日光道中 復路1 日光鉢石宿→文挾宿
五街道復路シリーズ第二弾。
昨年夏以来の夫婦での行軍。
復路なので、往路で紹介した史跡は省略し、ご当地の独特な文化の紹介や、観光開発目線での妄想をレポートします。
2023.04.08
1.スタート地点まで
日光道中は二つの脇往還があり、日本橋に向かうには四通りの道順から選択可能。しかも途中の日光御成道の浦和大門から別れる赤山道を選ぶと、自宅まで歩いて帰宅できるのです!
どの道順を選ぶかは風まかせ、復路だからこそ楽しめる街道歩きの、はじまりはじまり。
右のビルが以前勤務していたオフィスビル。中央奥の場所は、競合で勝っていれば、東京スカイツリーが建つはずだった場所。もし建ったら写真のビルの4倍近いの高さ、恐ろしいですね〜。
春の青春18きっぷの有効期限最後の週末、始発の各駅停車はどの方面も大混雑するのでグリーン車に避難。
日光駅に近づくにつれ、まだ残っている桜の木々が目に飛び込んできます。
よしよし、今日の街道歩きは桜も楽しめるぞ!
日光道中の復路が始まります。
往路で神橋に到着したのが2021年12月25日、一通り画像は前回の記録でアップしましたので、復路は前回にアップしていない内容や、逆のアングルでの画像、そしてちょっとしたテーマを探しながら歩いてみます。
▽往路の記録/細かい記録はこちら
2.羊羹銀座
日光道中の終点は鉢石宿。
鉢石の由来となる石があったのですね。往路ではゴールしか見ておらず、完全に見落としてました。
羊羹屋さん多いですね!
9分間歩いて6件、歩いていて1分30秒に1件の割合、この密集率は日本一かもしれません。
CONTACT NIKKO。
日光産蕎麦粉100%グルテンフリーなタコスなどを提供してます。
奥にある舞台のようなスペースで飲食するのだと思われます。狭いスペースを立体的に活用して、高い人口密度でオシャレに寛げて、周囲からも注目される、上手ですね。
町名の頭文字をデザインした、ワールドカップのトロフィーの様な街灯が並んでました。夜にどの様な輝きをみせるのか、見てみたいです。
この付近は2021年12月に往路で歩いてますので、ご興味のある方は冬の日光をご満喫ください。↓
3.杉並木のはじまり
杉並木の始まり。
江戸から歩いてきた時は、宇都宮宿の中心地を抜けて1時間くらい歩いた付近から杉並木が始まりました。
この先丸一日杉並木の中の行軍。雨の予報なのですが、杉並木があるので心強いです。
ヤシオツツジ。
栃木県で春によくみる、枝の先にいきなり花が咲く木。葉っぱはこの後生えてきます。
4.遮断参道
この付近は日光街道でも最も狭いエリア。国道・有料道路・JR東日本・東武鉄道がぎぎゅっと迫り、場所によっては歩道もありません。
よってこの付近の社寺の参道は、後から敷かれた線路に遮断されてます。気の毒ですが時の流れには、逆らえない事もあるのですね。
国道から逸れて、静かな杉並木の中を歩きます。街道としては最高の条件が整ってきました。
5.氷池
日光は天然氷の産地。
製氷の蔵元は、氷室と呼ばれます。氷づくりは最も寒い1月から2月にかけ2週間くらいかけて氷を育て、成長の目安は1日1cm。こまめに落ち葉やホコリ等を取り除き、気象条件と向き合いながらの作業を繰り返し、15cmの厚さまで成長したら切り出して"氷室"と呼ばれる貯蔵庫へ格納されて完了。
全てが天然で手作りの氷って、素晴らしいですね!
杉並木オーナー制度、1本1千万円でオーナーになれ、証としてオーナーの名前が飾られます。
2023年3月31日現在、オーナー契約数は565本、50億円超えているのですね!
