三足目のわらじ

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最近の記事

自治体における法的リスク評価について

はじめに 私の所属先において、「この点についてリスクはないか」や、「いままでの行動でリスク評価してほしい」という要請を受けることが増えてきました。このため、そもそも論としての「リスク」とは何か、という点についてまとめたので、公開(後悔?)します。 ※随時更新予定です。解釈違い等の可能性があれば、コメントください。 1 リスクとは まず、リスク評価について考える前に、「リスク」とは何かについて考えます。  日常生活や仕事上でよく聞く「リスク」とは、何でしょうか。これについては

    • 最近燃えた(モチベーションになった)話(どうでもいい愚痴吐き)

      日記代わりの内容です。 先日、職場にて、コンプライアンス違反が二本ほど立て続けに起こったので、その毒吐きです。 まず、一つ目のコンプライアンス違反は、個人情報保護法違反です。内容については、詳しくは言えないのですが、個人情報についての調査権限がないのに、提供制限の範囲を超えて提供を求めるよう上司から指示されました。 「違法です」と伝えたところ、「言い訳すんな!」とのこと。 二つ目は、翌日に内部規則違反を行い、真正性が問われる文書の作成について同意する、といった事例があり

      • 就学援助制度の課題

        1 はじめに いままでの記事では、就学援助制度を運用するうえでの基礎知識にあたる部分を説明してきました。これは、自分が異動となって就学援助を担当した際に、実務を運用する前に知っておくべき知識のそもそもの調べ方がわからず苦労したため、他の方に同様のことを思ってほしくないという一心で作成したものとなります。  さて、実務運用論についてはすでに触れた通りとなりますが、本noteでは、雑記として、実務を通して抱いた問題意識を残しておくことにします。 2 問題意識(1) 各自治体が

        • 就学援助制度マニュアルのレシピ

          第1 就学援助マニュアルの必要性 前回までのnoteでは、就学援助制度について概観しました。今回のnoteでは、就学援助制度マニュアルの作り方を見ていこうと思います。その前に、なぜ、「制度マニュアル」が必要となるかについて確認します。  事務マニュアルや制度マニュアルは、本来、ある程度完璧に要綱や要領が策定されていた場合、不要かと思います。しかし、要綱や要領は、細かく定めると改正の手間が増えてしまうことや、弾力性のある運用をすることができなくなってしまいます。このため、多くの

        自治体における法的リスク評価について

          就学援助制度② 対象費目➁

          就学援助の支給費目前回のおさらいとなりますが、就学援助の費目は、下記の14あります。 学用品費 通学用品費 校外活動費(宿泊を伴わないもの) 校外活動費(宿泊を伴うもの) 体育実技用具費 修学旅行費 クラブ活動費 新入学児童生徒学用品費等 学校給食費 医療費 卒業アルバム代 PTA会費 生徒会費 (独立行政法人日本スポーツセンター掛金) オンライン学習通信費 上記のうち、前回は1から7までを記載しました。次に、8から14までを記載します。なお、

          就学援助制度② 対象費目➁

          法令における要件充足の表現方法

          1 興味・関心 私は、昨年の4月から自治体の法務から別の部局に異動となりました。法務にいた際には、法制担当も兼ねていたので、例規審査を行っておりました。法制担当だった際には特に気にしていなかったのですが、現場にて自由に要綱等を改正して良い立場になると、法制の時よりも細かい表現が気になり始めました。その中の一つが、「要件」を充足しているかどうかについての表現の方法となります。  以下では、まず、法律要件の概念について確認した後に、法令における表現方法、その中でも特に、法律にお

          法令における要件充足の表現方法

          予備試験 勉強記録Excel

          必要な方は使ってみてください。 もし、関数がうまく作動していない場合は、修正しますのでコメントください。

          予備試験 勉強記録Excel

          自治体における告訴に関する内部規則と告訴裁量

          はじめに 本ノートは、研究ノートに昇華する前段階のメモになります。ところどころ文章になっていなかったり、箇条書きになるかと思いますし、その前に短すぎてそこまで至らないかもしれません。  また、最新の文献を引用できていないこと、不勉強な点が見られること等に対してご了承いただければ幸いです。 公務員の犯罪告発義務  刑事訴訟法第239条第1項では、「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」としております。この「しなければ

          自治体における告訴に関する内部規則と告訴裁量

          就学援助制度② 対象費目①

           就学援助制度における対象費目は、下記の通りとなります。 学用品費 通学用品費 校外活動費(宿泊を伴わないもの) 校外活動費(宿泊を伴うもの) 体育実技用具費 修学旅行費 クラブ活動費 新入学児童生徒学用品費等 学校給食費 医療費 卒業アルバム代 PTA会費 生徒会費 独立行政法人日本スポーツセンター掛金 このノートでは、とりあえず1から7まで説明します。それでは、一つずつ内容を見ていきましょう。 1.学用品費  児童又は生徒が通常必要とする学

