死ぬほうがマシ」という言葉よかったなあ。
自分への自信もしっかりあるところ、好きです。
あとは手紙を読むシーンですね。早く読みたいだろうに身だしなみを整えるってところにホリー・ゴライトリーを見ましたね。素敵だ。
この話はあえて主人公をホリーにしないところがミソだし主人公の彼女に対する気持ちの変化はあれど関係性が変わらないところがいいなと思いました。
読みながら結局付き合うんでしょ。って気持ちがあったので笑
これに関してはいい意味で裏切られて良かったです笑
終わり方は「え、これで終わり?」と思ったのですが最終彼女がどうしているか描かれていないあの終わり方だからこそ逆によかったのかもなって。
彼女のことだからきっと好きなように今も生きてるでしょうね。

総評はとても良かったです!
私もホリーのような友人をもってみたいし身近で彼女のような生き方を見て刺激を受けたい人生でした。いや、この本を読んでしっかり刺激を受けたので、途中難しいなと思いましたが最後までしっかり読んでよかったです!
また何年か経って読み返すと良さそうな感じ。
良い読書の時間でした!
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました!
では!