徐々に標高が下がっていくので、咲いている桜もそろそろ無くなります。
あと一年観られないと思うと、葉桜も散った花びらも、全てが愛おしくなってきました。
6.例大祭
瀧尾神社は782年に、日光開山の祖である勝道上人によって創建された、歴史ある神社。
今日明日は例大祭の日、これから街が慌ただしくなる前の、ざわざわした雰囲気が漂ってました。
瀧尾神社のおみくじは、竹で組まれたオブジェに縛られています。
角度を変えて竹を組んだりしたら、もっと芸術的な光景が繰り広げられそう。
前回歩いた時は、美味しそうだねと、眺めただけで入らなかった本沢だんご。
小腹が空いたので食べていこうと寄りましたが、あまりに美味しくて再び店内に戻り、自宅用に買って帰りました。
きなこ団子が、ヨモギ団子の周りにアンコ更にその周りに溢れんばかりのキナコ、三つの味のハーモニーが絶妙!
夫婦で街道歩いた中で食べた団子の中でベストでした。
今市宿は、瀧尾神社の例大祭があるにもかかわらず、静かに時が流れていました。
あと少しで今回の旅で最初の追分、すでに日光道中・日光例幣使街道・日光壬生道全てを歩いるので、帰りはどの道から帰っても良いお気楽な旅です。
7.追分で道を選ぶ
今市追分。
左に行くと日光道中、右に行くと例幣使街道、例幣使街道の方が鉄道の近くを通るのと、近道なので迷わず楽なルートを選びます!
家内は動植物が大好きなので、なかなか前に進みません。
その代わり私1人で歩いていたら、絶対に気付かない動植物を見つけてくれます。
上の画像の葉の名前は"破れ傘"、見事なネーミングで、一度見たら忘れない姿、一度聞いたら忘れない名前。
今日は朝から曇り時々雨の予報。杉並木の中は鬱蒼としているので、朝からずっと夕方のような感じ。
そんな中、一瞬晴れ間が差した瞬間があり、杉並木の間から見える風景が、別世界の様に輝いて見えます。太陽の光は、一瞬にして景色を一変させる力があるのだなぁと実感しました。
晴れた時の風景は、2021年4月に歩いた時の記録をご参考にされてください。↓
杉並木の奥に見える風景、杉の木を額縁に見立てて見ると、ちょっとした美術館気分が楽しめます。
8.マムシ草
ついに見つけました、マムシ草の芽。
マムシ草に最初に出会ったのは、2021年10月の甲州道中笹子峠でした。
上の写真の様な毒々しい実が、ニョキニョキと伸びています。
何だろうと調べたらマムシ草、芽が出た時がマムシの模様、緑の花が咲く頃はマムシが首を高く上げた姿に似ている、との説明。
最初に出会った時の記録です。↓
上の写真は1年前に同じ道を歩いた時、芽から葉っぱが伸びてきている頃です。
1kmですが通行止めの区間を歩きます。
落ち葉が積もったフカフカの道は快適、何年も経つと、落ち葉の層が厚みを増して、舗装道路があったことが嘘の様になるのでしょうね。
鳥居製造の永楽屋。
今オーダーすると納期は2ヶ月先、背丈ほどの大きさで20万円前後です。
9.贅沢な退屈
歩いているとチョコレートの甘い香りが漂ってきました。暫くすると大きな工場が、看板には"日本チョコレート工業協同組合"の文字が。
組合には27社が加盟しており、有名な芥川製菓・コロンバン・モロゾフなどのお菓子メーカーの名がありました。
お昼に入った駅前食堂、最寄の文挾駅まで20分くらい歩きました。
日光の杉並木は総延長が30km超でギネス認定、とにかく長いです。
1年前に往路で歩いた際は、スケールの大きさとゴールが近づいて来ている事も相まって、飽きることなく感動してました。
今回も感動するかと思ったら、そうでもありません、こんなにも素晴らしい風景なのに退屈してきます。家内に聞いたら同じだったらしく、よく考えたら美味しい食べ物もしかり、人間の感動って2度目はこんなものなのだと、街道の神様が思い出させてくれました。
家内が昨年の夏以来の街道歩き。
足慣ららしで20kmくらいで終わりにして、早めにさいたまに帰ります。
さいたま新都心駅には、さいたまスーパーアリーナのライブに向かう、30代以上のほぼ女性の群衆が溢れれてました。
普段は服装と客層で、何系のライブかわかるのですが、今回は全く読めません。アイススケートは先月やってたし…。
調べたところ東方神起でした。
来週は文挾宿から鹿沼宿を経由して日光壬生道に入り、壬生宿を目指します。
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