          就学援助制度② 対象費目①

          就学援助制度① 趣旨、対象者

          本ノートの目的 就学援助制度は、後述の通り各市町村それぞれのローカルルールに則り運用される制度となっています。自治体によっては、制度の運用についてマニュアルが残されていたり残されていなかったりします。自分の場合は事務マニュアルはありましたが、おおむね後者で、「要綱以外に何もない中で理解するために要する時間が無駄だな…」と思ったので、一般論的な部分をノートに残し、全国の就学援助制度担当者が少しでも楽になるように、道しるべとなるようなもの(体系的理解ができるようなもの)を残したい

          就学援助制度① 趣旨、対象者

          救護法(昭和4年法律第39号)の全文

          救護法とは 救護法は、生活保護法の前身の前身の制度です。生活保護制度は、公的扶助であって救貧法的な性質を持つものであり、下記の変遷を遂げています。  恤救規則(明治時代)⇒救護法⇒旧生活保護法⇒(現行)生活保護法  恤救規則の本文は、コピペできる状態でインターネットを探すと出てきます。しかし、救護法は国立国会図書館のPDFデータでしか見つからず、「検索できないのは不便だな」と思いましたので、下記のデータは、自力で何とか作成したものになります。  誤字脱字等がありましたら、

          救護法(昭和4年法律第39号)の全文

          とりあえず、名称変更

          名称変更の理由名称をTwitterのアカウント名から「三足目のわらじ」に戻しました。 理由としては、次の三点になります。 アカウント名の影響?理解?が大きすぎる。 思ったよりも投稿の習慣がつかなかった。 やはり、予備試験をきちんとした状態で受けたい。 では、一つずつ触れていきましょう。 1 名前が大きすぎた。  もともとの名前は、ドイツ語の「保護領域」でした。これは、憲法における三段階審査の一番最初、「保護領域」のことを指します。三段階審査の論文で記載されていた

          とりあえず、名称変更

          ダイエット用のtdee計算表(Excel)

          コロナがはやり始めた時期に、6か月でマイナス16キロを達成しました。その後、継続して取り組み、マックスで21キロくらい痩せました。(それでも、学生時代の一番痩せていた時期からは10キロ近く太っていますが…) その際に、Excelで食事制限するときのカロリー計算表を作っていたので、それを備忘録代わりに貼っておきます。 ほしい方がいれば、これの増量バージョンもありますので、言っていただけると張りますね。(そもそも、ネットで調べられるため、需要があるかはわからないので、とりあえず

          ダイエット用のtdee計算表(Excel)

          学習用記録表(Excelデータ)

          自分の学習時間の記録用に、Excelデータを作成していましたので、公開します。怪しいデータじゃなく、たすまるさんのブログにあった内容をもとに、計算表をざっくり作っただけです。 Excelのバージョンによっては、残り日数が出ない時があるため、その時は関数を組みなおしていただければと思います。 また、改良した方がいい点等があれば言ってもらえると嬉しいです。必ず対応するわけではありませんが、時間があるときに対応するかもしれません。

          学習用記録表(Excelデータ)

          原田大樹「行政法クロニクル」第1回の示唆

           本日は、原田先生が法学教室にて連載されていた「行政法クロニクル」の内容について検討しようと思います。  さて、行政法クロニクルとは、田中二郎博士という行政法の大家の理論を、原田先生が研究した結果となります。 (行政とは)  「行政」概念については、「国家から立法作用と司法作用を除いたもの」という控除説が通説となっています。当初、田中二郎博士も控除説を採用していたものの、『新版 行政法 上』(有斐閣、1974年)からは、積極説が採用されていました。 (積極説とは) 「

          原田大樹「行政法クロニクル」第1回の示唆

          本noteの目的(自治体職員視点の実務と学問の交錯点の探求)

          (自己紹介)  私は、現在、地方公共団体の職員として働く傍ら、とある地方私立大学の大学院にて研究活動を行っております。専攻分野は、一応、行政法、政策法務論となりますが、勉強の仕方が悪いのか、すべてにおいて中途半端な状況です。コロナの影響で、残念ながら他の院生とかかわりを持つ機会が減り、勉強のアウトプットの場が減ってしまいました。アウトプットできる場の確保のため、自身の考えとそれに至るプロセスを本noteに記載することにします。 (本noteの目的)  本noteの目的は

          本noteの目的(自治体職員視点の実務と学問の交錯点の探求)